実家暮らしと一人暮らし、幸せに差はあるの?
仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。
「実家暮らしは婚期が遅れる」という説を信じて、一人暮らしを満喫する女子たちに告ぐ。まさかとは思うけれど、今の生活が快適過ぎて、手放せなくなっていたりしない? 生活力がついてきた自覚があるなら、よーく考えてみよう。
【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.16
突然ですが、たくさんの実家暮らし女子に、私はまず謝りたいと思います。
「いい年して、理由もなく実家暮らししてちゃダメだよ‼」と、私は実家暮らしのあなたがたをディスり続けていました。謝ります。ごめんなさい。
何かと話題に上がる「一人暮らしVS実家暮らし」の比較という戦いの中で、私はそのつど“自立”という正義の言い分をふりかざし、「だって楽なんだもん」というあなたがたに、「楽ばっかりしてると成長しないよ」と、勝手にナマケモノの烙印をバコンと押し、あげく「婚期を逃すよ!」と、恐怖心まで植え付けていた。今思えば、それは間違いなく自分自身の将来不安への裏返し発言だったと思っています…

実家暮らしをディスった2つの理由。
何が不安っていうと、もちろんこのまま結婚もせず、ずっと一人だったらどうしようという気持ちもあるのだけど、それよりなにより、
「一人暮らしが楽しすぎてどうしよう…」とか
「1人で生きる力がつきすぎてどうしよう」とかとか、
一人暮らしのとてつもない魅力から抜け出せない自分の今後が怖すぎて、だと思う。この魅力的すぎて危険な竜宮城での宴は、怖いけれど楽しすぎるから、なるべく1人でも多くのオナゴを道づれにして、こやつもあやつらも快楽に溺れてしまえ〜という思いから「実家暮らしはヤバいよ!(だから、あなたも一人暮らしをして、楽しさに溺れなさイヒヒヒ)」と、今思えば誘惑していたのだ。
気楽と堕落のハーモニー。
一人暮らしは寂しいときもあるのだが、なんやかんや気楽さと自分好みの生活はとてつもなく幸せだ。
住む場所もインテリアも100%自分好みでよし。毎晩、海外ドラマを観ようがアニメを観ようが、チャンネルは私の意のまま。風呂の時間も気が向いたときで、むしろ他人様にバレなければ入らなくたっていんだから!
そうして人間的にアウトと言われる寸前まで手抜きできる生活を、手放したいと思えるわけがない。そして1人で生きる力も、まーまーついてしまった。
たとえば夏の風物詩「イニシャルG」。あ、ゴキブリね。昔は3時間も泣き叫び、今すぐ来られる友達を探しまくって、結局誰もこなくて(友達少ない)一人で退治したものだが、今でこそ「あっ」と驚いたとしても、3分で瞬殺である。
はたまた一昨年の年末は、忘年会で牡蠣の当たりを引き、年末年始1人フィーバーを迎えていた。それはそれは上から下から激しい祭り状態で、何度死ぬと思ったことか…しかし、数日後には年明けうどんを一人ですすり、しっかり年始第一営業日には回復する空気の読める私である。ほらね。こんなに大人になってるじゃないの。もはや誰かと家族という共同体を築かなくてもいいくらいに(泣)。
その昔NHKの子ども向け番組に「ひとりでできるもん!」という微笑ましい子ども料理番組があったものだが、アラサーの「ひとりでできるもん!」ほど、「それ、できちゃって大丈夫?」と内心突っ込まずにはいられない。