志村 昌美

レオナルド・ディカプリオ主演最新作『レヴェナント:蘇えりし者』で衝撃の映画体験を感じる!

2016.4.21
2016年の映画界最大のニュースといっても過言ではないのは、やはり「レオナルド・ディカプリオ、悲願のオスカー初受賞!」。初ノミネートから22年、5度目のノミネートにしてようやくオスカー像を手にした彼の姿に、世界中のファンをはじめ多くの人が感動したはず。そんな彼をアカデミー賞の頂点に導いた作品といえば……。

実在した伝説の人物を描いた驚異のサバイバルストーリー『レヴェナント:蘇えりし者』!

【映画、ときどき私】 vol.33

1823年、アメリカ西部の未開拓地では、ハンターの一団が狩猟の旅をしていた。ガイド役を務めていたヒュー・グラスと息子も彼らと行動をともにしていたが、ある日グラスが熊に襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。

厳しい状況のなか、隊長は余命わずかに見えるグラスを置き去りにして、先へ進むことを決断する。見捨てられた彼を助けようと息子は声をあげたが、グラスに敵意を抱いているフィッツジェラルドによって殺されてしまう。その様子をただ見つめることしかできなかったグラスは、最愛の息子を奪われた絶望と怒りを激しい復讐心へと変え、死の淵から甦るのだった。復讐の先に待ち受けるものとは……。

なんと今回は、レオ様の来日記者会見を取材してきました!

ちょうどオスカー受賞直後の来日だったこともあり、多くの報道陣が殺到し、会場の熱気も最高潮! そんななか、満を持して登場したディカプリオは、やはりさすがの貫禄とオーラ。とはいえ、「若い頃の方がかっこよかった」という声も聞かれるディカプリオですが、私はいまの彼の方が魅力的だと実際に見て、改めて感じました。

もちろん、外見だけでいえば昔の方がキレッキレだとは思います。ですが、いまの彼は役者としても人としても、さまざまな想いや苦節の日々を経験し、ようやくオスカー像を手にしたことで、自然と表情に自信や余裕がにじみ出ているので、男性としては、それくらい成熟している方が断然ステキだと思うのです。

本作は、休養宣言を撤回してでも参加したかった作品!

ずっとファンだったアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督と組めるということと脚本に惹かれて、ディカプリオはどうしてもこの映画に出演したかったようですが、今回は彼の俳優人生史上、もっとも過酷な役への新たなチャレンジともなったそう。

自ら多くのスタントに挑んだというディカプリオは、極寒の川に飛び込んだり、バイソンの生肉を食べたり、殴り合いのシーンで鼻を折られたりと、とにかく全編を通して肉体的にも精神的にも体当たり。彼がこの作品でこれだけの評価をされることは、当然といえば当然かもしれませんし、もしこれでもオスカーが獲れていなければ、「一体どこまでやれば獲れるのか?」と悩んでしまっていたのではないかと思うほど、全身全霊の演技を見せています。

キャリアのなかでも、映画史に残る特別な1本!

「この映画自体が私にとって、とても特別でした。いまでも理解しがたいんですが、監督はいろんなテクニックでこの作品を作りあげたので、永遠に映画史に残るような芸術作品になったと思っています。『このような作品には二度と関われないかもしれない』と感じるくらい、私にとって重要な人生の1章となりました」と作品への想いを熱く語っていたディカプリオ。これだけのキャリアを誇る彼にそこまで言わしめてしまうということだけでも、いかに素晴らしい作品かということが窺えるはずです。

最後の最後まで続く緊迫感に包まれること間違いなし!

「いったいどうやって撮影しているんだろうか?」と思うような驚異的な映像の連続には、息つく暇もないほど。1993年に『ギルバート・グレイプ』で初めて彼を見たとき、あまりの演技力に「どこからが演技で、どこからが本人なんだろう」という驚きを子供ながらに感じたのをいまでも覚えていますが、まさに今回も映画と現実の区別がつかなくなってしまうほどの熱演。

身も心もむき出しで突き進む男から感じるものとは?

とにかく、圧巻のストーリー展開と圧倒的な映像美に押されっぱなしの157分。時間が過ぎるのも忘れてしまうような迫力と自分の肌で体感した人にしかわからない衝撃は、スクリーンで堪能すべき作品です。人の生命力の強さや愛する人を失う悲しみだけでなく、あらゆる感情が沸き起こるグラスとともに、あなたのなかにも、さまざまな感情が蘇るかもしれません。

作品情報

『レヴェナント:蘇えりし者』
4月22日(金)、TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

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