不動産会社の女性経営者が教える! プロが「自分だったら選ばない」働く女性に不向きなNG物件

文・市岡彩香 — 2024.2.3 — Page 1/2
初めてのひとり暮らしは、後悔せずに物件を選びたいですよね。今回は、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに、働く女性が「選ばない方がいい物件の特徴」について教えてもらいました。プロのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください。

不動産会社の女性経営者が教える! 働く女性が「選ばない方がいい物件の特徴」

物件 賃貸 NG物件 間取り 特徴

――働く女性がひとり暮らしを始める際に「選ぶべきではない物件の特徴」について教えてください!

NG1. 「周辺に人通りが少ない物件」

平出さん 会社勤めの方は残業や飲み会などで夜遅く自宅に帰ることも多いと思います。そのため防犯面のことを考えると、周辺に人通りが少ない物件は避けた方がいいです。人通りが少ないだけでなく、街灯が少ない場所を1人で夜に歩くのも危険。不審者に遭遇するリスクを減らすためにも、駅近の物件や人通りの多い物件など、1人で歩く時間が少なくてすむ物件を選ぶことをオススメします。また、日中と夜では印象が違うこともありますので、内見をする際は、夜の周辺環境についても確認するようにしてください。

NG2.「日当たりの悪い物件」

平出さん 節約を考えて物件を探すのであれば、日当たりの悪い物件は避けた方がいいです。北向きの物件や、隣の物件の影になってしまっている物件ですと、日当たりが悪いために日中も部屋が暗く1日中電気をつけなければいけません。そうすると、在宅ワークをするかたは特に電気代が多くかかってしまいますし、冬の場合は余計に暖房代もかかってしまうことも。日当たりがよい物件であれば、太陽の光で自然に部屋があたたまり、冬は夜まで暖房を使う必要がないなど、電気代の節約につながります。お客様の引っ越し理由として「今の家は日当たりが悪いから引っ越したい」というケースは多いです。日当たりのいい部屋にいるだけで、気持ちよく過ごせてメンタルが整ったり、電気をつける必要がなく節約になったりと、精神的にも経済的にも”人生のコスパ”がいいと思います!

NG3. 「1階の物件」

平出さん 他の階よりも家賃が安いという理由から、1階の物件を選ばれるお客様は多いです。ですが、部屋のカーテンを開けたらすぐに外から見えてしまったり、人が侵入しやすいなどデメリットが多々あるためオススメはしていません。1階に住んでいたために下着泥棒にあったというケースも。私も昔、実際に1階に住んでいて被害にあったことがあり…。毎日洗濯物を外に干していたのですが、ある時「あれ、下着ないな」と気づいて。はじめは自分の勘違いだと思ったのですが、後々、誰かに盗られていたことがわかり恐怖を感じました。私自身が経験していますし、1階は女性が1人で住んでいることがわかりやすい懸念もあります。気に入った物件が1階だった場合は、周りの環境をよく見て、人が侵入できない造りになっているかを必ずチェックするようにしてください。

――もしいま住んでいるところが上記に当てはまっていたら、どうしたらいいでしょうか…。

平出さん 住んでいる物件に少しでも不安や不便さを感じているなら、引っ越しすることをおすすめします。急いで探してしまうと焦ってしまい判断力が落ちることもありますので、更新の時期ギリギリではなく、更新より早い時期から余裕をもって探す方がいいです。逆に、上記のNG項目に当てはまっている物件だとしても、不満がなければそのままでいいと思います。例えば、1階でもオートロックがあって人が侵入することができない物件だから安心という方や、日当たりが悪くても夜勤の多い仕事をしている方であれば不便には感じないですからね。大切なのは、自分の働き方や生活スタイルに合わせて物件を選ぶこと。個人的には、よりよい環境を求めて引っ越しすることは、ご自身の人生を豊かにする意味でもとてもよいことだと思っています。

――平出さんが、会社員として働くひとり暮らしの女性だった場合、「こんな物件に住みたい」「こんな物件には住みたくない」などありましたら具体的に教えてください!

平出さん 最近内覧した物件で自分が「ひとり暮らしの会社員だったら住みたい!」と思ったマンションがありました。部屋は全て1K~1DKでひとり暮らし向けのマンションなのですが、共有ラウンジやワークスペース、ジム、屋上テラスからは隅田川花火大会も見える物件で、ラウンジでは朝食のパンが無料だったり、ヨガイベントなどの入居者向けイベントも開催されていて、共用部分が高級タワーマンションのように充実していて素敵だなと思いました。忙しくて会社と家の往復の毎日でも、共有スペースに人がいることで、ひとり暮らしでも孤独感が薄れますし、出会いがあって繋がりができる環境は魅力的だなと思います。

逆に選びたくない物件は、職場から遠い物件ですね。通勤は毎日のことなので、毎日の積み重ねを考えると時間がもったいないですから、引っ越すときは、職場からの距離を第一優先にアクセスのいい物件を選んでいました。今思えば、ひとり暮らしだったときの物件選びは、選び方次第でライフスタイルが大きく変わるので、物件選びはとても重要だったなと身をもって実感しています。


楽しいひとり暮らしを始めるために、慎重な物件選びを

いかがでしたか。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

IMG_0123


宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。


東京女性不動産HP


文・市岡彩香
anan web、anan Beauty+を中心に執筆するフリーライター。これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。インタビューライター、フードライターとして活動中。


©studio marble/Adobe