いますぐできる簡単予防法も! 眼科医が“近視・白内障・結膜炎”の原因&対策を伝授

2023.11.4
現代人に多い“今どき”アイダメージをピックアップ。その原因や対策を専門家に教えてもらいました。ここでは“近視”“白内障”“結膜炎”に注目します!

【近視】ピントが合わず遠くがぼやける。

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□狭い空間での仕事や作業
□アウトドア活動の減少

モノを見る時、眼球の水晶体の厚さが調節され、ピントが網膜に合った時によく見えると感じる。近くのものを見る時はピントが合うが、遠くのものは合わずにぼやけて見えるのが近視。

「本来透明な水晶体が、加齢に伴って濁って屈折率が変わることも、近視の進行に関係します。そのようにして衰える以外にも、狭い空間で作業したり、外出が少ないと若い人にもリスクがあるそう。近視が強いとメガネやコンタクトレンズを使うこととなり、使っていない人と比べると、ドライアイになるリスクは約5倍も増えます」(眼科医・綾木雅彦さん)

近年、太陽の光に含まれるバイオレットライトが近視の進行を抑えられることがわかってきたそう。

「コロナ禍で外出を控え太陽を浴びる機会が減ったことで、近視が増えたという報告が世界中から届いています」

予防METHOD1

【20‐20‐20法】遠くを見てガチガチの毛様体筋をほぐす!
近くを見続けると目のピントを調節する筋肉の毛様体筋が緊張して張り詰めた状態に。やがて、近くにピントを合わせていたほうがラクになり、近視が進行してしまう。「その前に、毛様体筋の緊張を解消するのが“20‐20‐20法”。デスクワークで近くを20分見たら、20秒、20フィート(約6m)以上遠くを見ましょう。20分に1回が難しけば、1時間に1回でも大丈夫です」

予防METHOD2

【アウトドア活動】1日30分の日光浴で近視をストップ!
近視抑制のカギを握るバイオレットライト。太陽光に含まれているので、積極的に外で浴びたい。「ティータイムやランチはテラス席を選ぶ、通勤などで歩く時間を増やすなど、1日30分は屋外で活動して、バイオレットライトを取り込むようにしましょう。曇っていても夕方でも太陽から降り注いでいますが、室内だと窓で遮られてしまうので、外に出ることがポイントです」

【白内障】水晶体が濁り、視力の低下へ。

□運動量の低下
□紫外線を過剰に浴びる

白内障とは、水晶体が白く濁り、視力が低下する病気。

「水晶体はタンパク質の塊で、卵を加熱すると白身が白くなっていくように、水晶体も20歳を過ぎると透明の状態から濁っていきます。タンパク質を変性させる紫外線を、サングラスなどでカットしましょう。また最近、脳機能を高める分泌性タンパク質として注目されているBDNF(脳由来神経栄養因子)は、目の神経を保護する働きも。有酸素運動によって増えますので、軽い散歩程度でも、運動を習慣にしましょう」

予防METHOD

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【節食】空腹を感じることが、目の健康にも良い!?
白内障など、加齢が原因の目の病気は少なくない。「目のためにもアンチエイジングを。臓器が衰えるスピードを遅くするサーチュイン遺伝子は、空腹時に活性化されます。週1回のプチ断食や、腹七分目の食生活を心掛けましょう」

予防ITEM

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美容面でも効果がある、注目成分をサプリで!
ブドウなどに含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロール。“ハリ・潤サポート”成分をサプリで摂取。レスベラトロール PRO 31粒(1日1粒目安)¥3,000(わかさ生活 TEL:0120・132・061)

【結膜炎】細菌やウイルスが目の腫れや充血に。

□マスク生活による整容意識の低下
□コロナ禍後の接触増加

白目の表面を覆っている結膜は、目に異物が入ってくるのを防ぐ役割があるが、目を開けている間は常に外にさらされており、ウイルスや細菌によって炎症しやすい。

「ウイルス性結膜炎は、コロナ禍の外出自粛やマスク着用が緩和され、人と人の接触が戻った途端、驚異的に増えました。結膜炎を引き起こすアデノウイルスは感染力が強くあらゆる場所にいますので、細菌を触った手で目をこすれば自分がかかり、他の人と接触すれば感染が広がりますので、みなが清潔第一を心掛けることが大事です」

予防METHOD

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【横洗顔】左右に指を動かしてまぶたのキワまで洗顔。
ウイルスや汚れを目の中に入れないためには、まぶたのキワをよく洗うこと。「縦方向にこするだけでは、十分とはいえません。目を閉じてまぶたの上を人差し指と中指で左右に10往復。まぶたのキワの汚れもスッキリ落ちます」

予防ITEM

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抗炎症成分など9つの有効成分で眼病予防。
抗炎症成分、角膜保護成分、調節機能改善成分を配合した薬液でまるごと洗い、瞳を清潔に。第3類医薬品。アイボンメディカル 500ml¥1,430(小林製薬お客様相談室 TEL:0120・5884・01)

綾木雅彦さん 日本眼科学会専門医。おおたけ眼科院長。今年3月まで慶應義塾大学医学部眼科学教室の特任准教授を務めた。ブルーライト研究の第一人者としても知られ、目を守る啓蒙活動に力を入れる。著書に『視力防衛生活』(サンマーク出版)など。

※『anan』2023年11月8日号より。イラスト・KOUME 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)