第一子妊娠中に父親が亡くなり…30代女性が生まれて初めて知った衝撃的な事実【前編】

文・並木まき — 2024.2.20
相続をきっかけとして、親族間でトラブルになるケースもあります。「そんな話はまだまだ先」と思っていた30代の真奈さん(仮名)は、父親の死をきっかけに予想外のトラブルへと発展していったそうです。メンタル心理カウンセラーの並木まきが真奈さんの壮絶な体験エピソードをご紹介します。

第一子妊娠中に父親が帰らぬ人に…

30代半ばの真奈さん(仮名)は、大学卒業後に実家を出て上京し就職。仕事の関係で知り合った4歳年上の男性と結婚し、すぐに第一子を妊娠しました。幸せの絶頂だと感じていたある日、突然父親が倒れたとの連絡が……。

「実家は新幹線で2時間ほどかかる距離だったのですが、母から『パパが倒れた』と連絡があってすぐに実家に駆けつけました。けれど、父は倒れてから目を覚ますことなく、そのまま帰らぬ人に……。
私も母も予想外のことで、バタバタと父の葬儀を終え、そのあとは父の遺産相続の手続きを進めることになりました。
そしてそのときに、母から父はバツイチで、実は私に異母兄弟の兄が二人いることを知らされたんです」

存在を知らなかった兄が二人… 相続の話をするため連絡をとってみると

「父のことで憔悴しきっていた母の代わりに、私がその人たちに連絡をとって話し合いを進めることになりました。幸いなことに、母は生前の父から『何かあったら、ここに連絡をしてくれ』と、私の異母兄弟たちの携帯電話と住所を書いたメモをもらっていたんです。
そのメモがあったので父の遺産相続について、二人の兄に連絡をとるのは思ったよりも簡単でした。最初に上の兄だという男性に電話をすると、向こうは私の存在を知っていたようで『あぁ、あなたが僕に電話をしてくるってことは、父に何かあったんですか?』と冷静な声で尋ねられました」

そこで上の兄に父親の死と、相続にあたって話し合いをしたい旨を申し入れたという真奈さん。上の兄は「じゃあ弟には僕から連絡をしておきます」と言ってくれたので、話し合いの日時を決め電話を切ったそうです。

「ところが、どうやらこの二人の兄がなかなか難しい人たちらしくって……。母は以前、父から兄二人はもめ事を起こすことが多いと聞いていたようです」

それでも、同じ父親の子どもである以上、話し合いは避けられないと考えた真奈さん。約束の日には、憔悴している母親に同席を求めることなく、一人で話し合いに向かったとのこと。


しかし、その話し合いは真奈さんが想像していたよりもずっと面倒な展開になっていったそうです。

真奈さんを待っていた「面倒な展開」とは… 後編に続きます



親の過去は何でも知っているという人は意外と少ないかもしれません。過去に別の人と結婚していたことがある親であれば、自分以外にも異母兄弟や異父兄弟が存在したとしても不思議ではないでしょう。こういったケースでは、相続の話を進めるにあたって一筋縄ではいきにくいこともあるようです。

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※ 2022年7月22日作成