イケメンすぎる対応に涙…飼い主が感動した猫さまが病気の夫にした行動

取材、文・Manabu Matsunaga — 2024.1.27
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第203回目は赤トラのルル(Lulu)さま。

見た目も性格もイケメンすぎる猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.203
猫さまの話をもっと聞かせて!
ルルさまは2歳半の男性猫さま。


花と赤トラ猫


<ルルさまが語ります>
僕たち一家の住まいは、車の通りが少ない道にある小さな庭付きの平屋建て住宅です。家の中には植物がたくさんあるのですが、僕はそれに興味がありません! ミモザの季節に飼い主が飾ってもいたずらしません。
花と赤トラ猫

飼い主はよく買い物をするので、家には古いフリーマーケットの家具がたくさんあってとても居心地がいいですよ。
眠る赤トラ猫

夏は夜遊びが大好きで、冬は戸棚の中で寝て過ごすことが多く、いつも新しい隠れ場所を見つけています。日中数時間外出し、その後戻ってきて飼い主たちの膝の上に乗ったり、ラジエーターの近くの暖かい場所を陣取ります。屋根裏部屋だけではなく、脱衣所でも眠るのが大好きです。夜は飼い主の隣のベッドで眠ります。
丸くなった赤トラ猫

毎朝午前6時30分から7時頃に起きて朝食を催促! パテを食べることで1日が始まります。おやつもあって、いつも食欲旺盛です。クリスマスや誕生日には、特別なパテや小さなチーズのおやつを買ってもらいます。そしてときどき、エビが1~2尾登場します。好物はマグロとエビですが、グリュイエールチーズも大好きです。
ケーキを観察する赤トラ猫

性格はとても貪欲で、とても社交的。とても愛情深く、好奇心旺盛で、まったく野生的ではないとみんなから言われています。
<飼い主から見たルルさまとは>
私たちはルルの前に猫を飼ったことがありませんでした。25年間住んでいた町を去る事になった時、私の息子は夫に、引っ越ししたら猫を飼うと約束させました。引っ越しから3か月後、ルルが私たちの生活にやって来ました。夫がすべてを調整してくれました。残念なことに、私の夫は翌年癌で亡くなりました。ルルも私の夫の思い出の一部になりました。
赤トラ猫

ルルは保護協会を通じて養子にしました。その時、彼は生後7か月で、他のたくさんの猫と一緒に里親養護施設に住んでいました。息子は生姜猫が欲しかったのでルル選びました。それから私たちはホストファミリーのところに行き、私たちの関係が上手くいくのか確認しました。相性は抜群で、関係は素晴らしくうまくいきました。
日向ぼっこをする赤トラ猫

最も楽しいエピソードは、ルルが我が家に到着した日のことです。最初の夜、彼をあまり怖がらせないように小さな部屋(寝室)に入れるように言われましたが、寝る時間になると、ルルはベッドで静かに私たちを待っていました。それで初日から私たちと一緒に寝る事になったのです。
眠る赤トラ猫

ルルは淡く美しい赤い毛並みをしていて、とても脚が長いです。散歩から帰宅したとき、外のドアの横に立ってドアハンドルを引っ掛けて自分で開けようとします。
私たちが長い外出から戻ると、カーペットの上に寝転がって私たちに撫でて欲しいと言います。もちろんルルは私たちの家族の一員です。
すごい体勢で眠る赤トラ猫

私はいつも彼と話しています。とても愛情深く、夜、私がソファでうたた寝していると、寄り添って寝てくれます。私たちはいくつかの点で少し似ています。ルルはとても遊び好きで、寝るのが大好きです。もちろん他の猫と同じでしょうけど、それは私と同じです! そして私たちは食べることも大好きです。
花と赤トラ猫

家の中では、いつも居心地が良くて温かい場所にいます。ルルは私たちに出会えて本当に幸運だと思っているに違いありません。夫が病気で亡くなるまでの間、ルルはこの辛い時期を過ごすためにとても貴重な助けとなりました。ソファで何時間も夫を抱きしめたり、話したりしてくれたのです。それは私を落ち着かせ、私たちの人生を明るくしてくれました。
花と赤トラ猫

ルルを飼ったことで人生が少し変わりました! ルルが私の元を去る日、痛みをともなわない最後になることを願っています。彼と一緒にいて、彼の道の終わりに寄り添うこと、そして私を彼の記憶の中に連れて行ってくれること、でもそれがすべて可能かどうかはわかりませんが。
ーー猫さまは人の気持ちを理解できる生き物だと、今回のお話を聞いて改めて認識しました。最愛の夫を亡くしてもルルさまがいた事によって飼い主の気持ちが未来に向けて喜び希望をもたらしてくれたんだと思います。
著者情報

松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!