「興奮したわ」…KAT-TUNがファンとのパワフルなやりとり、アリーナツアーレポ!

写真・くさかべまき 取材、文・福田恵子 — 2023.5.9 — Page 1/2
最新アルバム「Fantasia」を引っ提げ、231,000人を動員する全国6都市・20公演のアリーナツアー「KAT-TUN LIVE TOUR 2023 Fantasia」を開催中のKAT-TUN。ゴールデンウィーク後半、2023年5月6日(土)13時から横浜アリーナで行われた公演の模様を【ネタバレありで】レポートします。

ジャニーズ初、ステージ上に砂のカーテンの演出が登場したKAT-TUNライブ


230506kk_001

今回のコンサートでは、“ジャンルレス”を掲げて多彩な楽曲を収録した最新アルバム「Fantasia」から16曲を披露。様々な曲に挑み、音楽的なキャリアを積み重ねてきた“KAT-TUN”の今を届けるステージだ。レーザー光線が飛び交う楽園のようなセットのトライアングルから堂々と登場した3人がまず歌ったのは、「DIRTY LUV」。止められない鼓動の高まりを歌う情熱的な曲にシンクロするように炎の特殊効果が眩く、激しく、飛び交う。ステージが炎に包まれるこれぞザ・KAT-TUNな幕開けに会場のペンライトが激しく揺れる。

「いらっしゃいませ~」と挨拶をして、上田竜也さんが雄叫びを上げると、「Hey! 横浜~!」と中丸雄一さんも負けじと叫び、亀梨和也さんは「俺のことを興奮させろよ!」とオラオラモード全開に。花道で移動する際には上田さんは腕をブンブン回しながら煽ったり、ダンサーさんを担いでグルグル回す場面もあったり、エネルギッシュに大暴走する姿も発見。昨年のツアー「KAT-TUN LIVE TOUR 2022 Honey」は、大人っぽくおしゃれな楽曲中心だったが、今回のツアーではワイルドでロッキンなKAT-TUNの魅力を見せつける楽曲が盛りだくさんだ。

懐かしの楽曲が随所に盛り込まれたセットリスト。2006年3月22日にリリースされたデビュー曲からラップ詞が新たに書き下ろされ生まれ変わった「Real Face#2」も披露。中丸さんは巧みなボイスパーカッションで本領発揮。上田さんはラップパートをワイルドに歌いながらサングラスを外してウインクする姿も。セクシーな歌声とサビ前の舌打ちで会場を沸かせたのは亀梨さん。代表曲も進化を遂げ、今年でデビュー17周年を迎えたKAT-TUN。3人のハーモニーは最強にパワフル。

これまで激しい炎や美しく壮大な水の演出など、様々な圧巻の演出で会場を魅了してきたKAT-TUNのコンサート。今回は、ジャニーズで初となる砂の演出がお目見え。「DON’T U EVER STOP」の終盤では、ステージ上へ縦6m、横12mという巨大な砂のカーテンが登場。300kgもの砂を使用した新しい試みが目玉に。サラサラと流れる砂のカーテンは、壮大な砂漠のよう。そんな幻想的な空間を生み出す中で歌ったのは、失うものなど何もないというワードがあの頃を彷彿とさせる2008年の楽曲。“生きろロック道”など、歌うワードから、初期のKAT-TUNがワイルド路線一直線だったことを改めて実感する。


230506kk_007

まるで中丸さん演出の舞台のような世界観が味わえたのは「KAT-TUNのきっとカトゥーン」という架空番組のラジオコーナー。トークは横浜アリーナで公開収録を行う「特別編」ということでスタート。前の日の5月5日公演では、横浜=中華料理ということで、中華料理では何が好きか大盛り上がりしたという。「亀梨くんの1位はザーサイっていう話でね、引くほど、会場が割れんじゃないかっていうくらい盛り上がりましたけども」と言う中丸さんに「いや、ザーサイで盛り上がってくれるほど…。皆そんな感じじゃなかったですけど」と苦笑いする亀梨さん。しかし、中丸さんはめげずに「2番目に好きな中華は一体何だい!?…って話ですよ!」と軽快にザーサイトークを続ける。

続いての「KAT-TUNのアポなし生電話」のコーナーでは、会場のファンのお悩み相談に生電話で解決。職場の同期とコンサートに来たという男性と女性にお話を聞くことに。男性同僚を誘った理由を「(亀梨さんを)昔、好きだったらしいので」という言葉を聞いて「昔好きだった」とショックを受ける亀梨さんに「ザーサイあげるから…」と、なだめる中丸さん。気を取り直して、「今日もう1回、好きにさせないとな」とキメ台詞のようにつぶやく亀梨さんに会場は「フゥー!!」と盛り上がる場面もあった。

ソロ曲はアルバム「Fantasia」に収録されている最新ソロ曲をそれぞれの世界観で披露。亀梨さんは大貫亜美さんが作詞、UTAさんが作曲を手掛けた「未完成な」をスタイリッシュに踊りながら歌った。もどかしい恋の曲を時には切なく、時には悩ましい表情を浮かべながら甘い声で歌う姿は観客の目を集める磁力に溢れている。

中丸雄一さんは自身が作詞した「New sight」を。常識に縛られず思考を巡らせて新たな扉を開こうと歌う謎かけのようなメッセージソングで中丸ワールドへ誘う。リリックにラップを織り交ぜるところも中丸さんらしさ満点。上田さんは、自ら作詞を手掛けた「ユダ」で映像演出を交えながらパフォーマンス。仮面をつけたダンサーと共に踊り、ダーティーで狂気的な世界観を表現。最後にはあっと驚かされる結末に息をのむ。まったく違うテイストの楽曲を歌った三者三様のソロ曲は見応えたっぷりだ。

ハッピーな空気に包まれたのは、「KAT-TUNの現場」。この曲は皆大好き、KAT-TUNライブの時間をユーモアたっぷりに歌う“KAT-TUNライブあるある”ソング。火花スパークラーや水の演出、火薬の量に驚かされるなど、演出についても描かれるこの詞は中丸さんが手掛けたもの。KAT-TUNライブ未体験の人にもぜひ聴いて欲しい1曲。きっとライブに参戦したくなるはずだ。

「ちょっとMCの時間に入りたいんで…」とファンに着席を呼びかけようとした中丸さんが目を丸くして「皆すでに座ってるっ!?」と驚きつつ始まったMC。今回のツアーは公演数が多いことから、「感覚的にはどうですか?」とメンバーに尋ねる上田さん。亀梨さんは「ちゃんと体にはキテるけど…」、中丸さんは「いつも以上にケアしました」とメンテナンスをしながらコンサートに挑んでいるという。

「毎公演、毎公演できているのは、本当に皆の存在のおかげですよ」としみじみする亀梨さん。すると上田さんが「俺は男子校で体育祭をやったからわかるの。男の声じゃ、やる気が出ない!!」と女性の声のパワーは絶大だとキッパリ。亀梨さんが男性の歓声や男性のファンが自分のファッションを真似してくれていることが嬉しいと話すとそこから男性限定ライブだったら演出やパフォーマンス、セットリストも変わるのでは…という話に。「マインドが変わるかもってことですよね。確かに男性の前でこう(舌なめずりするしぐさ)しない」と笑う中丸さん。結局、女性ファンが大半なので男性限定ライブはやらないが、「性別関係なく、こうやって集まれるのが幸せってことですよ」と亀梨さんがまとめる。


230506kk_017

そして、ニューアルバムがランキング1位を獲得した話から、中丸さんは「支えてもらってますよ。僕らもデビューして17年経ちました。18年目に入りました。まぁ、いろいろあったグループかもしれません。楽しくね、こうやってやれているってことは…ありがたいな、と」と感謝の想いを話すと、上田さんは中丸さんを見て、「そのウロウロして話すのは何なの?」、亀梨さんは「(綾小路)きみまろさんスタイルじゃない?」と突っ込み。「マジできみまろさん、リスペクトしてるから! 10年後、20年後、ああいう風に(お客さんいじりを)やりたい」と中丸さんが実演する一コマも。絶妙なテンポ感で楽しい掛け合いトークを繰り広げる3人に会場は笑顔に包まれっぱなしだ。

ラストはバラード曲「夢で逢いたい」をしっとり歌い上げる3人。高さ14mから吊られた円形ゴンドラに乗ってアリーナ上空を移動する姿は、まるで夢か幻か――。そして、最後の挨拶では、上田さんがトップバッターで口を開いた。「皆さん、今日は本当にありがとうございました。3年ぶりに声が出せるということで、皆さんの声をたくさん聞けて、とても幸せに思っております。横浜もね、もう終わりで残りは静岡だけとなりますがこの場でもらったパワーを引き継いで静岡に持っていきたいと思いますので、皆さんも引き続き笑顔でいてくれたらと思います」。

続いて中丸さんが会場をみつめながら、「皆さん今日はありがとうございました。いや、めちゃくちゃ声が出ていましたね。ホントにハッスルしていたし、ホントにKAT-TUNのファンって元気だなと思いましたね。皆さんのおかげで17年経ちまして、これからも頑張りたいなと思いましたけど、どうやら皆さんも頑張っている感じがしましたね(笑)。僕らは負けませんから。また来年に向けて頑張りましょう。…また会いましょう!」。

最後は亀梨さん。「本当にありがとうございました。…興奮したわ(笑)。ホントにこうやって声を出してね、騒げる時間っていうのは、自分にとって幸せなことですし。限りある時間の中でこの景色を共有できていることをしっかりと忘れないでいたいと思います。皆さんもしっかり大切に胸にしまって、これからも共に素敵な景色を見て歩んでいけたら嬉しいです。幸せでした、ありがとう」。

アンコールが終わっても、いつまでもいつまでも鳴りやまないKAT-TUNコール。彼らへの長年の愛情が伝わってくるハイフンの声援は、最高にパワフル。ラストソングで歌った「夢で逢いたい」で描かれるのは、等身大のKAT-TUNの姿。あの日の未来が今日ならば、僕はどう映るだろう…と問いかける。すべてを受け入れて、今輝きを放つKAT-TUNの3人が歌うのは、まだまだ君が描く想像を超えたいという願い――。どんな時も寄り添ってきたファンと夢を見るなら、果てしない希望も一緒に叶えられるはずだ。

Information

https://www.johnnys-net.jp/page?id=artistTop&artist=14