集中力低下は腸のカビが原因…!? 仕事がススム「簡単! 集中力up法」

文・大久保愛 — 2019.5.29
真夏のような猛暑が一時期的に到来し、はやくもバテ気味の人がいるかもしれません。ですが、実際の夏はまだもう少し先。その前に、じめじめとした梅雨に体を対応させなければなりません。この時期は、ある原因から集中力の低下や感情が不安定になりやすいのだそう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生に、それらの原因と、集中力を高められる解決法を教えていただきました。

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 9

なぜか集中できない…原因は?

集中力のオンオフの切り替えはしっかりできていますか? 机に座った瞬間から集中力をいつでもフルで発揮できたら、どんなによいでしょうか。しかし、それどころか、やる気が起きず集中力が低下し、無駄に時間だけが過ぎて悩んでいる人は実際多いと思います。人の能力は、集中力の違いで大きく差が出ると思いますが、その集中力が食べ物が原因で低下していたとしたら、すぐにでも改善したいですよね。

もし、五月の連休から加工食品や甘いもの、麺類、パン、お酒などが増えている人は、腸の中にあるカビが増殖してしまい、それが原因で集中が低下しまっているかもしれません。もうすぐ迎える蒸し暑く湿気の多い梅雨には、体がだるくなりバテやすくなったり、食べ物が傷みやすくなるため手軽に食べられる加工食品などに頼りやすくなる時期です。これは、腸内のカビをさらに増やす習慣となります。

そこで今週は、腸内に増殖しがちなカビを防ぎ集中力を取り戻すための食材をご紹介していきます。

自然の変化が体調に影響している

漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化と様々なものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。

今週は、集中力の低下に気をつけて

もうすぐ梅雨がやってきます。鬱陶しい気候になる前に、事前に腸内環境を整えておくと体調が整いやすくなります。というのも、気圧の変化が大きく湿気の多い時期は、胃腸の働きが低下しやすい傾向があるからです。

人の体には、カンジダ菌というカビが常在菌として存在しています。この菌は、腸内で砂糖など精製された糖質、小麦、お酒などを好んで餌として食べて増殖するため、偏食をしていると腸内でカンジタ菌が増えて体に害を及ぼしてしまいます。その結果として起こるのが、集中力の低下や感情が不安定になったり、免疫が低下することです。

そして、月の形は、下弦の月から新月に向かって陰っていきます。このとき、漢方医学では体のデトックスに向いていると考えるため、腸内細菌のバランスを整えるべく抗菌作用、抗炎症作用のある食材をとることがよいとされています。

不調の原因には意外と腸が関係していることが多いため、慢性的な集中力の低下などの不調を抱えている場合には、抗菌作用、抗炎症作用のある食材を取り入れることは効果的です。そこで、デトックスに向いている今週は、腸内細菌を整え集中力の低下を防ぐために抗菌作用、抗炎症作用のある【カレー風味の豚の生姜焼き】をとりいれてみましょう。

今週食べるとよい食材は:カレー風味の豚の生姜焼き

カレー風豚の生姜焼きには、抗菌、抗炎症作用のある食材がたくさん含まれます。

カレーパウダー

カレーパウダーには、ターメリック、クミン、ナツメグ、フェンネル、サフラン、カルダモン、チリパウダー、赤唐辛子、胡椒、生姜、コリアンダー、クミン、フェンネル、シナモン、オールスパイスなど最低でも5種類は配合されています。漢方薬でもよく使われる材料が多く含まれており、クローブ、コリアンダー、ターメリック、シナモンがほとんどのカレーパウダーに配合されています。これらには、抗炎症作用、抗菌作用、抗酸化作用などが期待できます。

生姜

生の生姜にはジンゲロールという成分が含まれています。ジンゲロールには、解熱作用、強い殺菌効果があり、体内の熱を取り除き、体の表面を温めてくれる効果があります。また、生姜を加熱すると、ジンゲロールがショウガオールという成分に変わります。ショウガオールには、血流を促進し、体を温める効果があります。

玉ネギ

玉ネギに含まれる、アリシンには強い殺菌作用があります。

作り方

いつもの豚の生姜焼きにカレーパウダーを入れるだけです。

近年、腸と脳の関係が密接であることは、明らかになってきています。また、その中でも腸内で増殖すると厄介な菌としてカンジダ菌があります。カンジダ菌といえば、女性特有の病気であるイメージを持つ人は多いと思いますが、腸で増殖することは非常に多いのです。自己判断でその菌の影響を受けているのかを判断することは難しいのですが、慢性的な不調を抱えている人はスパイスや香味野菜、ハーブなどを食事に取り入れることで腸内環境を整えてみてはいかがでしょうか。

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大久保 愛 先生
アイカ製薬株式会社代表取締役・漢方薬剤師。
東洋医学の本場、中国で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び資格を取得。漢方相談、調剤薬局、エステなどの経営を経て商品開発・ライティング・企業コンサルティングなどに携わる。

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