志村 昌美

【胸キュン必至!】恋するパワーをもらえる注目作『シング・ストリート 未来へのうた』

2016.7.11
人生において大切なことは、「何事も初心忘るべからず」の気持ち。でも、アラサー女子ともなると、恋愛では純粋に好きかどうかよりも、スペックを基準に相手を選んでいませんか? そこで、誰もが経験した青春の気持ちを思い出させてくれる甘酸っぱい感動作をご紹介します。それは……。

最高にロマンティックで胸がときめく話題作『シング・ストリート 未来へのうた』!

【映画、ときどき私】 vol. 42

1985年、アイルランドでは国中が大不況に陥っていた。そして、それはダブリンに暮らす14歳のコナーの生活にも大きな変化を与えることになる。父親の失業をきっかけに公立の荒れた学校に転校させられてしまったのだ。しかも、両親のけんかは絶えず、家庭も崩壊寸前。

それでも、ロンドンから届くミュージック・ビデオを音楽好きの兄と一緒に見ているときだけは幸せなひとときだった。

そんなある日、街で見かけた “女神” との出会いが運命を変える!

新しい学校で散々な日々を送っていたが、ラフィーナの美しさにひとめぼれしたコナーは、自称モデルの彼女の連絡先をゲットするため、「僕のバンドのPVに出ない?」と思わず口走ってしまう。

しかし、なんとバンドを組むのはこれから!

慌てて友達とバンドを組み、猛練習と曲作りに追われる日々が始まることに。無謀にも「ロンドンの音楽シーンを驚かせるようなPVを作る」と決意したコナー。はたして、はじめての恋とバンドの行方は……?

恋は人を成長させ、夢へ向かうエンジンとなる!

好きな人のためにひたすらまっすぐに走り出すコナーの姿に、やっぱり「恋する力ってすごい!」と改めて実感。現在、 “恋愛完全休業状態” の私にとっては、胸のキュンキュンを抑えられず、14歳の彼から学ぶことばかり。

「自分にもそういう気持ちを感じたこともあったな」と、思わず青春を振り返ってしまうはず。そして、大人になったいまだからこそ、もう一度自分にこう問いかけて欲しいのです。

かつて描いていた夢や抱いていた想いを忘れていませんか?

私の青春時代をひとつ挙げるとするならば、海外に留学していた彼と約9年にもわたった超遠距離恋愛。しかも、彼の住んでいた場所が、コナーとラフィーナが憧れて目指すロンドンというのも同じで、自分の夢と恋する気持ちに背中を押されて、海を越えようと決意したことも同じ。

そんなこともあり、ついつい自分と重ねてしまったわけですが、誰もが “恋するパワーの偉大さ” を感じた経験があるはず。そんな気持ちを忘れかけている人は、まずこの作品で思い出すことから始めてみては?

青春は10代だけのものじゃない!

青春と検索をかけると、「夢や希望に満ち活力のみなぎる若い時代」というのが一般的な定義。でも、そういう想いさえあれば、いくつになっても “自分にとっての青春時代” を楽しんでもいいと思うのです。「生涯青春!」くらいの気持ちがいつまでも輝けるための秘訣かもしれません。

そして、注目すべきはなんといっても音楽!

『ONCE ダブリンの街角で』をはじめ、音楽映画で人気のジョン・カーニー監督の最新作ということもあり、今回も期待を裏切らない名曲の数々を堪能できるのも、この作品の楽しみ方のひとつ。

前作『はじまりのうた』では、超人気バンド「マルーン5」のアダム・レヴィーンとキーラ・ナイトレイの歌声に号泣してしまいましたが、今回もアイルランド中を半年もかけて見つけ出したという新星フェルディア・ウォルシュ=ピーロにやられました。

演技は初挑戦ながら、幼い頃から歌のレッスンを受け、オペラにも出演したことがあるという彼の歌声はとにかく必聴! 子どもながらも、時折見せる大人っぽさにドキッとさせられること間違いなし。今後活躍が期待されるフェルディアくんは、青田買いで要チェックです!

自分らしい人生を作るために必要なものとは?

音符を一つ一つ選択して、曲調やテンポを決めたりする曲作りと同じように、人生も一つ一つの出来事や想いを紡いでいくもの。誰もが自分史上最高の “ベストソング” を作り上げるため、日々葛藤しながら前に進んでいるはず。あなたが歌う “未来へのうた” は、決まりましたか?

作品情報

『シング・ストリート 未来へのうた』
7月9日(土) ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイント 他全国順次公開
配給:ギャガ
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http://gaga.ne.jp/singstreet/