何気ない一言でSNS大炎上…! 22歳女性の人生を狂わせた「NGワード」

文・三松真由美 — 2022.10.27
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、SNSのファッション投稿がきっかけでアパレルブランドのディレクターを務める22歳女性。ひょんなことからある発言をして炎上してしまい…。三松先生が絶対に言ってはいけない、人を傷つけるNGワード、表現を教えてくれます。

しおり(22)“整形レス”をよしとする調子こき女。「整形なんてありえない」と言ったら恋も炎上

SNS ネット 炎上 失言 NGワード 表現

【レスなひとびと】vol. 181


しおりはアパレルブランドのディレクター。もともと目指していたわけじゃなかったけれど、SNSで自撮りや服やアクセサリーをアップするうちに気がつけばこうなっていた。

一般人ながら、写真をアップするたびにプチバズで、フォロワーは5.7万人。今日は新作のチェックのセットアップの写真を撮るため、彼氏の俊哉と汐留のイタリア街に来た。

俊哉は、彼氏兼、しおりのカメラマン。ふだんのお出かけでも何気ないスナップを撮りまくってくれるし、新作お洋服が出るたびに撮影してくれるいいパートナーだ。

「しおり、いいねー。めっちゃかわいい、いいよ。次ちょっとしゃがんで目線こっちちょうだい」

イタリアっぽい雰囲気のあるビル街で、しゃがみこむ。少しだけ挑戦的な目で女優ぶったりする。街で撮影していると、いろんな人がこっちを見る。でも大丈夫。しおりは、見てくるどんな人よりも、自分が一番キレイだと自信があるんだから。

帰宅後、俊哉に写真をリタッチしてもらって、次々アップしていく。みるみるコメントが増加。

「かわいすぎ。しおりさんしか勝たん。絶対買います」「こんなふうになりたすぎる人生だった…」次々にポジティブコメント。

丁寧にリプライをしていく。「ありがとう、ミチランちゃんも似合うと思うので、ぜひ♡」「あこがれだなんて、ありがたすぎる涙」などなど、いたって謙虚をよそおう戦略。

でも、俊哉には本音をぽろり。

「リプライしてきたこの子、ありえないくらい整形顔でびびる。見てよ、これ」

「どれどれ。ああ、ちょっと不自然かもな」

「いや〜、わたし整形とかせずのこの顔で、ほんっとよかった。正直、ずいぶん整形ってメジャーになったけど、それでもやっぱりちょっと引くよね。いや、肌のレーザーくらいだったらいいけどさ」

「そうかもねぇ…」

しおりにはずっとだまっていたけれど、俊哉は鼻をちょっと整形していた。しおりのことは好きだけど、時々ある「整形レス至上主義」な発言は、ちょっと…というかかなり傷ついていた。

3か月後、結局一緒にいるのがつらくなった。

しおりは、顔立ちのことで無意識にマウントを取る女なんだと今更ながら納得。残念な気持ちが膨らんできたのだ。置き手紙をして別れた。

「僕の鼻」のこともちゃんと書いて。

翌日、しおりのSNSをのぞいて俊哉は驚いた。なんとしおりが俊哉からの手紙をアップしている。

「男で整形とかまじびびるわ」と投稿していたのだ!

投稿は、批判をあびて大炎上。

「ずっとあこがれてたけど、ファン辞めます」といったネガコメントがたくさんついて、アカウントにはまもなく鍵がかけられた。いつかは燃えると思っていたけれど、しおりのブランドは、もう終わりだ。


【三松さんからのコメント】

しおりさん、自分のお顔立ちを気に入っているのはいいのですが、心ない発言で、彼氏も仕事も信頼も一気に失ってしまいましたね。しおりさんにあこがれている人は「しおりさんみたいにキレイになりたい」「しおりさんを目指そう」っていう健気な気持ちでいたはず。

ひとの気持ちを踏みにじるような発言、いけませんよ。

人の見た目について、あれこれいうのは絶対NG。今の時代は特に。しおりさんと俊哉さんのように親しい間柄だったとしても、です。コンプレックスのある部分って、パートナーにすら秘密にしていることもあるでしょう。

なにが、相手を傷つけるかわかりません。察してあげよう。

疲れていたり、人間関係で大きな変化があったりすると、感情がたかぶって余計なことをSNSに書きがちです。

一般のかたはインフルエンサーのように、炎上することはないけれど、信用を失ってしまうことは十分ある。感情に任せて投げた文面が、まわりにいる人を傷つけることがないか、万全の注意をしてくださいね。

「整形でなりたい自分になってもいいじゃない! ひとの好み、容姿、癖、個性についてダメ出ししちゃだめよ。ただひとつ。彼とのエッチについてはダメなことはダメと言える関係を作ってくれ」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。


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©Photographer, Basak Gurbuz Derman/Gettyimages