憧れの生活のはずがトラブル続き… 26歳女性が驚愕した「一人暮らし物件の落とし穴」【後編】

文・塚田牧夫 — 2022.4.8
茉奈さん(仮名・26歳)は、入社4年目の春に会社の転勤により東京へ引っ越し、憧れの一人暮らしを始めました。物件探しで家賃が相場よりも安く、その他の条件が理想的な賃貸マンションを見つけたものの、住んでみると思いがけないトラブルに次々と見舞われてしまったそうです。そういった背景もあり、最終的にマンションを引っ越すことにしたものの、退去時には予想外の条件を提示されることに…。いったいどんな展開が待ち受けていたのか、現在までの状況を詳しく彼女にうかがいました。

前の住人を訪ねてきた人たち

「住み始めてすぐにマンションの外壁工事が始まって日当たりが一気に悪くなったり、浴槽にある排水口から水が逆流したりするなど、思いがけないトラブルに次々と見舞われていたある日。

玄関のインターホンが鳴ったので、モニターを覗くと、二人の知らない女性が立っていました。モニター越しに話をしたところ、どうやら前の住人を訪ねてきたようなんですね。そこで、追い返すのも悪いと思い、一応玄関のドアを開けました。

少し話をしてみてわかったのですが、その人たちはどうやら宗教の勧誘をしているようでした。前の住人を訪ねて度々この部屋に来ていたものの、前に住んでいた人は知らぬ間に引っ越してしまったそう。

とりあえず、そういったことに興味がなかった私は、“前の住人のことは知らない”と伝え、帰ってもらいました。しかし、その後もその人たちは度々私の部屋を訪れ、宗教の勧誘をしてくるようになったんです…」

しばらく続いたトラブル

「トラブルはそれだけではありませんでした。なぜか頼んでいないのに、ピザのデリバリーが届いたこともありましたね。

また、届いた荷物を玄関の前に置いてもらう“置き配”を頼んでいたんですが、配達完了の報告が入っていたのに、会社から帰ってきてみると品物がなくなっていたこともあったんです。

その頃の私は、とにかくトラブルの多いそのマンションにウンザリしていました」

トラブル続きのなか訪れた転機

「そんなとき、私に彼氏ができたんです。その彼との出会いは偶然でした。私には同じ地元から東京に出てきている友だちがいて、ある日久しぶりに会って食事をしていたんですね。

すると、店内でその友だちに男性が声をかけてきたんです。その男性は、米原くん(仮名)と言いました。大学時代の友人らしく、彼も友だちと来ていたんです。そこで合流して、四人で一緒に食事をしました。

その場で米原くんと私はとても話が盛り上がり、その後も連絡をよくとるようになったんです。そして、お互いに惹かれ合った結果、トントン拍子で付き合うことに。

そんなあるとき、トラブル続きの家のことを彼にいろいろと相談したんです。そうしたら、彼に“そんな部屋は早く解約したほうがいい”と言われ、彼の家で同棲することになりました。それが一人暮らしを始めて半年ほど経った頃の話です」

退去時に提示されたまさかの条件

「彼と同棲することが決まった私は、不動産屋に連絡をして解約手続きを進めようとしました。すると、思いがけない言葉が返ってきたんです…。

不動産屋からは、“今すぐ退去してもいいですが、2年契約のため、途中解約の場合は残っている契約期間分の家賃をいただきます”と言われました。慌てて契約書を見直してみると、“契約は2年間。途中解約する場合は、違約金として残っている契約期間分の賃料を支払うこと”と確かに書かれていたのです。

そのことを米原くんに伝えると、“退去するためのお金が用意できるまではその物件を契約しておきつつも、そこに住み続けるのはイヤだろうから俺の部屋にいればいい”“お金の件は一緒に工面しよう”と言ってくれました。

その後、彼と結婚を前提としたお付き合いをすることにした私は、彼を両親に紹介。そして、その場で彼と同棲をしたいことと、家のことを相談したところ、親が違約金の支払いで足りない分は出してくれることになりました。

この一件を通じて、“安い物件には安いなりの理由がある”と、身をもって知りましたね。とはいえ、今のところ彼の家で快適に暮らせているので、この教訓を活かすことは当分なさそうです」


上京したての茉奈さんに起きた「まさかのトラブル」とは… 前編に続きます



“憧れの一人暮らしで多くのトラブルに遭遇した女性の告白”をご紹介しました。

たくさんのトラブルに見舞われたものの、なんとか安住の地を見つけられたようです。困難を乗り越えてきたからこそ、安心して住める場所があることのありがたさを強く実感していることでしょう。

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