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これが日本の未来!? 「EU離脱」でイギリス経済に何が起こる?

2019.6.5
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「Brexit(ブレグジット)」です。
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「Brexit」とは、「Britain」と「Exit」を組み合わせた造語で、「イギリスのEU離脱」を指します。イギリスでは2016年6月の国民投票によってEUからの離脱が決まりました。しかし、EUに提示する具体的な離脱協定案がイギリス国内の議会で承認されず、混迷を極めています。当初の離脱期限は今年の3月でしたが、イギリス政府は2度にわたり、期限延長を申し出て、最大で今年の10月まで延期されることになりました。

EU圏内から出るということは、欧州諸国に対して再び国境を作るということです。外国のモノには関税がかかります。これまで企業はEU圏内から優秀な人材を自由に雇えていましたが、ビザが必要になります。「Hard Brexit(合意なき離脱)」といい、条件が整わないまま離脱期限を迎えると、イギリスへの飛行機の乗り入れができなくなる事態も起こりえます。

Brexitを受け、いま様々な外国企業がイギリスから撤退を表明しています。日本企業では、ホンダは2021年中にイギリス工場を閉鎖。日産はSUVの次期モデル生産計画を撤回。イギリス工場での高級ブランド車の生産も今年半ばに終了することに。トヨタは合意なき離脱の場合は撤退するとイギリス政府に伝えています。ソニーやパナソニックは欧州拠点をイギリスからオランダへ、みずほ証券や大和証券はドイツに構えることにしました。

EU離脱を訴えた人々の中心は白人の貧困層。「移民のせいで、自分たちの仕事は奪われ、生活が苦しくなった。イギリス国内ですべてをまかなえば再び豊かな生活を取り戻せる」という主張です。しかし、現実にはイギリス経済は世界と切り離せない状態にありました。EU離脱が決まり、外国企業が撤退し、働き口はますます減少。モノは高くなり、この先、イギリス経済が落ち込むことは必至。国の財政が困窮すれば、貧困層を支える余力も失います。これは日本の未来像でもあります。ケアをしなければいけない国民の声に耳を傾けず、目先の利益追求を求めると、国民の不満の矛先は外国人に。しかし、どの国も、自国だけですべてまかなえる時代ではないのです。

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堀潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2019年6月12日号より。写真・中島慶子 題字&イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)


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