目ヂカラがハンパない…青い瞳でおねだりする猫さまの飼い主孝行な一面とは

取材、文・Manabu Matsunaga — 2023.6.11
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第143回目はスノーベンガルのチェリー(Cherry)さまの登場です。

超かまってちゃんな猫さまの物語

【フレンチ猫(犬)さま】vol.143
猫さまの話をもっと聞かせて!
チェリーさまは9歳の女性猫さまです。


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チェリーさまが語ります

朝は飼い主が起きるのと同じ時間まで寝ているので、飼い主孝行しています。さすがに土日は飼い主が寝坊をするので、洋服ダンスの戸棚を開けようとしたり、暖炉の上に登って注意を引き、起きて起きてと催促をします。飼い主がやっと起きたらお腹をみせて「ご機嫌ムード」をアピールするのです。


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ちょっとした朝活として、軽く運動をします。そして激しく鳴きながら朝ご飯を要求し、食卓下にあるラグマットの上にお座りして朝ご飯のマグロ缶を食べます。デザートのちゅ~るも忘れません。


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その後は、満足感のあるうちに身繕いをし、お天気の良い日は窓際で、寒い日はほかほかのカーペットが敷かれているハウスでひと眠り。飼い主は自宅勤務が多いので、お昼ご飯の時も同じことを繰り返します。
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お昼ご飯の後は、長いお昼寝に入りますが、時々飼い主に近寄って、お腹を見せてなぜてもらったり、膝の上やパソコンの上にわざと乗って「かまってモード」を炸裂させます。夕方、飼い主がピアノを弾き始めると、もうすぐ晩御飯という事がわかります。椅子の横にピタッと寄り添い、食事を待ちます。
多くの猫たちがそうだと思いますが、私も自分を人間と同じと思っているので、飼い主たちが食卓に着くと、自分も一緒にご飯を食べます。そのため、ご飯はマグロ缶1日分を3回分に分けて、飼い主たちと同じタイミングに食べています。
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夕食の後は、また寝ますが、飼い主が映画やドラマを観ていると、それらが終わるまでに大概起きます。そこから1日のうちで一番楽しみにしている遊びモードのスタートです。その時の鳴き声は激しくて格別です。あまり悪戯はしないのですが、この時ばかりは普段乗るのが禁止されている場所にわざと乗り、気を引こうとします。おもちゃで遊んだり、水遊びをした後、大好きなブラッシングをして、満足したらカリカリを食べて、眠りにつきます。
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1日3回に分けて食べているのは、『almo nature』というブランドの猫用マグロ缶と、常備してあるキャットフードです。日本製のおやつが大好きなので、日本製のカツオ、日本製のちゅ~るもあります! 好きな場所は自分だけの場所とわかっている、キャットタワーの上か、外の景色が見える日当たりの良い窓際のクッションです。寒がりなので、ほかほかのカーペットが中に敷いてある、ハンドメイドのチェリーハウスもお気に入り。
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おもちゃは日本製の、トンボがついた猫じゃらし「かしゃかしゃぶんぶん」と、羽のついた猫じゃらしが特にお気に入り。新しいおもちゃには常に興味津々です。
性格は好奇心が強くて、快活でコミュニケーション上手です。反面、人見知りで甘えん坊なところもあります。3歳くらいの頃、突如人見知りに変身しました。独特で複雑な部分もありますが、そこがまた魅力らしいです。見事なモンローウォークをし、トイレの時は鳴いて知らせています。
飼い主から見たチェリーさまとは

住んでいるのはパリ9区、モンマルトルの少し下あたりです。大ヒットした仏映画『アメリ』の舞台となったカフェが近所にあり、パリの古い街並みがたくさん残る界隈です。
ベンガルといえば豹柄で有名ですが、チェリーはその色合いからスノーベンガルと呼ばれる品種です。血統書の中の正式名は、IVORY(アイボリー)ですが、我が家での命名はCHERRY(チェリー)です。


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チェリーとは少し不思議な出会いでした。猫を飼い始めると決めた時は、純血種を飼うつもりは全くなく、引き取り手を探している猫の広告ばかりを見ていました。しかし、みんな可愛いのでなかなか決める事ができませんでした。そんな時「生まれたばかりのベンガルの子猫をもらってください」という広告を見つけたのですが、それは見事な詐欺広告(メールのやり取りですぐに詐欺と気づきました)でした。それまでベンガルという品種も知りませんでしたが、奇しくもその広告からベンガルに惹かれ始めました。ベンガル種の事をもっと知りたいと思いながら検索していると、1年2か月経っても飼い主が見つからず、引き取り手を探しているという広告に行き着き、写真を見てすぐに会いたくなりました。それがチェリーでした。ご縁があったのだと思います。
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チェリーは透き通ったブルーの瞳とミルクティーのような色合いのマーブル柄、シルクのような柔らかい毛並みをしています。背中には天使の羽模様みたいな柄があり、すべて可愛いのですが、上目使いの目線も最高です! 彼女の存在自体が癒しになっています。マイペースで頑固なところ、病院や注射が大嫌いなところが私に似ているかもしれません。
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猫を飼うのは初めてですが、チェリーのお陰ですっかり猫の魅力にとりつかれました。すべてが楽しい毎日です。一番の思い出は我が家にやってきた日、一睡もしなかった事です。今は落ち着きましたが、来た頃から3歳くらいまでの期間、本当によく遊ばないと寝なかったので、私も真剣に遊びました。猫ってこんなに遊びたがる動物なんだ! と驚き、大変ではありましたが、すごく楽しかったです。生まれたばかりの子猫時代を知らないので、この時期は私にとっては特別な思いがあります。日々、動物も私たちも、今日もまた存在している事自体が、奇跡のように貴重であるという事を教えてくています。
ーー飼い主のピアノが響くとお腹が空くチェリーさまは可愛いですね。飼い主のピアノに飽きてきたら、ひたすら楽譜を落としてかまってほしいアピールをするとのことです。結構なかまってちゃんで、伸びたら体長が長く、女性猫さまにしては大きいチェリーさま。伸びてお腹をなぜてもらうのを催促するポーズ、毎日何度もこれを繰り返すのを見たら構わずにいられなくなりますね。

取材、文・松永学