“のび太”役・妻夫木聡「やっと肩の荷が下りた」 号泣の菅田将暉が言った言葉とは

2020.11.28
日本だけではなく、世界にその名を知られるドラえもんとのび太くん。映画『STAND BY ME ドラえもん 2』で、そんな国民的キャラクターを演じる妻夫木聡さんに、その嬉しさと難しさを聞いてみました。

大人になったのび太の強さと寂しさ、その両方を表現したかった。

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妻夫木さんと“大人のび太”の付き合いは意外と長く、最初に演じたのは2011年の、とあるCM。

「僕らの世代…というか、たぶんほとんどの人にとって『ドラえもん』は“当たり前にそこにある存在”ですから、そんな作品の主要キャラへの出演依頼をいただき、すごく嬉しかったです。でも同時に、“のび太はこんなんじゃない”と言われてしまったら、僕も悔しいし、のび太くんにも申し訳ない。なので、すごく身の引き締まる思いで撮影に挑んだのを、今でもよく覚えています」

それを経て、2014年に映画『STAND BY ME ドラえもん』で“大人のび太”の声を演じ、今回その続編となる『STAND BY ME ドラえもん 2』でも、大人になったのび太を演じています。

「ドジで間抜けで、いつも何かをやらかす人なのに、のび太くんという存在はこんなに長い間、人々に愛されている。それはたぶん、彼の根底に優しさがあるからなのでは。その優しさはどこから来ているのか、きっとそれは、かつて優しくしてくれたおばあちゃんであったり、ご両親、友達、そしてドラえもんという存在によって、育まれたんだと思います。今回の映画は、のび太くんという人の背景を、とても丁寧に、そして感動的に描いている作品です」

妻夫木さんが演じる“大人のび太”が生きる世界には、もうドラえもんは存在しない。つらいことや悲しいことが起きたとき、彼はドラえもんに頼らず、どう乗り越えてきたのか。大人のび太の役作りのヒントは、そこにあったと語ります。

「ドラえもんにずっと寄りかかりながら生きてきた彼が、一人になり、何を学び、掴み取ったのか。それを考えながら、役作りをしていきました。ドラえもんの不在に対する哀愁も感じさせたかったし、でも自分の足で立つことで得た強さも出したかった。彼のそういった変化が、観てくださる方に少しでも伝わったら嬉しいです」

実は妻夫木さん、試写会で号泣するほど感動した一方で、“自分ののび太”がどうだったのか、非常に不安でもあったそう。

「褒めていただきつつも疑心暗鬼だった中で、主題歌を担当している菅田将暉くんに、“良かったです。僕、すっごい泣いちゃいました”と言ってもらえて、やっと肩の荷が下りました(笑)。なのでみなさんもぜひ、劇場に泣きに来てください(笑)。今大変な時期で、張り詰めて暮らしている人も多いと思いますが、ドラえもんという懐かしい友達に会って、ほっとした時間を過ごしてほしいです」

つまぶき・さとし 1980年12月13日生まれ、福岡県出身。’98年、俳優デビュー。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。現在ドラマ『危険なビーナス』(TBS系)に出演中。

ジャケット¥110,000 (コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン) シャツ¥26,000(コム デ ギャルソン・オム) 以上コム デ ギャルソン TEL:03・3486・7611 その他はスタイリスト私物

『STAND BY ME ドラえもん 2』 原作:藤子・F・不二雄 監督:八木竜一 脚本・共同監督:山崎貴 声の出演:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、宮本信子、妻夫木聡 全国東宝系で公開中。

※『anan』2020年12月2日号より。写真・森山将人(TRIVAL) スタイリスト・三田真一(KiKi inc.) ヘア&メイク・勇見勝彦(THYMON)  撮影協力・AWABEES バックグラウンズ ファクトリー

(by anan編集部)