志村 昌美

ハリウッドの新鋭女優が実践「鏡に映る自分に向かって…」自信のつけ方

2022.7.14
連日、炎天下の日が続いていますが、そんな暑さにも負けないほどの激しいバトルとアクションが体感できると話題の映画『炎のデス・ポリス』。ついに日本でも戦いの火蓋が切られようとしていますが、今回は公開に先駆けてこちらの方にお話をうかがってきました。

アレクシス・ラウダーさん

【映画、ときどき私】 vol. 501

プロの殺し屋とワケありの詐欺師、そしてイカれたサイコパスが小さな警察署に集結し、一夜にして戦場と化してしまうさまを描いた本作。劇中でラウダーさんは、唯一の女性キャラクターとして活躍する正義感溢れる新米警官のヴァレリーを演じています。

映画『ブラック・パンサー』やテレビシリーズ『ウォッチメン』といった話題作への出演が続き、ハリウッドでも注目度の高い存在となっているラウダーさん。そこで、個性豊かなキャストとの現場の様子や自身が持っている信念、さらに日本の女性たちに伝えたいことなどについて語っていただきました。

―本作のジョー・カーナハン監督は、ラウダーさんと最初に会われたときにヴァレリーを演じるのに適していると思われたそうですが、ご自身でも共感する部分はあったのでしょうか。

ラウダーさん 彼女の強さや自分に自信のあるところなど、ヴァレリーが持っている性質の大半が私のなかにもあると感じました。とはいえ、彼女は決して知ったかぶりをすることなく、わからないことは謙虚に質問し、弱さを見せられるタイプ。そういったところにも、共感しました。そのほかに、演じるうえで意識したのは競争心の強さ。それは私が過去に陸上をしていたときに培ったものですが、それらも彼女のなかに取り込んでいきました。

面白くてオープンな現場で、本当にありがたかった

―今回は、ジェラルド・バトラー、フランク・グリロ、トビー・ハスといった個性豊かな先輩俳優たちのなかで紅一点でしたが、現場はどのような雰囲気でしたか?

ラウダーさん 私のことをみなさんが両手を広げて迎えてくれるような、本当にオープンな環境だったと思います。そのおかげで、私はほかの人たちに比べて自分のキャリアが短いことを気にする必要もまったくありませんでした。私にとっては初めて主演級の役を演じた現場でしたが、監督も共演者も私の意見や私がどう思っているのかをとても尊重してくれたので、そういう意味でも本当にありがたかったです。

あとは、とにかく楽しい現場でもありましたね。特に面白かったのは、トビー・ハス。監督も「どんどんやってくれ!」と言っていましたが、彼の演技はアドリブ満載なので、私も大笑いしてしまいました。あまりにも共演者の方々の演技が面白かったので、私がいないときにみんながどんなことをしているのか、現場で何が起こっているのかを知りたくて、出番がない日でもわざわざ撮影を見に行ったほどです。

―激しいアクションシーンでは、鍛え上げられたしなやかなスタイルが非常にカッコよかったです。体づくりで実践されていることや日課として続けていることはありますか? 

ラウダーさん まず、映画のためには銃の扱い方やさまざまなファイトシーンなどをスタントチームとともに、一生懸命トレーニングしました。個人的に大好きでしているのは、ムエタイ。有酸素運動にもなりますし、コアを鍛えるのにはとても役に立っていると感じています。

すべてのことに全力を尽くすのが信念

―劇中に登場する殺し屋のボブ・ヴィディックは、「何が何でも任務を完遂する」というルールを持っている男。ヴァレリーも正義を貫くキャラクターでしたが、ラウダーさんご自身が貫いている信念といえば?

ラウダーさん 私が大切にしていることのひとつであり、最高の方針としても掲げているのは正直さ。そして、「やるならすべてのことに全力を尽くす」ということも大事にしています。そういった思いもあり、心がけているのは、たとえ誰も見ないような小さな作品だったとしても、大きな作品と変わらず自分のベストを尽くすことです。

なぜなら、私が成長していろんな作品に出るにつれて、人々は過去の作品も観ることになりますからね。そのときに、いかに自分が一貫した人間であるかを見せられるかが重要だと考えているので、それらはすべて次につながっていくと思っています。

―仕事のオンオフを切り替えるうえで意識されていることがあれば、教えてください。

ラウダーさん 最近は、ドラマシリーズや何本も映画を撮っていたので、本当に仕事ばっかりですね(笑)。でも、仕事が少なかった時期には、これくらい仕事をしたいと思ってがんばってきたので、忙しい状態が続いていますが、すごくハッピーでもあります。なので、「これが終わってほしくないなぁ」と思っているほどで、次はどんなお仕事ができるか楽しみにしているところです。

そういったこともあって、オフタイムのときは何をしていいかわからなくなってしまうことも(笑)。そんなときはムエタイに行ったり、忙しくて観れなかったドラマや映画をまとめて観たりして過ごしています。

―多忙な日々のなかで、ご自身なりのご褒美みたいなものはありますか?

ラウダーさん 毎日ではありませんが、大変な仕事を終えて家に帰ったときには、鏡に映る自分に向かって「あなたのことを誇りに思っているわよ」と自分自身に話しかけるようにしています。そんなふうに、自分に優しくすることが一番大切じゃないかなと考えるようになりました。あとは、乳製品を使っていないお気に入りのアイスクリームがあるのですが、それを食べているときです(笑)。

―身も心も癒されるいい方法ですね。では、今後挑戦してみたいことがあれば、お聞かせください。

ラウダーさん これまでいろんなジャンルの作品に携わってきましたが、まだ経験したことがないのがラブコメ。ぜひ、そういった作品に出演してみたいです。

気になることがあれば、まずは一歩踏み出してほしい

―これまでとは違うラウダーさんを楽しみにしています。いよいよ日本で公開を迎えますが、日本に対してはどんな印象をお持ちですか?

ラウダーさん 残念ながら、日本にはまだ行ったことがありませんが、すごく楽しそうな国だと思っています。あと、日本が舞台の映画で見たことがある田舎の景色もいいですよね。田んぼがいっぱい広がっているようなところにぜひ行ってみたいです。

それから、テクノロジーが進化していたり、芸術的な建物があったりするので、いつか自分の目で見ることができたらいいなと。街が清潔なところにもすごく感心しているので、すぐにでも行きたいくらいです!

―お待ちしております。それでは最後に、ananwebを読む日本の女性たちに向けてメッセージをお願いします。

ラウダーさん みなさんに推奨したいことは、「何か自分のなかにひっかかるものがあったら、それに向かって一歩を踏み出してみる」ということです。それがどこにつながっていくかはわかりませんが、そこがきっかけとなり、自分がやるべきことが見つかる場合もありますから。ちょっとでも気になることや惹かれるものがあれば、全力を尽くしてやってみてください。そういう行動を取ること自体、自分にとって非常にパワフルなものになると思います。

それから、本当に嫌なことがあれば、「No」というのも大事なこと。これは私が子どもの頃の話ですが、ある日、学校に行く前に母から「今日はすべてのことにNoと言いなさい」と言われたことがありました。たとえば、「鉛筆貸して」と言われても、「外に遊びに行かない?」と言われても、すべてにおいて答えは「No」。実はこれは、「No」を言う練習だったのです。

というのも、みなさんも知っているように「No」と言うのは誰にとってもパワーが必要ですよね? 大変なことだからこそ、ある程度練習をしておくと、本当に嫌なことがあったときに「No」と言えるようになるので、そんな方法もあるということは伝えておきたいです。いずれにしても、自分が嫌だと感じることがあれば、きちんと「No」と伝えることは大切なことだと思います。

インタビューを終えてみて……。

劇中ではタフで強靭な女性でしたが、実際はチャーミングな笑顔が印象的なラウダーさん。日本語の挨拶を覚えてきてくれており、がんばって話そうとくださる姿がとてもかわいらしくて一瞬で魅了されました。今後、さらなる活躍に大注目です!

衝撃展開の連続に心も体も熱くなる!

留置場という閉ざされた空間のなかで繰り広げられるのは、予測不能はバトル・ロイヤル。クセモノたちによるスリリングな騙し合いはもちろん、生き残りをかけた壮絶な戦いに誰もが釘付けになってしまうはずです。


取材、文・志村昌美

ストーリー

ある夜、砂漠地帯にたたずむ警察署に連行されてきたのは、暴力沙汰を起こした詐欺師テディ。マフィアのボスに命を狙われているテディは、避難するためにわざと逮捕されたのだが、留置場の向かいには、マフィアに雇われた殺し屋ボブが泥酔男に成りすましてやってきた。

新人警官ヴァレリーの活躍によって、ボブのテディ抹殺計画は阻止されたように見えたが、マフィアが放った新たな刺客として現れたサイコパスのアンソニーによって、小さな警察署は大惨事となってしまう。果たして、この一夜限りの壮絶な殺し合いを生き抜き、朝を迎えられるのは一体誰なのか……

目が離せない予告編はこちら!

作品情報

『炎のデス・ポリス』
7月15 日(金)より TOHO シネマズ 日比谷他にて全国公開
配給:キノフィルムズ
https://copshop-movie.jp/
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