為替ってそもそも何なの…?「初めてでも分かる」為替のキホン
■為替とは「現金を直接使わずに」支払うこと
“為替”と聞くと、まず“1ドル=○○円”といったレートのことをイメージする方も多いかもしれません。しかし、為替の本来の意味は“現金を直接使わずに支払いすること”なんです。
つまり、直接現金を支払わず、信用でモノやサービスを受け取る仕組みを指します。手形というとイメージしやすいかもしれません。
日本では、江戸時代にこの為替が発達し、優れた制度を築いていました。為替があることによって、現金が輸送中に盗まれる危険がなくなったのです。
■クレジットカードも為替のひとつ
皆さんが日常生活の中で、最も使用している為替はなんでしょう?私は為替なんて使ってないよ……と思う人もいるかもしれませんが、実は“クレジットカード”も為替のひとつなんです。
そもそも“クレジット”とは“信用”という意味。あなたがお金を支払わなくてもカードで買い物ができる、いわゆる信用払いの一種になります。
クレジットカード決済は、あなたの代わりに店に支払いを行ったカード会社が、あなたに対して支払い請求を行うという形になります。この決済も、現金を介さずに支払いをする為替の一種“内国(ないこく)為替”なのです。
■通貨の価値も為替で決まる
では次に、少し視野を広げて国外へと目を向けてみましょう。例えば、アメリカのドルと日本の円で考えてみましょう。
通貨にはそれぞれ価値があります。そしてその価値は社会や経済の動きによって常に変動しています。1ドルを120円で交換できる時もあれば、100円で交換できる時もあるわけです。
このように、お互いの国の通貨の貸し借りを手形を通じて行うことを“外国為替(外為=がいため)”と言います。
■欲しい人(需要)と売りたい人(供給)によって価値が決まる
それでは、なぜ通貨の価格は、ニュースでよく目にするように上下しているのでしょうか。それは、簡単に言うと、“売りたい人と買いたい人の人数の差”があるからです。やや難しい言葉で“需要と供給”ということもできます。
例えば、ある商品を欲しがる人がたくさんいれば、自然とその商品の価格は上がります。逆に、商品が欲しい人よりもたくさんあれば、その商品の価格は下がってしまいます。
各国の通貨は常に売り買いされているため、ある通貨に人気が集まって通貨の価格が上がることもあれば、人気が落ちて価格が下がることもあるのです。その状態を端的に表しているのが、“1ドル=○○円”と表示される為替レートなんですね。
以上、簡単に書かせて頂きましたが、為替には内国為替と外国為替があり、あなたが普段使っているのは内国為替であり、ニュースなどで目にしていることが多いのは外国為替であるということがご理解いただけたかと思います。
外国為替は金利や世界情勢、社会の動向の影響を大きく受けるもので、日々の生活にも密接に関わってくるものです。為替について関心を持てば、新聞やテレビのニュースをより能動的に見られるだけでなく、ガソリンや輸入食品の価格なども把握でき、家計に役立たせることもできます。
意外と身近な生活に関わってくる為替。次回は外国為替に絞って、もう少し話をしてみたいと思います。
-山田良政-
株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。
・株式会社オフィサム http://offi36.net/
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