志村 昌美

荒木飛羽「佐藤健さんの話をすると語彙力が低下する」好きすぎる思いを語る

2022.12.13
誰の人生においても忘れられない思い出といえば、初めての恋。そんな思いが蘇ってくること間違いなしのオススメ作品といえば、Netflixの人気ランキングで初登場1位となった話題のNetflixシリーズ『First Love 初恋』です。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。

荒木飛羽さん

【映画、ときどき私】 vol. 540

満島ひかりさん演じる也英と佐藤健さん演じる晴道という初恋カップルの20年にわたる運命の恋を描き、大きな反響を呼んでいるラブストーリー。映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』やドラマ『ザ・トラベルナース』など、話題作への出演が続いて注目を集めている荒木さんは、也英の息子である綴を好演しています。今回は、現場での様子や役作りの裏側、そして運命の出会いについて、語っていただきました。

―まずは、出演が決まった経緯から教えてください。

荒木さん 今回は、オーディションでこの役を勝ち取って演じることになりました。オーディションでは、満島さんが相手をしてくださったので自分としては緊張していましたが、「緊張しているようには見えなかったよ」と言っていただけてよかったです。

―ということは、満島さんとの親子役にもすんなり入れたのでは?

荒木さん そうですね。確かに、親子としての距離がどんどん縮まっていくのを感じて、しっくりくることは多かったです。特に今回は、事前に渡していた僕の小さい頃の写真を満島さんがつねに持ち歩いてくださっていたり、一緒にご飯を食べるシーンでは僕に一番おいしい部分を分けてくださったりしたので、そういうところからも本当のお母さんに対するような気持ちが大きくなっていきました。

自分で曲を作ったことで、役の感情を共感できた

―綴は音楽が好きな男の子でもありますが、ご自身も普段からギターを弾かれているので、役作りにおいて音楽的なアプローチもされましたか?

荒木さん 劇中で使っているドラムパッドを触るのは初めてでしたが、それを使って自分で曲を作ったこともありました。何曲かは自宅で一から作ったので、指導してくださる方にも聞いていただきましたが、「いいね!」と言ってもらえたときはうれしかったです。

―これをきっかけに、音楽の才能も開花したのかもしれませんね。

荒木さん もともとは、綴がいつも使っている特殊なマウスや音楽のシステムの使い方を理解するために始めたことでしたが、楽しかったです。綴も本気で音楽を楽しんでいましたし、夢として自分の支えになっていたのが音楽なので、それを僕も感じたいなと。実際、自分で曲を作ってみたからこそ、綴が自作の曲を削除するシーンで味わう感情やしんどさはより共感できたので、演じるうえでも助けになったと思います。

―綴といえば、わりとおとなしいタイプの子ですが、普段の荒木さんはどんな感じですか?

荒木さん 僕は全然そんなことはなくて、どちらかというと普段からわりとうるさいほうかもしれないですね(笑)。ただ、綴が初恋の相手である詩ちゃんの前で好きな音楽の話で饒舌になってしまうところとかは、僕と同じだなと思いました。

佐藤健さんには、何回会っても緊張してしまう

―また、本作では荒木さんの憧れでもある佐藤健さんとも共演されています。これまでも何度かご一緒されていますが、この現場で印象に残っていることがあれば教えてください。

荒木さん 何回会っても、「健さんだ! あぁ、かっこいい!」といつもなってしまうんですよね(笑)。なので、今回も緊張しながら撮影に挑みましたが、現場では健さんが好きなポケモンの話をしたりして過ごしました。

あと、これは満島さんから聞いたお話ですが、健さんが「飛羽もキスシーンをする歳になったのかぁ」とか「演技がうまくなったよね」と言ってくださっていたようで、それを聞いたときにはうれしすぎて死んでしまいそうになったほど。健さんに関することを話そうとすると、もともと高くない語彙力がさらに低下してしまうので何と言っていいかわからないのですが、感情が変なところに行ってしまうくらいとにかくうれしかったです。

―本当にお好きなのが伝わってきます。では、也英と晴道が繰り広げる恋愛模様については、どう感じましたか? 

荒木さん 僕はあのカップルが大好きですが、若いときも大人になってからも2人だけの空間があってそこがすごくいいなと。でも、仲の良かった2人だけに、そのあとにいろんなつらいことが起きてしまうのが本当につらかったです。ケンカをしてしまうシーンでは信じられないくらい心が苦しくなりましたが、最後のほうで宇多田ヒカルさんの楽曲が流れた瞬間にブワーって泣いてしまいました。

運命は信じたほうが楽しいと思っている

―ちなみに、運命は信じるほうですか?

荒木さん 占いとかの悪いことは信じませんが、いいことだけは信じるようにしています。なので、運命はわりと信じているほうかもしれないですね。

―いままでで運命の出会いを感じたことがあれば、お聞かせください。

荒木さん 自分のことではありませんが、僕のお父さんとお母さんは運命の出会いだったのではないかなと。それぞれ地元はまったく違いますが、美容師を目指していたお父さんが神奈川で勉強していたら、そこにたまたまお母さんがカットモデルに来て出会ったそうです。僕がいままで生きてきて、それが一番運命だなと感じる出会いです。そういったこともあって、運命を信じたほうが楽しそうだなと思います。

―確かにそうですね。劇中では、印象的な告白するシーンもありましたが、荒木さんがされてみたい告白のシチュエーションといえば?

荒木さん 劇中で相手の好きな食べ物を聞いて告白するというシーンがありますが、僕はそこがすごく好きで、見ていて「キャー!」ってなりました(笑)。ああいう告白は、すごくステキですよね。

―キュンとするようなデートシーンもいろいろとあったので、そのなかでしてみたいデートもあったのではないかなと。

荒木さん 本当にかわいいカップルなので、全部よかったですが、僕が雪を好きなこともあり、雪のなかでのデートはいいなと思いました。特に、タイムカプセルを埋めている場面では2人の後ろに足跡があったり、雪のなかを走ったりしているのが好きなところです。雪のデートは、東京ではなかなか味わえないのでいいですよね。

眠れないときに、話し相手になってほしい

―綴が恋をする詩のような女の子については、どう感じましたか? 

荒木さん 詩ちゃんは綴にとっては初恋でしたが、周りを魅了し、感情を揺さぶる子だなと感じました。そのおかげで綴も前に進むことができて、お母さんとも話す機会が増えるので、誰かの運命や気持ちを動かせる魅力のあるステキな女性だと思います。

―荒木さん自身が女の子に対していいなと思うポイントがあれば、教えてください。

荒木さん まずは、無言でも気まずくない方がいいですね。あと、僕は寝つきがすごく悪いほうなのですが、いつも一緒に寝ている10歳下の弟がすぐに寝てしまうので、眠れないときに話し相手になってくれる方だといいなと思います(笑)。

―ちなみに、「初恋」という言葉を聞いて思い出すことは? 

荒木さん あまり覚えていませんが、保育園に通っていた頃にダンスの先生に指輪をあげたことがあったみたいです。なので、それが初恋だったのかな……。あとは、今回のテーマソングでもある宇多田ヒカルさんの「First Love」を撮影期間中に友達が偶然聴いていて、ドラマのことを言いたいけど言えなかったので、「初恋」と聞くとそのときのことを思い出します。

まだ自覚はないけれど、成人するのは楽しみ

―最近、胸がときめいたことはありましたか? 

荒木さん 僕は弟が大好きなので、弟が寝ているのを見ているときですね。あとは、僕が「おいで!」というと走ってきて、ギュッとしてくれるんですけど、そのときは本当にかわいいです。

―来年は18歳ということで成人になりますが、意識していますか?

荒木さん まだ全然自覚はないですが、まずは車の運転をしてみたいなと考えています。あと、20歳になったらお父さんとお母さんとお酒を一緒に飲みたいので、それはすごく楽しみです。成人式とかも楽しそうだなと思っています。

―最後に、ananweb読者にメッセージをお願いいたします。

荒木さん 今後はもっと幅広い役を演じられる役者になりたいと思っているので、ぜひこれからも応援していただけたらうれしいです!

インタビューを終えてみて……。

劇中の綴と同じように、17歳とは思えない落ち着いた雰囲気をまとっているように見えましたが、大好きな弟さんや佐藤健さんの話になると一気にテンションが上がってしまう荒木さん。最初のイメージと、無邪気な笑顔を浮かべて話している姿とのギャップを楽しませていただきました。少しずつ大人っぽさも増し、作品ごとにどんどんと変わっているので、今後もますます注目です。

恋のせつなさと美しさに浸る!

運命に翻弄されながらも、運命が引き起こす恋の奇跡を信じずにはいられなくなるこの冬最高のラブストーリー。名曲が奏でるメロディの美しさとともに、初恋でしか味わえないときめきや痛み、そして恋する喜びで胸がいっぱいになるのを感じられるはずです。


写真・山本嵩(荒木飛羽) 取材、文・志村昌美

ストーリー

90年代後半、北海道の田舎町で出会い、運命を感じて恋に落ちる也英と晴道。きらめくような高校時代を過ごしたあと、それぞれの夢を叶えるため、2人は離れ離れになる。境遇の違いから徐々にすれ違っていくなか、些細なことでケンカしてしまい、ある事件が起きてしまう。

それから、20年近くの月日が流れ、タクシードライバーとして生計を立てる也英とセキュリティ会社で警備員として働く晴道。交わることなく別々の人生を歩んでいたが、運命は2人をもう一度引き合わせることに……。

ドキドキが止まらない予告編はこちら!

作品情報

Netflixシリーズ『First Love 初恋』
Netflixにて独占配信中
https://www.netflix.com/title/81137509