肩こりが酷い、だるい、睡眠の質が悪い…「心の調子が悪い人」の特徴と対策

まとめ構成・小田原みみ — 2023.5.6
ゴールデンウィークが終わり、なんだか気分が滅入っているということはありませんか? 中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生に心がしんどい時の対策やNG習慣などを教えてもらいました。

気合いでは解決しないだるいさやしんどさに効果的

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雨の日があると余計に気分はふさぎ込み、やる気は喪失していきますよね。そこに追い打ちをかけるように今後雨の日も増えていくことでしょう。梅雨入りする前にはつらつとした自分を取り戻しておかなければ、雨の毎日、そしてその後には灼熱の夏といったように過ごしにくいシーズンが到来してしまいます。そこで、元気を取り戻し、やる気いっぱいの自分になるための食薬習慣を紹介します。

やる気を取り戻すための食薬習慣

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休日にぼーっとしていて、気がついたら夜になっていたなんで時間の使いかたはもったいないです。漢方では、怒涛の忙しさで食べ過ぎたり、飲みすぎたり、偏食になったりすることを『痰湿』がたまっていると表現し、症状としては重だるさを感じさせます。そして、栄養バランスが悪く代謝が低下して疲れやすい状態を『気虚』といいます。

そこで、『痰湿』をとりのぞき、『気』を補う食薬で対策をとっていきます。今週食べるとよい食材・メニューは、【アボカドのツナサラダ】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:アボカドのツナサラダ】

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作り方は、ツナ、カットしたアボカドとキュウリ、刻んだ海苔、ポン酢を和えたら完成です。ビニール袋の中でまぜると簡単です。

【アボカド】

ギネスに栄養価が高いことで載ってしまうほどの食材アボカド。ビタミンE、ビタミンB群、カリウム、ビタミンC、ビタミンA、不飽和脂肪酸など豊富に含まれています。また、食物繊維が多く、腸の解毒に役立ち、グルタチオンが含まれるため肝臓の解毒にも役立つ『痰湿』除去に役立つデトックス食材であるともいえます。

【ツナ】

もっとも手軽に食べることのできるお魚ですよね。高タンパクで、鉄分、ビタミンB群も豊富で『気血』を補うのに役立ちます。疲れたときにコンビニに入ったら、とりあえずツナ缶か鯖缶を買ってみるのもよいと思います。


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もっと詳しく! 「気合では解決しないつらさに効果的な対策」の解説を読む


※ 文・大久保愛
※ 2022年5月5日配信


朝、起きた瞬間疲れている時に効果的な対策

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睡眠の質が悪い人の場合には、成長ホルモンの分泌が十分ではなく、疲労感が残った状態で目覚めてしまうのです。そして、疲れた状態で一日活動し、ストレス耐性も低下し、自律神経は乱れ、さらに睡眠の質は低下してしまうような悪循環に陥ってしまうこともあります。そこで、睡眠の質を上げたい人のための食薬習慣を紹介します。

睡眠の質を上げたい時の食薬習慣

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漢方では、『血』が不足しているときに睡眠の質が低下すると考えられています。そして、睡眠が十分ではないと『気』が不足していきます。そこで、元気の基本となる『気血』を補うことをしていきます。今週食べるとよい食材・メニューは、【サーモンのソテー レモン添え】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:サーモンのソテー レモン添え】

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作り方は、ニンニクをバターで炒めて、サーモンをソテーし、醤油とブラックペッパーで味を整え、レモン汁をギュッと絞ったら完成です。アスパラガスやシメジ、玉ねぎなどを一緒炒めて添えてもいいですね。

【サーモン】

タンパク質、吸収率の高いヘム鉄などのミネラル、ビタミンB群を含むため『気血』を補う働きが期待できます。また、脳の働きをスマートにしてくれるEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸や免疫の強化にも役立つビタミンD、アンチエイジングに役立つアスタキサンチンなども豊富に含まれているスーパーフードのようなお魚です。寝不足続きでお肌の調子が悪いときにもおすすめです。

【レモン】

酸っぱい成分疲労回復に役立つクエン酸や抗酸化作用の高いビタミンCを豊富に含みます。クエン酸やビタミンCは鉄の吸収を促すため『補血』のサポートとして役立ちます。また、レモンの香り成分は『肝気』の巡りを促してくれます。


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もっと詳しく! 「朝起きた瞬間疲れている時に効果的な対策」の解説を読む


※ 文・大久保愛
※ 2022年4月28日配信


自律神経の乱れが原因の頭痛や肩こり対策

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最近、肩こり、頭痛が悪化している気がしている人は要注意です。緊張しているとき、イライラしているとき、考えすぎてしまっているときなど自分の感情と紐づけをして肩の力を意識的に抜き、深呼吸する習慣をつけてみてはいかがでしょうか。そして、食薬として体の中から肩こり、頭痛の予防をする方法があるのでご紹介したいと思います。ということで、肩こり、頭痛を予防する食薬習慣を紹介します。

肩こり、頭痛を予防する食薬習慣

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いつもと違った環境におかれたとき、私たちはその環境に適応しようと無意識に視覚や聴覚などを駆使して必死に情報収集をしようとし、頭を酷使して言葉を慎重に選び、些細な行動にも神経を使いますよね。この状態は、交感神経が優位な状態といえますが、長期的に続くと血行は悪くなり、筋肉は硬直していきます。その結果、肩こり、頭痛、眼精疲労などの症状を強く感じさせてしまうのです。

これを漢方では、自律神経が乱れ血流が悪い『血瘀』、感情が安定しない『血虚』と表現します。そこで、『血』の巡りを改善する食材と『血』を補う食材を一緒に取り入れることがおすすめです。今週食べるとよい食材・メニューは、【肉みそのピーマンカナッペ】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:肉みそのピーマンカナッペ】

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ピーマンは、生でもおいしく食べられる野菜です。さらに、ピーマンのワタや種には、ポリフェノールが皮の10倍も含まれています。実は食べないともったいない部分ですよね。そこで、ひき肉とピーマンの種とワタ、おろし生姜、味噌、白ごまを炒めて肉みそにしてみましょう。それを半分にカットした生のピーマンに乗せてカナッペ風にしていただきます。糖質オフなおつまみにもなり栄養満点で嬉しい1品です。

【ピーマン】

ピーマンの苦み成分であるピラジンやクエルシトリンには血流を促したり、解毒作用があります。また、ピーマンに含まれるビタミンCは熱に強く、さまざまな調理方法でも抗酸化力が落ちにくい野菜です。鉄分を多く含む食材と一緒に食べるとその吸収を促してくれます。そのため、『活血』と『補血』のサポートができます。

【ひき肉】

調理しやすいお肉といえば、ひき肉ですよね。特に鶏肉のひき肉は、肉の中でもビタミンAが多かったり、イミダゾールペプチドを含むため抗酸化作用や脳疲労の改善などにも役立ちます。また、動物性の食材には、タンパク質、鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラル、ビタミンB群も多く含まれるため、脳の働きを助ける栄養素をしっかり摂取することができる『補血』食材といえます。肉みそを作って常備しておくのもよいですね。

ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。



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もっと詳しく! 「自律神経の乱れが原因の頭痛や肩こり対策」の解説を読む


※ 文・大久保愛
※ 2022年4月8日配信


ココロの不調に無理は禁物

五月病という言葉があるほど、今の時期はココロの調子が不安定になりがちです。紹介した対策でも改善されない場合は、医療機関を受診するなど、無理をすることなくカラダを労りましょう。

Information

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
心と体を整えるCROWDSALON

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『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
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『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。