職場の20代男性に執着…55歳経営者女性の「歪んだ妄想と心の闇」

文・藤島佑雪 イラスト・小迎裕美子 — 2024.2.19
銀座のマガジンハウス6階、anan編集部の片隅に『クラブ佑雪』が開店。人生相談で有名な当クラブのママ、藤島佑雪さんが迷えるみなさんのお悩みにお答えします。今回は、55歳会社経営者の女性。職場の40代女性と20代男性の関係を疑い、モヤモヤしているとのことですが…。彼女が抱えている問題は何なのか、佑雪さんがズバリ回答してくれます!

お悩み:「自分より若く美しい女性に嫌悪感を感じます」

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【クラブ佑雪】vol. 333


私は55歳、会社経営者です。最近、40代後半で外見に自信があり、あまり自分の内面に磨きをかけていない女性に対し、嫌悪感を感じて、つい冷たい態度をとってしまいます。自分では、自分がだんだん年をとっていくことへの焦りや彼女たちへの嫉妬もあるのかもしれないと感じてもいます。つい、相手に対して優位な部分を探している自分がいます。

彼女たちは若い男性に馴れ馴れしくすることも多々あり、特に私が一生懸命に育成している経験の浅い24歳の男性スタッフにボディタッチしたり、挙動不審と思うような行動もあったりして、イライラすることもあり、私が見ていないところで個人的に接触したりしているのではないかと思ったりします。本人たちに聞くと「お互い親子みたいな年齢差があるし、何にもありません」と言われ、周囲のスタッフに聞いても「何もないのでは? 気にし過ぎでは?」と言われます。ただ、それも、黙っていればバレないからとごまかされているんじゃないかと疑ってしまいます。

もちろん、お互い独身だし恋愛は自由だし、男性には「彼女もいる」と言われます。ただ彼女とは休みの日が合わなくてなかなか会えないとも言っているし、46歳独身女性スタッフは乳がんでいつか乳房を摘出する手術をするので、その前に性的な欲求を満たす相手として手っ取り早く、お互い都合がいいとも思えてしまいます(余計な勘ぐりですよね)。

私には夫も子どももおり、会社も特に問題ありません。夫は大学教授で外見も悪くなく、やさしくユーモアもありますが、性的なことは年齢もあり、自分から迫ってくることが少なくなっています。また、私の実家の母とも同居しているので、キスなどもいつも私からなので、寂しく感じるからかもしれません。若い男性スタッフは自分と似ているところがあり、若いときの自分と重ね合わせてしまい、執着しているのかもしれません。自分を磨いて自信をつければ、他人のことなど気にならないというのは頭ではわかりますが、すぐに彼らのことに気持ちが向いてしまう自分がいます。どのように考えれば、執着する気持ちをやり過ごすことができるのか、教えていただけないでしょうか?

(ま 55歳既婚 会社経営)

「嫉妬の上手な扱い方」

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対象がなんであれ、人が人に嫉妬してしまうのはごく普通のこと。ただ、その気持ちをどう扱うか、ですよね。嫉妬って、キリスト教では「七つの大罪」にも数えられてますし、仏教でも嫉妬はよくないとされていて、大昔から人類がもてあましてきた感情であり、その感情をもたないまま生きる技術は未だ、発見されていないのではないでしょうか? もしかしたらその技術が“悟り”なのかもしれませんが、凡人にはまずムリですからね。

だから、ひとまず嫉妬を感じるのはお腹が空いたり、眠くなるのと一緒で、しょうがないと諦めましょう。ただ、55歳であるご相談者さまの嫉妬の対象が10代や20代などの本当に若い女性じゃなく、40代後半という自分よりちょっと若い相手だというのが気になります。その彼女こそが、“ついこないだまでの自分”なのではないでしょうか? つまり、こういうことです。「ついこないだまでは私だって、そこそこ見た目も悪くないし、独身ならモテてたはず。あんただけじゃないわよ、美魔女は!」っていう気持ちが前提にあるから、彼女に対して特別な感情をもってしまうのでは? で、なんなら「同じ歳なら、あんたなんかに負けないわよ、私は!」って思ってる、とか? だって、人って圧倒的に眩しい存在には嫉妬しない。したくてもできないって言いますから。

そこで侘び寂びを感じてしまうのが、ご相談者さまが素敵なパートナーの方から、最近めっきり迫られなくなっているというくだり。「自分を磨いて自信をつければ、他人のことなど気にならないというのは頭ではわかりますが」とおっしゃいますが、本当は「自分を磨いて自信をつければ、昔みたいに夫が自分から求めてくれるんだろうな」って感じていらっしゃるのではないでしょうか。違います? そこが捻れて、こじれている気がしてならないのですが。なので、お悩み冒頭にある「自分の内面に磨きをかけていない女性に対し、嫌悪感を感じ」っていうのは、46歳の女性に対してではなく、本当は内面を磨けてない自分に嫌悪感を感じていらっしゃるのでは? いかがでしょう?

だって、実際どうなのかは置いといて、少なくともご相談者さまにはイチャついているように見えた46歳女性と24歳男性やほかのスタッフに「あんたたちどうなの?」ってめちゃくちゃ突っ込んだ質問を社長の立場で社員にしてるわけでしょ? ご自覚ないのかもしれませんが、相当、問題です。その一件が起こった後のすごい妄想は頭のなかだけで収めていらっしゃるようですから、まあいいですが、社内でそんなこと社長に聞かれたら、わたくしだったら、会社を辞めてしまうかもしれません。ごめんなさい。

ということで結論としては、嫉妬も妄想も自分のなかだけで収めておく分にはセーフ! ただ、外に出したら、まして自分の会社の社員に言っちゃうのは完全アウト! 内面を磨くのはどうぞお好きに。それより前に、そしてそれ以上に、対外的な態度を改善しましょう。嫉妬で自分が苦しいのは我慢すればいいけれど、社員を苦しめてはいけません。わたくしから申し上げられるのは以上です。よき人生を。


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藤島佑雪(ふじしま ゆうせつ)
元リアル銀座のクラブのホステスを経て、占い師・開運アドバイザー。著書に『元銀座ホステスが教える強運!美女になる方法』(文藝春秋社刊)。anan web上の銀座『クラブ佑雪』オーナーママとしてお悩み相談「クラブ佑雪」、『TABI LABO』で「目覚めよ! 恋愛力 藤島佑雪のLOVE占い」など連載多数。


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