ラーメン大好き、おなかがゴロゴロ…「花粉症が悪化しやすい人」の特徴と対策 #205

文・大久保愛 — 2023.3.24 — Page 1/2
花粉症などのアレルギー症状に悩まされていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、その対策と症状が悪化してしまうNG習慣を教えてくれます!

今年は花粉症が酷くなっていませんか?

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【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 205


桜が満開となる地域が続々と増えてきていますね。春分の日も過ぎ、暖かい陽気の日も長く続くようになり、ようやく長かった冬も終わりを迎えた印象になりました。そして、マスクとの距離感も徐々にもとの生活に戻りつつあります。ですが、花粉症を強烈に感じている方は、マスクとの距離感がより強固なものへと変化していることだと思います。

そして、卒業、入学、進級、転職、転勤などさまざまな区切りとなり変化のときとなる3月。みなさん、健やかにお過ごしでしょうか。今までお世話になった人たちや4月に新しく出会う人たちに対して、爽やかな印象を与えておきたいと考えるかたは多いと思います。ですが、花粉症で常にポケットティッシュを持ち歩き、鼻の周りは赤くむけ、会話をしながら鼻水がたれたり、くしゃみがでてきてしまっては、相手が気にしていなかろうが本調子ではない自分の状態に悲しくなってしまいます。そこで、今週は花粉症が悪化してしまうNG習慣と食べるとよい食薬について紹介していきます。

今週は、花粉症の対策となる食薬習慣

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今年から花粉症デビューしたというかたも多いのではないでしょうか。花粉症などアレルギー症状は、漢方では腸内環境が悪化し『湿熱』というアレルギーの原因が体内に存在すると考えられています。また、花粉や黄砂、ウイルスなどの病原菌、寒暖差などから身を守っているものを『肺』や『衛気』とよびますが、これらの働きが低下しているときにも花粉症に悩まされると考えられています。

そのため今週は、『肺』や『衛気』を補う食薬をとりいれて体を守る力を強化し、アレルギーを引き起こす『湿熱』の原因となる食材を食べないようにしましょう。ということで今週食べるとよい食薬は、【キノコたっぷりブリしゃぶ】です。
そして、逆に今週のNG行動は、『湿熱』の原因となる【ラーメンを食べる】ことです。

食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:キノコたっぷりブリしゃぶ】

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『肺』と『衛気』を養う栄養素といえば、免疫のサポートに働くビタミンD、炎症を抑えるオメガ3脂肪酸、腸から整える食物繊維です。これらを1品で叶えてくれるのが、キノコたっぷりブリしゃぶです。ブリにはオメガ3脂肪酸が、キノコ類には食物繊維が豊富に含まれています。そして、キノコ類とブリには共通してビタミンDも多く含まれています。

レシピはこちらです。

<材料>
ブリ     2切れ(4ミリくらいにスライス)
舞茸・しめじ たっぷりお好みで
干しシイタケ 3つ
千切り生姜  2片
昆布     3cm
醤油・みりん 各大さじ1
水      400ml

<作り方>
ブリ以外の材料をお鍋でコトコト煮て、ブリをしゃぶしゃぶにして食べる。

NG行動【ラーメンを食べる】

花粉症がひどい! と鼻をかみながらラーメンを食べてはいないでしょうか? 小麦製品とオメガ6脂肪酸が多い食材ですよね。腸内環境を乱し免疫を低下させたり、炎症を促したりすることで『湿熱』を作り出し、アレルギー症状を悪化させる原因となってしまいます。花粉症がつらいと思っている人は、ちょっと控えてみましょうね。

そして、花粉症に悩む人は、なるべく和食を心がけ、肉と魚があったら魚を選ぶようにしてみましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代では様々な研究が進み明らかになっていることが増えています。様々な研究が進み『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

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大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/

book

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
購入はこちら

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。


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