【集中力対策】仕事山積みなのに片づかない…集中力を高める簡単なコト

文・大久保愛 — 2019.8.7
待ちに待った夏季休暇を前に、仕事の山を片付けたいのに集中力が続かない……! そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生に、集中力が高まる簡単な方法をお聞きしました!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 19

集中力の低下は暑さによるモノ!?

暑い日が続くとぼんやりしたり、注意力が散漫になったり、段取りが悪くなったりと集中力が少なくなってしまうことはないでしょうか。しかし、暑いから仕方のないものと片付けてしまってはいけません。とろけそうなほどの暑さで食欲がなくなるこの季節には、甘いものやアイス、麺類、パン、果物などで食事を済ませている人が多く、それが集中力の低下の原因になっている可能性があるからです。

暑さや部屋の寒さが自律神経を乱す原因になることもありますが、栄養の偏りも集中力の低下に大きく影響します。先ほどのメニューは、ほぼ糖質でできています。しかし、頭をフル回転させるためには、バランスのとれた栄養が必要です。

今週は、漢方医学で考えると月の引力の影響が少ない上弦の月の時期であるため、体調は安定します。安定している時こそ体調を底上げする食事をとることが大切です。好きなものを中心に食事を決めるのではなく必要な栄養を補うための食事をしていきましょう。そこで今週は集中力を身につけるための“食薬習慣”を紹介していきます。

自然の変化が体調に影響している

漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 

一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。

そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

今週は、集中力がなくなってしまうかも

お盆休みを目前に、山積みになった仕事を処理しなければならない人は多いと思います。そのため連休直前には、集中力がほしくなりますが、思うように発揮できない人もいるのではないでしょうか。やる気もなく注意力が散漫で仕事が進まないと苛立っている人! まずは食事の内容に注目してみましょう。

ものすごく暑い日が続き食欲がなくなりやすいときこそ、食べる内容に気をつけることが大切。漢方医学で集中力の低下を『血虚(けっきょ)』とよびますが、これは集中力の低下だけではなく、めまいや頭痛、生理痛、不眠などの原因にもなります。

また、今週は上弦の月を迎え、徐々に月が満ちていき栄養を補うのに適している時期と考えることができます。月と同様に栄養も徐々に満たしていくことが大切です。そこで今週は、集中力アップのために補うべき“食薬習慣”を紹介していきます。今週食べるとよい食材は【たらこ・明太子&亜麻仁油】です。

今週食べるとよい食材:たらこ・明太子×亜麻仁油

集中力が低下しているときに必要な栄養素は、糖分ではなくビタミンB群とオメガ3脂肪酸です。これらはメンタルの安定にもつながります。漢方医学ではメンタルのために必要な栄養素を『血』を補う食材と考えます。頭を使ったり、気持ちが落ち着かなかったりするときには、おすすめの食材です。

【たらこ・明太子】

基本的に、魚卵にはビタミンB群が豊富に含まれています。さらに、夏場に発生しやすい活性酸素を除去するビタミンEやビタミンAなども含まれています。いくらや筋子、数の子などにも同様に含まれています。

【亜麻仁油】

脳のほとんどは油でできていますが、その油として優秀に働くものがオメガ3脂肪酸です。脳の神経細胞膜の原料となり頭の回転を助けてくれます。亜麻仁油の他に、えごま油やグリーンナッツオイルなどにも含まれます。

しらたきにたらこと亜麻仁油を和えたり、きんぴらにたらこを和えたり、サラダを亜麻仁油と塩で食べたりといろいろなアレンジ方法で食事にとりいれてみましょう。

暑くて、だるくて、集中力がなくて……でも、やるべきことがたくさんあって集中力が欲しい人は、この食薬習慣を試してみてはいかがでしょうか。

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大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
昭和大学薬学部生薬学研究室で漢方を学び薬剤師免許を取得。その後、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。

https://aika-inc.co.jp/

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著書『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
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【腸活×漢方×栄養学】の理論で考えた、【今週食べるとよい食材】をお伝えしていきます。

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