不動産会社の女性経営者が教える! 間取り図でわかる「ひとり暮らしで避けたいNG物件の見極め方」

文・市岡彩香 — 2024.2.10 — Page 1/2
初めてのひとり暮らしは、どんな物件を選んでいいのか分からず不安ですよね。今回は、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに、物件探し初心者に向けて「住まない方がいいNG物件の見極め方」を教えてもらいました。プロのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください。

不動産会社の女性経営者が教える! 「住まない方がいいNG物件の見極め方」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.43

――初めてひとり暮らしをするかたに向けて、”住まない方がいいNG物件の見極め方”のポイントを教えてください!

NG1. 「収納スペースが極端に少ない間取り」

平出さん 収納スペースが極端に少ないと、限られた居住スペースが狭くなってしまいますし、見た目がスッキリしないなどデメリットは多いです。初めてのひとり暮らしであれば、最初は荷物が少ないため問題ないかもしれませんが、住んでいるうちに段々と荷物は増えるもの。収納スペースが極端に少ない物件はワンルームやデザイナーズに多いので、物件を探す際はキッチンや洗面台、トイレなどに備え付けの収納スペースがあるかを忘れずにチェックするようにしてください。

NG2.「部屋のカタチが複雑な間取り」

平出さん 部屋のカタチがいびつだったり、ボコボコとした三角形のような間取りですと、平米数のわりに狭く感じてしまいます。出っ張った柱がある物件も、家具が上手く配置できずデッドスペースができてしまう可能性が高いためオススメできません。”欲しい家具が見つかったのに、柱が邪魔で置くことができなかった”、”前の家で使っていた家具が入らなかった”など、住んでから後悔してしまうケースも。風水面でも、正方形に近い間取りを選んだ方が運気が安定すると言われているので、できれば正方形や長方形のシンプルな間取りを選ぶことをオススメします。

NG3. 「日当たりが悪い物件」

平出さん 日当たりが悪い物件は、日中でも電気をつけていないと暗いために光熱費が余計にかかってしまいますし、体内リズムが乱れる原因にもなります。洗濯物が乾かなかったりカビが発生してしまうこともあるので、日当たりだけでなく、風がしっかり通って換気ができる間取りかどうかも重要なポイント。そのため窓が小さい物件も、換気がしづらいためやめておいた方がいいです。内見の際に忘れずにチェックするようにしてください。

NG4. 「キッチンと寝室に仕切りがない間取り」

平出さん 家賃との兼ね合いもあるとは思いますが、できればキッチンと寝室が一体になっているワンルームではなく、キッチンとの仕切りがある1Kタイプの間取りを選んだ方がいいです。料理を頻繁にする人は特に、仕切りがないと料理のにおいが洋服や家具に移ってしまい不快な思いをしかねません。ワンルームは解放感がありますが、玄関の冷気がダイレクトに伝わったり、宅配や来客時に部屋のなかが丸見えになってしまうことも。心地よく過ごすためにも、キッチンと寝室の間にひとつでも扉がある物件を選んだ方がいいです。

――ひとり暮らし用の物件を探す際に、注意すべきことや気をつけるべきことはありますか?

平出さん 一見オシャレに見えるデザイナーズ物件は、生活感がでないように機能面よりもデザインを優先して設計されていることが多いです。高い天井や吹き抜けは冷暖房が効きづらかったり、窓や収納スペースが極端に少ないことも。自分が気に入ったお部屋を選ぶのが1番ですが、生活に不便な点がないか、無理はないかを想定しておくことが大切です。人それぞれ好みや生活スタイルは異なりますが、ある程度の収納スペース、日当たりや風通しは必要かなと思います。

――「こんな物件に住んで後悔した」「この物件は住まなければよかった」など、お客様から聞いた実際のエピソードがあれば教えてください!

平出さん 扉やドアの開閉スペースは盲点になりやすいため、”ベッドを置いたらクローゼットの扉が開かなかった…”というお客様は意外と多いです。またワンルームの物件で、”玄関を開けたらすぐに部屋全体が見渡せるのが嫌だった”、”宅配便を受け取るときに部屋が見えてしまうのが嫌だった”、という話も聞いたことがあります。後悔しないためにも、物件を探し始める際や内見をする際には、どこでごはんを食べて、どこに洋服を収納するのか、どこで寝るかなど、大体の生活のイメージをすることが大切。快適に暮らせるかをじっくり考えてから、物件を契約するようにしてほしいです。


楽しいひとり暮らしを始めるために知っておこう

いかがでしたか。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。


東京女性不動産HP


文・市岡彩香
anan web、anan Beauty+を中心に執筆するフリーライター。これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。インタビューライター、フードライターとして活動中。


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