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【正直者はバカを見る?真っ直ぐ生きるって難しい】おおしまりえのキレイな悪口

文・おおしまりえ — 2017.1.24
「自分に正直に生きる」って、言葉にすると美しいけど、結局正直者はバカを見るのが人生なのかもしれない。したたかに生きたいけれど生きられない。猪突猛進型の女は、どうやって幸せを掴みとればいいのだろうか。

【おおしまりえのキレイな悪口】vol.2

正直者はバカを見る?真っ直ぐ生きるって難しい

正直者がバカをみるとは、まさにこの事だ……。
女の美しさと醜さが混じったような、濃ゆい化粧品のニオイで充満するデパートの1階で、私は自分の愚かさをしこたま後悔していた。

それはデパートに化粧品を買いにいったときのことである。
カウンターに腰掛け、ヨダレ掛けのようなエプロンを巻かれ、「しばらくお待ちくださいねぇ~」とにこやか放置された時に起きた。

「お肌のキメ、すごく細かいですね! 白くてとっても羨ましいです」
そんな褒め言葉が、私の斜め後ろのお客さんと、美容部員の間で取り交わされていたのだ。
「えー!? そんなことないですよ。ニキビができやすいんですよお」
「そうなんですね。でもキメが細かいから、化粧ノリもいいですよぉ。羨ましい」
という、よくあるやり取りが続いている。

そう、よくある。“よくありすぎる言葉”なのである。
だって、「お肌のキメ、すごく細かいですね!」という褒め言葉は、私も数分前に別の美容部員さんから指摘されたばかりなのである。
そしてバカ正直者な私は、「昔から肌だけは丈夫なんですよね。えへへ」と、調子に乗ってヘラヘラしていた。嬉しかった。

その結果が、数分後に同じ言葉を別の人同士で使いあっている現場に出くわすとは。青信号を渡っていたら、とんだもらい事故に遭遇してしまった気分である。
褒めるパーツが思い浮かばなかったら、“肌のキメの細かさ”という、肉眼で確認できないモノから褒めていけ!というルールが、美容部員界隈ではあるのだろうか。とにかく、正直に浮かれた自分を秒速でぶん殴りたい気持ちでいっぱいになった。

正直者は本当にバカをみる

「正直に生きる」というのは、雑誌のコピーだったら美しいけど、現実には正直に生きる女ほど、世の中損をする仕組みなのではないかと最近は思ったりする。
たとえば恋愛という戦いにおいても、なんだかんだ小悪魔的な腹黒女の方が小さく得をすることは多いし、女同士の友情だって、真人間よりも顔を使い分ける女の方が、なんだかんだグループの中心にいたりする。
そういや女優や女性タレントのゲスい噂話になると、2時間も話せば「売れている芸能人は全員したたかに枕でもしてのし上がってる説」が、妙に信憑性を帯びて持ちあがる(真相はどうか知らないので、あしからず)。
そういう現実をしみじみ感じて、まっすぐ進むイノシシのような私……もとい。“心がジュンスイな私”は、「やっぱ腹黒い女、できれば楊貴妃みたいな美人悪女に生まれたかったわ……」と、会った事もない美女の顔を想像し、3日ぐらい悩む。そして年明けには友達に「今年はわたし、したたかにのし上がってやる!」と年賀状にビシッと書いた。

銭湯で自撮りする若者…さあどうする?

今年も早々に進歩を感じられない私なのだけど、己の正直者としての側面を測られるようなシーンというのは、日常のいろんなところに潜んでいると思う。
この前は、“正直者として立ち向かうか、流すか!”というデッド・オア・アライブ的決断を迫られるシーンに、お風呂屋さんで出くわした。

それは女子高生二人の脱衣場での行いが原因だった。
きゃっきゃはしゃぐ二人は、風呂上りにキャラクターの柄が描かれたフェイスマスクをつけ、楽しそうに自撮りしていたのだ。
もちろん、脱衣場での携帯使用はマナー違反なので、アラサーの裸体が万が一写り込もうもんなら大問題である。私が注意しても何ら間違いではない。

しかし、写り込んでもいないのに「やめましょうね」となだめ、乙女たちに「お前なんて撮ってねーし! ていうか写ってねーし!」と自意識過剰の三十路と勘違いされて、心の中で悪態をつかれるのもシャクである。
「そんな事わかってんだよ!ばーか!」と、三十路だって負けじと心の中で悪態をつけばいいじゃないかと思うものの、純日本人らしい肝の小ささが自慢の私は、結局開き直ることはできないのである。
言えないし、言わない。かといってスタッフの人に「あそこのお客さんが~」とチクるのも、告げ口っぽくてちょっと後味が悪い。
でも、今の写メの角度、絶対私の太ももくらいは写ったんじゃないのか……と考えに考えた結果、いっそ顔さえ映らなければよしとしましょう。と諦めることにした。
諦め始めたら、むしろ彼女たちの青春の1ページの背景として、たまたま写り込んだ裸体として役目を全うしようではないか!と思えてきた。
湯上りのティーンエイジャーのマスク顔に、ちょこっと見切れるくらいに湯上りでボケーっと佇む女の姿が写り込んでいるのも、なんだかオツではないか。

そんな風に自分を納得させながら、私はせっせとボディクリームを塗りたくることにした。
実際彼女たちの青春の1ページに写りこんだかは不明であるが、SNSにもしアップしていたのなら、“脱衣場で写メをとるバカッター”として、どこかの誰かが通報して炎上してくれることを心から願っている。
したたかさの代わりに“姑息さ”を手に入れて、今年もせいいっぱい生きようと思うのである。


【おおしまりえのキレイな悪口】
vol.1 美人眉と女の友情に共通する“なんとなく”精神


おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」「ananWEB」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
ブログ:http://oshimarie.com Twitter:https://twitter.com/@utena0518