プライドがズタボロ…自惚れ屋が赤っ恥をかいた瞬間3選

文・並木まき — 2022.5.16
普段から周囲に自分の能力を自慢していた人が、同僚や上司の前でとんでもない赤っ恥をかくこともあるようです。今回は、複雑怪奇な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな人にまつわるエピソードに迫ります。

1:謝ることができなくて…

「30代前半で中途入社してきた女性は、簡単な社会常識や商取引の通例なども分かっていなかったため、いまいち経験値が浅いのでは? と感じていたんです。それにも関わらず、やたらと自信満々、かつ私たち先輩にも上から目線の発言が多く、なんだかな〜と思っていました。

あるとき、温厚な先輩が珍しく激しく苛立っていたんです。事情を聞いてみると、その中途入社の女性を連れて大口の取引先に挨拶に行ったところ、どうやらその女性が何度も知ったかぶりをした挙句嘘を言っていたようで、なのに一切謝らなかったため、取引先が激怒してしまったとのこと。しかも、その件は、今後の取引にも影響が出かねないほど、大ごとになってしまったんです。

うちは社員数が20名ほどの小さな会社なこともあり、これはさすがにマズイと経営層も思ったらしく、退職を促されてしまい、わずか1か月半で我が社を去っていきました……」(35歳女性/貿易)

知ったかぶりによって、赤っ恥どころか、取り返しのつかない大失敗につながった事例ですね。また、相手に失礼なことをしてしまったにも関わらず、一切謝らなかったことも事を大きくしてしまった原因でしょう。

2:留学経験を自慢していたはずが…

「学生時代に英語圏に留学をしていたと、いつも自慢げに話してくる同僚がいました。だけど、彼女の英語力には前々から私は疑問をもっていたんです。

ある日、うちの職場に外国人のアルバイトが入ってきて、その人はまだ日本語があまり話せないことから、その同僚が世話係として面倒をみることに。

ところが、しばらくするとその外国人の人から上司に『あの人は英語ができなくて、何を言っているのかわからない。簡単なコミュニケーションもとれないので、これでは仕事を覚えられない』とクレームが入ったんです……! 私は『やっぱりね〜』と思いましたけど、上司からその旨を告げられたときの同僚の真っ青な顔が今でも忘れられません(笑)」(34歳女性/製造)

文法は得意でも、会話になると苦手という人もいますよね。しかし、この女性の場合は日頃から自慢していただけに、本当の英語スキルが露呈してしまったことで、さぞかし恥ずかしい思いをしたことでしょう……。

3:間違えて覚えていた言い回し

「日本語には自信があると豪語していた先輩は、いつもちょっとした敬語の間違いにも厳しく、間違った敬語を使う後輩にはチクチクとイヤミを言うんです。そのため、社内の大半の後輩に嫌われていました。

あるとき、その先輩が取引先の人と慣用句を使って話していたのですが、先輩が『枯れ木も山の賑わいですから』と言ったところ、取引先の人が急に怪訝な表情になってしまい……。

私も後から気になって意味を調べたら、これは“枯れ木のようなものでもあるだけマシ”って意味だそうですね。先輩は、“賑やか”って意味で使ったみたいですけど、誤用によって取引先がムッとした顔になっていたのが印象的でした。

後から、同行していた上司に先輩がそのミスを指摘されていて、そのときの慌てた顔が忘れられません(苦笑)」(32歳女性/不動産)

他人のミスに厳しい人ほど、自分がミスをしたときに周りからかばってもらいにくいことも。得意だと自負している分野での間違いが発覚すれば、本人としても穴があったら入りたい気分だったでしょう。

誰しも仕事上で、ちょっとした赤っ恥をかくこともあるはず。ただ、普段から自慢屋だったり上から目線だった人が赤っ恥をかくとなると、内心ではスカッとしてしまう人も少なからずいるのかもしれませんね……。

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※ 2021年4月25日作成