対人関係をよくするコツ15選!【専門家直伝】人付き合いが円滑にラクになる方法

まとめ構成・小田原みみ — 2023.5.14
少しずつコロナ前の生活に戻りつつあるものの、どうやって人間関係を築けばいいのか悩んでいたり、急に増えた人づきあいに疲れているかたも多いのでは。そこで、印象をよくするコツや会話をスムーズにするポイントを紹介します。

相手に与える印象をアップさせるコツ

人は外見ではなく中身が大切と言いつつ、相手のことをよく知らない段階で印象を大きく左右するのは外見です。話しかた講座の講師を務める渡辺由佳さんと心療内科医の吉田たかよしさんに、印象をアップさせるコツを教えてもらいました。

服装

個性アピールは、友達になればいつでもできる。まずはTPOをわきまえた明るい色のファッションで、話しかけやすい人、楽しそうな人という印象を目指そう。

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ファッションの選択ミスが敵を生むかもしれない!?

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初対面の人がいる場に着ていく服は、白やベージュなどきちんとした印象を与えるものがベター。カジュアルなシーンなら、黄色やオレンジなど明るく溌剌とした印象のカラーもおすすめ。要注意なのは、心理学的に敵を作る可能性があるとされている極端にフェミニンな服。そういった服を着た女性を見ると、男性の脳内では無意識によからぬ欲求が生じてしまうので、理性でその欲求を封じなくてはならない。そんな我慢を強いる相手に対して、嫌悪感を抱いてしまうというのだ。服装選びは、やはりTPOをわきまえたい。

ヘア&メイク

髪は、清潔感に直結するパーツ。ボサボサしているとだらしない人と思われがちなので気をつけて。

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前髪を左分けにしたらスーパーマンのできあがり!

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左分けの前髪が好印象、という事実を効果的に取り入れているのが、1978年の映画『スーパーマン』。冴えない新聞記者クラーク・ケントは、事件が起こると電話ボックスに入って、マッチョで強いスーパーマンに変身する。劇中、クラーク・ケントは前髪を右分けにしているが、電話ボックスから出てきたスーパーマンは左分け。吉田さんによると、ほかにも左分けのヒーローが登場するハリウッド映画はたくさんあるそう。作り手側は経験的に左分けが好印象を与えることを知っていて、演出に活かしているのだという。

まだある! 「印象をアップさせるコツ」の解説を読む


※ 『anan』2021年10月6日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・風間裕美子(by anan編集部)
※ 2021年9月29日配信


良い人間関係を築く3つのSTEP

こちらも話しかた講座の講師を務める渡辺由佳さんと心療内科医の吉田たかよしさんに、良い人間関係を築く「3つのSTEP」を教えてもらいました。

良好な関係を築くまでの3つのSTEP

(1)自分に対して危害を加える人間かどうか「適応的無意識」で判断
(2)協力関係を結べるかどうか
(3)相手との協力関係が自分に利益をもたらすかどうか

キーワード(1)適応的無意識

アメリカの心理学者ティモシー・ウィルソンが提唱した考え方。わかりやすく言うと、“人間は進化の過程で、重視すべき情報を無意識のうちに選択している”ということ。

人間の脳には常に、視覚、聴覚、嗅覚などから無数の情報が入ってくる。それを全て分析していると命の危機が迫ったとき手遅れになるので、反射的に是か非かを判断しているという。初対面の人に会ったときも同じこと。無意識に、瞬間的にその人が敵か味方かをジャッジし、敵と判断したら“なんかあの人苦手”のレッテルを貼ってしまうという。

キーワード(2)メラビアンの法則
“第一印象は見た目が大切”という話をするとき引き合いに出される考え方。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが行った実験の結果を応用したものといえる。

メラビアンが行った実験は、見た目、話し方、話している内容がちぐはぐだったとき、人はどの情報を重視するのか探ったもの。たとえば怒った顔と普通な話し声で「君は素晴らしい人だ」と言われたとき、人はどんな印象を受けるのか。結果、最も重視されたのは見た目の情報。ただし、話し方や言葉はどうでもいい、という意味ではないので注意して。

吉田たかよしさん 心療内科医、医学博士、本郷赤門前クリニック院長。アナウンサーや政治家秘書などを経てクリニックを開設。受験生の脳機能やメンタルの管理、勉強法指導を行う。TVやラジオへの出演も。

渡辺由佳さん コミュニケーションインストラクター、元アナウンサー、大妻女子大学非常勤講師。自分磨きスクール「シェリロゼ」講師。著書に『どんなに緊張してもうまく話せる!』(日本実業出版社)など。

もっと詳しく! 「良い人間関係を築く3つのSTEP」の解説を読む


※ 『anan』2021年10月6日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・風間裕美子(by anan編集部)
※ 2021年9月29日配信


つい使ってしまいがちなNGフレーズの言い換え術

意味は同じでも、言葉選びひとつで相手に与える印象は大きく変わります。企業でカウンセリングや研修に携わる、メンタルアップマネージャの大野萌子さんに好印象を持たれる言い換えのコツを教えてもらいました。

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ちょっと疲れてない?

→元気だった?
やつれている、顔色が悪いことを指摘するようなマイナス表現は、「そんなにはっきり言わなくても」と、相手も嫌な気持ちに。こんな時はプラスの言葉を使い、「久しぶり、元気だった?」などと明るく声をかけて。

連絡がなかったから心配していました

→久しぶりに連絡もらえて嬉しいです
「心配していた」だと責めている感じがあるけれど、言い換え例なら「連絡してよかった」と思ってもらえます。ちなみに「私も連絡しようと思っていた」は、「なんで連絡をくれないの」と返されかねないので避けて。

なるほど

→今の話、よくわかりました
「なるほど」はそつのない相づちに思えますが、ともすると上の空、他人事に聞こえてしまうことも。ほんのひと言でいいので「何を理解したか」を付け加えると、相手に向き合っている印象に変わります。

そのうちランチでも

→月末あたりランチしませんか?
よく聞く社交辞令ですが、約束が実らないと相手はないがしろにされた気持ちになってしまいます。本気で誘いたいなら、話を具体化して。もし相手が社交辞令で返事した様子が窺えたら、そこで引いておきましょう。

それはしないでください

→それはこうしてください
例えば「ドアを閉めないでください」と「ドアを開けておいてもらえますか」。同じ内容でも肯定形のほうが相手は受け止めやすくなります。部下の仕事のミスを指摘する時なども、否定ではなく生産的なアドバイスを。

このぐらいの仕事ならできるよね?

→この仕事をあなたにお願いしたいです
その人を見下したり試すような言い方は、相手の警戒心や反感を刺激してモチベーションも下げてしまいます。あなたを信頼しているからお願いしたい、と依頼したほうが、相手にも気持ちよく仕事をしてもらえます。

なるべく早めにお願いします

→〜までにお願いします
配慮のつもりがかえって相手を困らせてしまうのが「なるべく」「できれば」などの曖昧フレーズ。「今月末までにお願いします」などとはっきり伝えつつ、「難しい場合はご相談を」と思いやりも示せるといいですね。

もっと詳しく! 「NGフレーズの言い換え術」の解説を読む


※ 『anan』2021年10月6日号より。イラスト・ery 取材、文・新田草子(by anan編集部)
※ 2021年10月1日配信


人間関係が上手くいく“伝えかた”のコツ

伝えかたひとつで、相手に与える印象だけでなく、関係性を変えることができます。コミュニケーション総合研究所代表、一般社団法人日本聴き方協会代表理事・松橋良紀さんと日本メンタルアップ支援機構代表理事・大野萌子さんに人間関係が上手くいく“伝えかた”のコツを教えてもらいました。

頼みごとは「Iメッセージ」で伝える

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松橋さん 「Iメッセージ」とは、「I(私)」を主語にしたメッセージで、いろいろな場面で応用できる伝え方。「相手を嫌な気持ちにさせることなく行動を促す際の基本なので、覚えておくと便利です。たとえば『部屋を片づけておいて』は、相手が主語になったYOUメッセージなので言われると命令されているように感じると思います。では『部屋を片づけてもらえるとうれしい』だとどうでしょうか。Iが主語で、表面上はただ自分の要望を伝えているだけなのに、相手は快く動いてくれるのです。
誰しも命令されて動くより、自発的に動くほうが気持ちがいいはず。ほかに「(私は)助かる」「(私は)安心できる」など、自分の感情を伝えるメッセージに変換して伝えると、人間関係がスムーズに。

要望は、ゴールを明確にする

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大野さん 相手を気遣うあまり回りくどい表現になったり、選択肢を与えたほうがなんとなく親切なような気がしますが、それがかえって混乱を招いて相手を困らせ、結果的に自分の首を絞めることに。要望が決まっているのであれば、いつまでに、どうしてほしいのか、希望は何なのかを明確かつ穏やかに伝えましょう。
その際、難しければ相談してほしい旨を添えると、相手も都合や希望を伝えやすくなる。また、時間の概念は人によりさまざまなので、明確にしておきたいポイント。「あとで」が10分後の人もいれば、数日後の人もいるので、きちんと伝えることでトラブルを防止できるのだとか。

相手のいいところを認めて、褒める

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大野さん 人は褒められると相手に承認されたという意識が働き、相手のことも尊重するようになります。お互いを承認し合う行為は、人間関係を築くうえでとても大切。それだけで関係性が深まり、ものごとが円滑に進みます。

仕事などで相手が結果を出せていない場合、褒めるところがないと勘違いしがちだが、成果に対しての承認でなく「ありがとう」「おかげで助かりました」など、ただ感謝の気持ちを伝えるだけでも同じ効果があるのだとか。また、褒めるときは具体的な内容を添えるとさらに伝わりやすい、とも。

松橋さん ただ『ありがとう』と言うより、『○○してくれてありがとう』などと具体的な理由を添え、ボディランゲージや表情を交えて最大限の言葉で表現すると効果的です。

松橋良紀さん コミュニケーション総合研究所代表、一般社団法人日本聴き方協会代表理事。コミュニケーション指導の第一人者として活躍。コミュニケーション関連本を30冊発行し、累計40万部を突破。

大野萌子さん 日本メンタルアップ支援機構代表理事。公認心理師の知見を生かし人間関係改善術を発信。『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)が33万部のヒット。

もっと詳しく! 「人間関係が上手くいく“伝えかた”のコツ」の解説を読む


※ 『anan』2022年1月12日号より。イラスト・別府真衣 取材、文・宮尾仁美(by anan編集部)
※ 2022年1月12日配信


少しの心掛けで人間関係はスムーズになる

人間関係や人づきあいは、時に厄介な問題が生じてしまいますが、それらを円滑にする方法は実は簡単なのかもしれません。専門家のアドバイス等を参考にあなたが本当に望む人間関係を築いてくださいね。