空港でスーツケースの中身が盗まれた!? 実録!トラブルトラベラーMasamiの事件簿 Vol.5
預けたスーツケースの中身が空港で盗難 !
【実録! トラブルトラベラーMasamiの事件簿】vol. 5
私は小学校3年生の夏休みに母と姉と一緒に1か月間のヨーロッパ旅行をしたことがあるのですが、それが人生最初の海外旅行であり、トラブルトラベラーMasami誕生の瞬間でもありました。
ということで、トラブル満載だった母娘3人の珍道中については今後順番にご紹介していきますが、まずはスーツケースにまつわる事件について。この冬休みには旅行する人も多いと思うので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。では、さっそく本題に入りますが……。
長旅を終えて、家に無事到着したときのこと!
荷物を開けてみると、どこからともなく漂う違和感。なぜか母のハンドバッグの金具が壊れていたり、ひと夏日本に置き去りにした父へのお土産などなど、あれもこれもない! はい、そうです! 荷物を荒らされたうえに、所持品を盗まれてしまったのです!
と、ここで一旦みなさんにお聞きします。
空港で預けたあとに自分の荷物がどういう状態で、どれだけの時間、どこに保管されているか知っていますか? おそらく答えられる人はほとんどいないでしょう。つまり、チェックインカウンターで手を離れてから目的地で受け取るまで、私たちには知る由もありません。
だからこそ、航空会社や空港職員を信頼して預けるしかないのですが、実は預け荷物の盗難被害については、以前から世界各国で問題になっていることのひとつ。
たとえばCNNの調査によると、アメリカの空港で預けた荷物の貴重品紛失に関する苦情は2010~14年までで3万件以上、被害総額は3億円を超えるといわれています。アメリカだけでもこの数字なので、全世界で考えるともう他人事ではないというのがわかりますよね?
私たちが旅行したのは25年以上も前なので、いまに比べると航空事情もよくなく、海外の目的地にたどり着くまでにはかなり時間がかかりました。私たちはイタリアを拠点に旅行していたので、ローマから飛行機に乗りましたが、途中の乗り換えではグッタリするほど長い待ち時間があったのを覚えています。
なので、この乗り換えの最中に預けっぱなしだった荷物が狙われたのか、それともそもそも飛行機に乗る前に盗まれたのかは、いまとなっては謎ですが、言えることは「危険というのはあちこちに潜んでいる」ということです。通常、海外旅行中は空港に行くまでに荷物を置き引きやひったくりに遭わないだろうかと心配して、カウンターに預けたらひと安心と思いがち。
しかーし! 旅行はお家に帰るまでが旅行!
なので、そこで気を抜いてしまってはいけません。それどころか、荷造りの段階からさまざま点に気をつけてもらいたいのです。
では、「どうすればいいの?」と思ったあなた!
まずは前回の連載でもお伝えしたように、ロストバゲージの対策と同じで貴重品と必需品は手荷物に入れるというのが大前提。盗難されたものは、転売目的が多いといわれていて、時計や宝飾品、電化製品などが狙われやすいので、そういったものを入れて預けるのはやめましょう! そうすれば、万が一スーツケースを開けられたとしても、被害を最小限に食い止めることができるはずです。
荷造りをしたあとに気をつけることとは?
上記のことに注意して荷造りを終えたあと、今度はそのスーツケースをどうするかを考えてみたいと思います。「多少の費用がかかってもいいから盗難を防ぎたい!」という方には、バゲージラッピングサービスがオススメ。空港で一度は目にしたことがあると思いますが、ろくろのようなマシーンで巨大なラップをぐるぐる巻きにするものです!
しかも、これには盗難以外にももうひとつ利点があり、スーツケースの破損やキズを防ぐこともできます。というのも、私も経験がありますが、新しいピカピカのスーツケースを預けたのに、目的地で受け取ったときには傷だらけで薄汚れていたことがあったので、そのときは「ラッピングをしていたらこんなことになかったのかな」と少し後悔しました(泣)。
とはいえ、空港によってはサービスがない場合もあるので、ラッピングをしない前提の対処法についてもご紹介したいと思いますが……。
その前に一度、犯人側の心理を考えてみましょう!
つまり自分が犯人だったら、どんなスーツケースを狙うかということを考えてみれば、対処の仕方も見えてくるというものです。もしもあなたが犯人なら、こんなことに着目するのではないでしょうか?
その1:カギがついてない、もしくは開けやすそうなものを探す
その2:日本人のスーツケースを見つけたら狙う
その3:高価なスーツケースはターゲット
そこから導き出す解決方法とは?
実は私たちが被害に遭ったとき、預けた荷物のなかにはカギのついてないバッグもありました。これでは、「盗んでくれ」と言っているようなものですよね。平和な日本に暮らしているせいか、日本人は防犯の意識がどうしても低くなりがち。なので、カギはしっかりとしたものかどうか、そして預ける前にちゃんと閉まっているかどうかの最終チェックをお忘れなく!
「日本人=最新の電化製品を持っていてお金持ち」というイメージが根強くあるので、残念ながらどうしても狙われやすくなります。なので、まずは日本人であることが極力バレないようにする方法を考える必要があるといえそうです。
たとえば、ネームタグをつけている人のなかには、名前や住所を書いている人もいますが、英語で「JAPAN」と書いたり、日本語を使ったりするのもなるべく避けた方がよいでしょう。名前をローマ字で書くだけなら、それで日本人であることをすぐに判断できる外国人は少ないと思うので大丈夫だと思いますが、最近では読めなくてもそれが日本語であることはだいたい予測できてしまうからです。
なぜなら、海外で日本語は大人気だから!
私が留学しているときに海外の友達からよく言われたことのひとつは、「自分の名前を日本語で書いて欲しい!」ということ。とにかくみんな喜んでくれるので、それだけ関心があることは感じていました。外国人のタトゥーでも日本語を見かけることよくありますよね。
そのほかにも、たとえばイギリス発の大人気のブランドに「Superdry極度乾燥(しなさい)」というのがあり、謎の日本語がプリントされている洋服を着ている人が大勢いるので、毎日のように街で目にしては驚いたくらいです。
そして、何よりも日本食の影響も大! みなさんご存知のように、日本食は世界的にも大ブームなので、日本食レストランも多数あり、店名やメニューに日本語表記が溢れていました。そんなこんなで、徐々に日本語への認識力が世界でも高まっており、読めなくても日本語であることわかる可能性が高くなっているといえるのです。
ちなみに、私はスーツケースの取り間違えを防ぐ意味と「カギが多ければ多いほど犯人にとっては面倒くさくて諦めるだろう」という推測で、カギ付きのベルトを巻くようにしています。しかし、「ベルトを巻いているのは日本人だけ」という説もあり、それがかえって「日本人であることの証になって狙われやすい」と話す人もいるので、賛否両論あるのも事実。なので、これに関してはそれぞれの判断で決めてもらえたらと思います。
そして最後になりますが、やっぱりスーツケースが高級ブランドだったりすると、「当然、なかにも高価なものが入っているはず!」と思われて狙われやすくなるので、そのあたりもぜひ気に留めておくようにしてください。
ということで、目立ちすぎず目立たなすぎずを目指す!
あまり派手にしすぎると犯人たちの目についてしまいますが、似たようなスーツケースが多いなかで何も印がないと今度は取り違いの原因にもなるので、最低限自分のだとすぐにわかるようにおくのがいいかなと思います。たとえるなら、まるで合コンに参加するときの極意のように、「目立ちすぎずにさりげなくアピール!」くらいが理想です。
旅で残すべきは、楽しい思い出だけ!
これらの対策は私個人の体験を踏まえたうえなので、あくまでも参考にしてもらいつつ、さまざまな防犯グッズもいまはあるので、自分に合うものを選びながら、被害とは無縁の旅行にしてもらいたいなと思っています。
ただし、もし被害に遭ってしまった場合には、加入している保険があれば、携行品盗難が補償に含まれているかどうかなど、すぐに確認するようにしてくださいね。
以上、「スーツケースが窃盗被害に!?-空港編-」でした。次回はロンドンの街中で私に襲いかかった “劇場型犯罪” の一部始終をお伝えします! 乞うご期待。