月5万円以上を節約できた! ずぼらライターが「家計簿アプリ」を使ってみた

文・ちかまつ — 2022.4.4
コロナ禍が長引く中で、将来への漠然とした不安を強く感じるようになった人も多いのではないでしょうか。困ったときに頼りになるのはなんと言っても...お金!! そこで、これまで貯蓄ができていなかったずぼらなライターが、家計簿アプリを使って本気の節約に挑戦。4か月続けてみた結果をご報告します。

まずは家計簿アプリで支出を見える化

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2021年の総務省家計調査によると、34歳以下の女性の収入&支出平均は以下の数字でした。


実収入(手取り)    295,000円
実支出         208,000円

内訳(一部)
食費      30,000円 
光熱水道費   8,000円
交通通信費   20,000円
理美容     11,000円
交際費     11,000円
被覆及び履物  21,000円

※1 「2021年の総務省家計調査 勤労者世帯(女)34歳以下」をもとに作成


しかし私は、自分の支出内訳を全然把握できておらず、お金を節約したいと思っても、どの費用をどのタイミングで削ることができるのか、さっぱり見当もつかない状態。日常の支払いは、数種類の電子マネーを中心に、クレジットカードの分割払いやデビットカードを使い、引き落とし銀行も複数入り乱れていて、お金の動きが全然見えていませんでした。

そこでまずは、家計簿アプリを活用して自分の”支出の見える化”に取り組むことに。数種類のアプリをダウンロードして試し、最終的に「マネーフォワード ME(ミー)」を使うことにしました。

このアプリを選んだワケは、レシートを読み込んで項目ごとに仕分ける際の精度が高いと感じたこと。連携できる銀行やクレジットカード会社などの数が2,597(2022年3月31日現在)と、多いこと。それに、シンプルで見やすいインターフェースが使いやすそうだと思ったことです。

「アプリマネーフォワード ME」でやったこと

アプリをダウンロードしてまず最初に、銀行口座やクレジットカードなどを連携させることにしました。私は、メイン&サブバンクと、クレジットカード1つを登録。ほかに、Tポイントと楽天ポイントも登録しました。

次に、登録したクレジットカード以外での買い物は、その場でレシートを「撮影」して支出を「入力」することを徹底。最初こそ少し面倒でしたが、食料品や日用品などの費目へ自動仕分けする読み取りの精度が予想以上に高く、修正があまり必要ないのですぐに慣れることができました。

登録したレシートはその場で捨てるようにし、いつもレシートまみれだった財布の中身もすっきりさせられたのがよかったです。

不要な支出はバッサリとカット

アプリを使いはじめて最初の1か月が過ぎるころ、自分の支出の振り返りをしました。月ごとの支出を円グラフで見ることができるので、支出のバランスが一目瞭然です! 

月の収支

月々の収支は円グラフで見やすく。下段に費目ごとの金額も表示される。数字は本文と関係ありません。

全体の支出の中で通信費が目立って高い(家賃を除く)ことが判明し、次いで美容や外食(テイクアウト含む)も家計を圧迫していることが把握できました。サブスクもこんなに必要ないし、保険も見直したほうがよさそう…。

そこでまず、長年利用し続けてきたインターネット回線&スマホ契約をセットで再検討。他社へ乗り換えれば、光回線にグレードアップしても、月々マイナス8,000円ほどになることがわかりました。もっと早く見直せばよかった! 

ほとんど使っていなかったオンライン英語学習と音楽・動画配信のサブスク、交通事故に特化した保険も思い切って解約。月1回の美容院を2か月に1回にすることにし、3〜4か月に1回のカラーリングは自宅ですることに決めました。月1回通っていたネイルも、自分ですることに。無駄づかいとしか言いようがなかったネットゲーム課金もカットです。

ここまでで、マイナス約3万5,000円。当初、漠然と考えていた月「5〜6万円の節約」という目標も、意外と実現できそうな気がしてきました。

次に見直したのが食費です。ちょうどそのころフルリモートワークになったので、自炊を徹底することに。週末に近所の安いスーパーをハシゴしたり、値引き品をまとめ買いしたりして調理&冷凍保存するようにしました。

月2万円ほどかかっていた食費が、翌月には1万円以内に! ただ、けっこうムリをして切りつめた感があり、これを維持するのは無理そう…。それに食事は健康にとって大事だし、たのしみでもあるので、あまりカツカツし過ぎないよう1万5,000円までは許容範囲としました。


やめたもの(回数を減らしたもの)/月

ネット回線&スマホ代 8,000円
オンライン英語学習  6,500円
音楽サブスク     1,000円
動画配信サービス   1,500円
保険         1,000円
美容院        7,000円
ネイル        7,000円
ネットゲーム課金   3,000円
食費         5,000円

合計4万円


残り1〜2万円は臨機応変に

あと1万円で節約5万円/月を実現できますが、これは月ごとにゆるりと考えることにしました。

例えば「今月は交際費に1万円使ってしまったから、欲しい洋服や化粧品を買うのは控えよう」とか、「観劇するために、好きなお酒を減らそう」など、月の収支の中で調整します。これも、日々家計を見えるようにしているからできることです。

また、「月の収入があと○万円増えたら、いままでガマンしてきた△△ができるようになる」と明確になったのは心理的な影響が大きく、そのぶんを埋めるための副業をはじめるモチベーションになりました。

実際、知り合いのツテを頼って新たに2つの企業でライティングの仕事を受けることに。まだ振り込まれていないものもありますが、2か月で計約12万円の副収入を得ることができました。

マネーフォワード森谷さんに聞く 一歩進んだアプリ活用テクニック

アプリ活用から2か月目以降、月5〜8万円は貯蓄に回せるように。年間にすれば、60万円〜96万円も! でももっと上手にアプリを使いこなすにはどうすればいいのか、株式会社マネーフォワード広報部の森谷有希さんに聞いてみました。

「月々の予算を費目ごとに設定できる機能を使ってみてはいかがでしょうか。予算を超えそうになると、アプリのホーム画面にアラートが表示されるので、お金の使い過ぎを防ぎやすくなります。アプリ内で見られるウィークリーレポートは、自分が何にお金を使ったか週ごとにまとめて確認できるので便利ですよ」。

「また、投資用の口座を登録して管理することもできるので、節約したお金を少しずつ投資に回すのもおすすめです。投資が怖いと思われる初心者の方は、お買い物で貯まったポイントを使って、比較的リスクが少ないポイント投資からはじめてみるのもよいのではないでしょうか。アプリでポイントも可視化されますので、日々の家計とともに一元管理でき、面倒がありません」。

投資には必ずリスクがともなうので自己責任で慎重に行う必要があるけれど、少しずつやってみながら勉強をして、将来に備えていけたらいいですね。

お金は人生を豊かにする

今回の節約をとおして、いままで「家計に余裕がないから」とあきらめてきたことも、支出を見直せば、本当は断念しなくてもいいことだったということに気づくことができました。

「支出行動とその額が、自分の人生の優先順位やいまの気持ちと合致しているのか」を第一に意識して毎月の家計を見直すのは、自分の人生にとってとても大切なこと。そろそろみなさんも本気で、家計について考えてみてはいかがでしょうか。

Information

マネーフォワードME

ほかにもある家計簿アプリ

Zaim
Moneytree

ちかまつ
ライター。東京都下で、築約35年、2SLDK、家賃8万円の一軒家に白文鳥♂の「近松」と2人(?)暮らし。趣味は歌舞伎・文楽鑑賞と講談。


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