JAXA大西卓哉宇宙飛行士に聞く人生相談! 宇宙からのANSWER. #1 仕事関係その1

文:anan編集部 — 2016.10.11
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の全面協力の下、現在国際宇宙ステーションでミッション遂行中の大西卓哉宇宙飛行士にanan総研が人生相談をぶつけるという、壮大な企画が始まりました。「宇宙から」回答がくるわけです! 地球を見下ろし、無重力で生活するうちに、それこそ俯瞰的なものの見方や生命・宇宙の起源に思いをはせた時、どんな人生観をお持ちになるか。そんな方にanan総研の相談はどのように映るのか?!

【宇宙からのANSWER.】vol. 1

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大西宇宙飛行士が初投稿した記念の写真。(C)JAXA/NASA

毎日無重力かつハードな環境でお仕事なさっている大西卓哉宇宙飛行士に、anan総研の世俗にまみれた人生相談に答えていただくなんて、ありえるんだろうか許されるんだろうか。
というドキムネのお申込みに対して、JAXAのみなさんも大西さんご本人も、温かく受け止め、温かく答えてくださいました。
恐る恐る申し入れた企画がにこやかに快諾された時のオドロキは、猫が自分の後ろにあるキュウリに気がついた時みたいな感じでしたっけ。…それはさておき本題です。

さて、まずは大西さんのご挨拶から。

anan読者の皆さん、こんにちは。JAXA(ジャクサ)宇宙飛行士の大西卓哉です。
私はいま、地上から約400km上空を飛行している国際宇宙ステーションに長期滞在中です。
いつもは新聞や科学系の雑誌のインタビューや寄稿がほとんどなのですが、先日今後の予定にananと書いてあるのを見つけ、最初は何かの間違いだろう思っていたら本当でした。慌てて妻に、
「ananというのは、一体全体どんな人が読んでいる雑誌なのか?」
と確認したりしました。まさか私が女性誌に記事を書くような日がこようとは夢にも思っていませんでしたが、JAXAの広報担当者もなかなかの無茶振りです。これまでで最も困難なミッションになることは、間違いありません。

宇宙、特に宇宙ステーションの話やそこで行われている実験の話はとかく難しく専門的になりがちですが、今回は読者の皆さんからの質問にお答えする形で良いということなので、宇宙からのお悩み相談、私なりに頑張らせて頂きます!

この素直なとまどいが好印象。JAXAの広報担当さん、GJ! 心より御礼申し上げます。

(C)JAXA/NASA
(C)JAXA/NASA

さて、では第1回目の質問は、仕事関係のお悩み。
宇宙飛行士になるためには数々の厳しい訓練をこなさなければなりません。体力的にも精神的にも、頭脳的にも過酷なはず。それをすんなりとこなせる人間なんて、いないのでは。

Q.
宇宙飛行士は私達の想像がつかないくらい大変な訓練や苦労があると思います。なかなか成果が出ない、自分に自信をなくしてしまったなど、嫌になったり辞めたくなったことはありますか?
また、その時どうやってモチベーションを上げましたか?(30歳・事務)


A.
さすがに辞めたいと思ったことはありませんが、嫌になることはしょっちゅうです。
どのお仕事でもそうだと思いますが、楽しいことや辛いこと、嬉しいことや凹むことなど、働いているといろいろあります。仕事とはそういうものなのかなと思います。
嫌になることはあっても、大小様々な達成感・やりがいを感じる機会も多いのでそれを励みに頑張れるので大丈夫です!

泣いていいですか。
小さな幸せをココロの糧に、しんどくても前を向き続けるって、宇宙飛行士も私たちも同じなんですね。レベルの違い? 知らんがなそんなもん。同じだ同じなんだ!
つらい時は「大西さんも頑張ってる」ことを思い出します。
仕事とはそういうものなのだ。染みる。ありがとうございます!

anan総研の人生相談、宇宙からのAnswer、まだまだ続きます。
次回をお楽しみに!

ananのために撮り下ろしてくださった、宇宙ステーションでの動画はこちら!

大西卓哉(おおにし たくや)

JAXA 有人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット 宇宙飛行士。1975年東京都生まれ。全日本空輸株式会社のパイロットを経て2009年4月JAXAに入社。2016年7月から国際宇宙ステーション(ISS)第48次/第49次長期滞在クルーとしてISSに滞在中。


Information


JAXA:http://www.jaxa.jp/index_j.html