第5回富士山マラソン 初フルマラソン出場記。

文・兼松玲奈(anan総研no.279) — 2016.12.21
2016年11月27日に行われた「第5回富士山マラソン」に、anan総研マラソン部が挑戦。今回は兼松玲奈さん(anan総研no.279)が、初めてのフルマラソンに参加しました。そこで兼松さんが実感した初マラソンの感想と、反省ポイントを紹介します。これからマラソンに挑戦する皆さん、貴重な意見がたくさんありますよ!

【マラソン部ニュース】vol.40

フルマラソンに初挑戦します!

anan総研マラソン部兼松玲奈です(no.279)。緊張しつつもなんとかなると信じていたスタート前。
anan総研マラソン部、兼松玲奈です(写真左)。緊張しつつもなんとかなると信じていたスタート前。

2016年11月25日に開催された第5回富士山マラソンに、anan総研から3名が参加しました。私、兼松はフルマラソン、部長の遠藤朋美さん(anan総研no.65)と斉井夕絵さん(anan総研no.34)は10㎞のチャリティファンランです。

anan総研マラソン部で練習を重ねていたものの、フルマラソンは未体験。今回の富士山マラソンで初めて挑戦してみようと決心したのは大会の約2か月前です。そこからコーチや部員のみんなと準備し、とうとう当日を迎えました。
すべてが初めてで、右も左もわからない私でしたが、なんとかなると信じて疑いませんでした。無事完走できましたが、「こうしていればもっと快適だったのに・・・」と後悔することがいくつかありました。そこで、これからフルマラソンに初めてチャレンジする方へ参考にしてほしい、私の失敗談をお知らせします。

いよいよ富士山マラソンスタート!
いよいよ富士山マラソンスタート!

これが必要だった! フルマラソンに必要な10の装備

終わってみて必要だったとわかったのは、この10個。


1.履きなれたシューズ
2.走っていても邪魔にならないポーチ
3.潤沢な量のエネルギージェル
4.アミノ酸
5.ランニングウォッチ
6.サングラス
7.着脱しやすいウィンドブレーカー
8.手袋
9.練習
10.何がなんでも完走するという気持ち

では、ひとつづつひも解いていきます。わたしの感想とともに、富士山マラソンの応援に来てくださったanan総研マラソン部のコーチ小野塚稔さんにコメントをいただきました。

1.履きなれたシューズ

足になじんだミズノのシューズです。
足になじんだミズノのシューズです。

42.195kmも走るには、履きなれたシューズでも足が痛くなります。私は大会の1か月前にシューズを新調し、買った当日に30kmの長距離練習をしましたが、靴がなじまず足の裏を痛めてしまいました。新しいシューズにする場合は、期間に余裕を持ち、5~10km程度から数回履き慣らして、徐々に快適なシューズ(履きなれたシューズ)にする必要があったと感じました。(足の裏を痛めた期間は練習をほとんどお休みしておりました・・)
大会時には足も良くなり、痛みもあまり出ませんでした!

小野塚コーチ「自分の体を支え、唯一地面と接触するのが足であり、シューズです。微妙なズレでも、42.195㎞と長丁場になると、大きなダメージになります。履きなれたシューズはもちろんですが、紐の絞め方や、自分にあったソックス選びも大切です」

2.走っていても邪魔にならないポーチ

私は軽装で走りたかったので、ポケットに物を入れることを選択しました。しかし、ポケットの物が走るたびに揺れるし、暑くて脱ぎたくなっても物が入っているため腰に巻いても邪魔になりそうで脱げませんでした。ポーチをつけていれば・・・と汗だくになりながら考えていました。

小野塚コーチ「ポーチもフィット感が重要です。購入の際もただ試着するのではなく、実際にレースで携帯するようなエネルギージェルやスマホなどを入れて試着して、フィット感や容量を確かめると良いですね」

ポケットにあれもこれも入ってました。
ポケットにあれもこれも入ってました。

3.潤沢な量のエネルギージェル

フルマラソンを走るにはかなりのエネルギーが必要になります。レースには給水や給食がありますが、私は走っている時にバナナやチョコレートなどを摂取することができません。胃に負担がかかって吐き気が出てしまうのです。それなのに、自分で用意したのはなんと、2点。しかも1個はエネルギージェルではないものでした。

この量を見た、マラソン部部長のドディこと遠藤さんと、斉井さんの表情を今でも忘れることができません(笑)
実は3人で前泊していたので、いろいろ打ち合わせをしていました。たまたま遠藤部長がアミノバイタルを2個持っており、お恵みいただくことに。実際、レース中はそれでも足らずに、応援に来てくださっていた小野塚コーチからジェルを2個、サプリを3個もらいました。今回の結果から少なくとも合計5個はエネルギージェルが必要だったのにと、準備と計画不足を痛感しました。

小野塚コーチ「エイドの補給食もあるので、一概には言えませんが、3個くらいはあると良いと思います。また、様々な味のエネルギージェルがあるので、自分の好みの味を選ぶ事も重要です。走っているときは、喉の渇き具合や体調によっても普段の味覚と違ったり、体が欲する味が変わってきます」

左が斉井さん、右が遠藤部長。
左が斉井さん、右が遠藤部長。

4.アミノ酸

走り続けると筋肉に疲労がたまって、足が動かなくなってきます。足が動かなくなる前にBCAA(必須アミノ酸)の摂取をすることでダメージが回復できます。レースの後半は、一歩出すのもやっと・・・という痛みやつらさと戦っていたのですが、アミノ酸を飲むと「もう少し頑張ろう!」と、気持ち的にも楽になりました。

小野塚コーチ「アミノ酸サプリもいろいろあり、カルニチンのような脂肪のエネルギー変換効率を高めてくれるようなものや、BCAA(分岐鎖アミノ酸)などリカバリーを目的にしたものなど用途は様々なので、自分の目的に応じて使い分けが大切です」

5.ランニングウォッチ

走っていると周りのスピードに流されてしまったりして、自分のペースで走るのが難い時もあります。スマートフォンのランニング用のアプリもありますが、充電がもたないし、何よりいちいち携帯を取り出す余裕はなく、ランニングウォッチの必要性を感じました。
色々な高機能製品が出ていますが、初めは、1kmあたり何分で走れているかがわかればいいと思います。(私は用意しておらず、またしても遠藤部長にお借りしました・・・)

小野塚コーチ「レースになるとアドレナリンの影響で気持ちも高揚しており、また、まわりのペースに惑わされ序盤からハイペースになることがあります。きちんとペースメイクするためにも腕時計は必須です」

6.サングラス

大会は幸運なことに晴れ間が広がりました。天気がいいことはいいのですが、疲労や日焼けなど、目から受ける紫外線のダメージが大きかったことを、ゴール後に感じました。
本番で突然サングラスをかけると、明暗差に慣れないので、こちらも練習時から使用して少しでも体へのダメージを軽減したいと思いました。

小野塚コーチ「サングラスは日差しや風よけにもなりますが、まわりとの視線を遮断することで、自分の世界に入りレースに集中できるなどのメリットもあります。レンズのカラーも目的に応じて使い分けが大切です」

余裕の笑顔!?
余裕の笑顔!?

7.着脱しやすいウィンドブレーカー

スタート前は寒いですが、走っていると暑くなり、汗だくに。また、日が当たらない木陰や雪の残る道路は気温が上がらず、青木ケ原樹海の風穴は凍えるほどの寒さでした。寒さ、暑さは意外とストレスに感じてしまうので、温度調整ができると快適ランができます。
私は別の理由で(ポケットに物を入れていた)着脱が難しかったのですが・・・。

小野塚コーチ「風よけなのか、雨よけなのか、目的に応じた素材選びも重要ですね」

富士山、すごいでしょ!
富士山、すごいでしょ!

8.手袋

全身で風を切って走るから、手は無防備で冷えきってしまいがち。手袋があると快適です。しまうにしても小さいしかさばらないので、体が温まったらポーチやポケットに入れてしまえば邪魔にならず便利です。

小野塚コーチ「これからの季節は必須です。手の甲が冷えると体温も下がり、冷えから腕が振れなくなりパフォーマンスの低下に繋がります」

さすが部長は手袋も準備!
さすが部長は手袋も準備!

9.練習

そしてそもそもの・・・練習。走っている最中に何度となく、なんでもっと走らなかったんだ・・・と思うほどつらかったです。完走するには一定量の練習が必要で、練習を重ねると体力も経験も自信もつきます。

小野塚コーチ「目標タイムやレベルにもよりますが、まずは週2回走る習慣をつけましょう。仕事が忙しかったりもするので、平日は30分でも走る事を習慣付けましょう。週末は1時間くらい走れるとよいと思います。
あとはレース(フルマラソン)の1ヶ月くらい前に30㎞走をしましょう。この30㎞走で、上記のシューズやポーチ、エネルギージェルやアミノ酸などを実際に使用して、最終チェックを行うとよいですね」

練習不足・・・かな?
           練習不足・・・かな?

10.何がなんでも完走するという気持ち

最後の10kmは体が限界を迎えて、歩くのもつらかったのですが、ここで棄権をしたら今までの努力がムダになってしまう・・・そしてこんなにも応援してくれている人がいるのに、がっかりさせたくない!
と思い気力で走り続けました。

小野塚コーチ「これが一番大切です。何があっても諦めない強い心を持ちましょう。どんなにきつくても、諦めずに前に進めば必ずゴールは近づいてきます。もちろん、関門はありますが、関門で打ち切られるまでは、諦めずにゆっくり歩いてでも前に進み続ける強い意思を持ちましょう」

ゴール近くで、先に10㎞を完走した遠藤さんと斉井さんが並走してくれました!
ゴール近くで、先に10㎞を完走した遠藤さんと斉井さんが並走してくれました!

そしてとうとうゴール! 4時間57分52秒で完走しました!

ゴールに辿りついた時は、なんとか完走できたことに安堵し、崩れ落ちました。途中、体中が痛くて何度もくじけそうで、走るのをやめようと思ったけど「走り切ったら人生変わる!」と聞いていたとおり、フルマラソンは私に大きな達成感をもたらしました。

フィニッシュ!
フィニッシュ!
走り切りまいた!
走り切りました!ドディはがんばりに感激して号泣!

参加賞のTシャツと、いただいたメダルで記念撮影。

ちなみに前日は、3人で前泊。夕飯ではカーボローディングに努めたり、畳の上でウェアを撮影したりと、とても楽しい夜を過ごしました。そのため緊張せずに臨めたのかもしれません。

斉井さん
斉井さんと。
畳の上ですが!ウェア撮影。

今回のウェアはMIZUNOの+me。ボトムのフレアキュロットはポケットが多くて、ジェルを入れることができ、とても便利でした。フレアでかわいく、長さがあるので心配せずに走れるデザインがよかったです。

初めてのフルマラソンを必死で走る私の姿を見て、ドディ(遠藤さん)の目には涙が。走る人も応援する人も、深く心を動かされるのがマラソンなのかもしれません。富士山マラソンを完走できたことは、大きな自信になりました。初回の反省を忘れず、次の大会に挑みます!

Information

第5回 富士山マラソン
http://fujisan-marathon.com/

MIZUNO +me(プラスミー)
http://www.mizuno.jp/plusme/