母猫も兄弟もお空へ…壮絶な生い立ちの猫さまと飼い主の「奇跡的な出会い」
命を救ってくれた飼い主にべったりな猫さまが登場!
【フレンチ猫さま】vol. 28
猫さまの話をもっと聞かせて! 母の命と引き換えに救われた壮絶な生い立ち、ロビンソン・クルーソー猫さま。
奇跡は起こる! クロゾエさま、9月に2歳になる男性猫さまの話を聞きました。
僕は出生時の体重はわずか90グラム! 母親は僕を産んでまもなく亡くなったそうです。獣医からはほとんど助からないだろうと言われていましたが、母猫がすべきことを飼い主が代わりにしてくれて、懸命な付き添いと哺乳瓶で奇跡的に命が助かりました。その後も戦いは続きました。
2時間ごとのミルク、毎食後には抱擁。子猫は6週齢になるまではその世話が必要です。栄養が体に行き届くために子猫を刺激することは主に母猫がします。4週齢の子猫は体温を調節することがうまくできないので、体温を38度に保たなければならないことは飼い主にとっても容易なことではなかったようです。
ロビンソン・クルーソーは島にたどり着いた男の子の物語なので、飼い主はクルーソー、フランス呼びではクロゾエという名前を付けました。
僕の家には既にリーピチープという名前の11歳のメインクーンとオプティムスという名前の5歳になるサイベリアンの猫さまがいました。いまは一緒に仲良く遊んで過ごしています。
毎日の生活はリーピチープやオプティマスと戦うのも好きですが、飼い主に甘えたり抱きしめられる時間が大好きです。飼い主が食べているものに興味があって、ねだっては食べさせてもらっています。特にステーキ、鶏の胸肉、サーモン、オリーブが好物です。
他の兄弟とは違って甘えん坊で、飼い主が仕事をしている間はずっとそばにいます。羽のおもちゃがで遊ぶのが大好き、でも来客は苦手でつい唸り声を上げてしまいます。
僕と飼い主の自慢は「全国フェリウェイコンテスト」で優勝したことです。
サイトに写真をアップロードしてレポートを提出してサイト訪問者の投票で審査されるものです。僕の生まれた時からの成長話は人々に感動を与えて好評だったとのことです。
ーー飼い主は数か月間、小さな野良猫とその子猫たちに食事の世話などの面倒を見ていました。しばらくしてその一家が姿を消しました。ある日、子猫なしで親猫が一人で戻って来た時にすでに身籠っていることがわかりました。
その後、親猫はどこかで出産したと思われるものの、クロゾエだけを連れて再び飼い主の前に現れました。親猫は相当弱っていたようで、そのまま命が絶えたそうです。他の子猫は見つかりませんでした。多分何匹か死産し、 人の手があれば残されたクロゾエの命を救ってもらえると母親は思ったのかもしれません。
取材、文・Manabu Matsunaga