意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「コンビニの時短営業」です。

コンビニの問題から自身の働き方もぜひ振り返ってみて。

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セブン‐イレブンの東大阪南上小阪店が、スタッフを確保できず夜中の営業を中断したところ、本部から契約解除と違約金1700万円を請求されました。メディアで問題視され、請求はすぐに取り下げられましたが、コンビニエンスストアの時短営業について、各所で議論されるようになりました。

現在、コンビニスタッフの人手不足は深刻な問題になっています。結果、オーナー家族に負荷がかかり、心身を壊すという事態が起きているのです。

いまやコンビニは、モノを売るだけの場所ではありません。ATMがあり、公共料金の支払いや宅配便の窓口でもあり、各種チケットの発券、コピーやプリンターなど行えることは多岐にわたります。地方では、夜間の町の防犯の意味でも大事な存在になっています。とても便利で私たちの生活は助けられていますが、本当に24時間営業が必要なのかどうか。ヨーロッパなどで、ほとんどの店が日が暮れたら閉まる光景を目にすると、日本の経済活動の過剰さを痛感します。24時間店を開けるということは、商品や電力、資源もそのぶん消費しているということです。ローソンの統計によると、2017年度の売れ残り食品は1店舗あたり1日9.2kgでした。食品廃棄物のうち40%以上はリサイクルをしているそうですが、それでも少なくはない数字です。

コンビニ大手も人手不足対策を相次いで打ち出しています。セブン-イレブンとローソンでは、「セルフレジ」を年内に全店で導入することにしました。時短営業もセブンの一部の店舗で実験的に行われています。ただ、「24時間営業」が前提の経営スタイルなので、簡単には時短営業店舗が広がっていくという流れにはならない模様です。

4月5日には経済産業省がコンビニ8社に対し、オーナーの不満を解消する行動計画を出すよう指示。今回の件は、オーナーによる訴えに対してメディアが反応し、企業側も反応し、社会が問題を注視するようになった、示唆に富む出来事でした。無理を強いられているのはコンビニに限りません。働き方改革は様々な形があります。自分の働き方を見直し、権利を守ることに意識が向けばいいなと思います。

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堀潤 ジャーナリスト。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2019年5月1日‐8日合併号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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