志村 昌美

【スーツケースが行方不明!?-空港編-】実録! トラブルトラベラーMasamiの事件簿 vol.4

2016.10.24
これまでに海外旅行のべ30回、海外留学3回の経験を持つライター・志村がお送りする「実録!トラブルトラベラーMasamiの事件簿」。さて、前回は「スーツケースごま油流出事件」をお届けしましたが、スーツケース騒動の第2章となる今回は……。

スーツケースが届かずパニック at 成田空港!

【実録! トラブルトラベラーMasamiの事件簿】vol. 4

大学2年生の春休みに、高校時代の友達とイタリアで女3人旅を楽しんだ帰り。もちろん、この旅の最中に起きたトラブルについても今後登場予定ですが(とりあえずそれは置いておいて……)、無事に日本に到着して、ひと安心していたときのこと。待てど暮らせどスーツケースが来ないではありませんか!

そんなとき、驚きの宣告が私たちを襲う!

なんと係員から告げられたのは、「荷物はまだイタリアです」の一言。「え?なんで?」と思ったのは言うまでもありません! 聞いてみると、私たちはベネチアから飛行機に乗り、ミラノで東京行きの便に乗り換えたのですが、どうもそのときに荷物が積み込まれていなかったとのこと。

とはいえ、「いやいや、ちゃんと確認しようよ!」と思ったのですが、次の言葉でさらに追い打ちをかけられることに……。

「ということで、スーツケースのカギを渡してください!」

今度は、「は?なんで?」となったのも言うまでもないのですが、空港の職員によると本人がスーツケースを所持している場合は問題ないけれど、別々に入国する場合には、係員がスーツケースの中身を開けて確認する義務があるのだとか。

当然、「プライバシーの侵害だー!」と全員が抗議することになるものの、いくら言っても規則のためどうすることもできず、渋々鍵を渡すことに……。とはいえ、荷造りの段階では他人に見られることなんて想定していないので、とりあえず閉まればいいという感覚で詰め込んだことを激しく後悔。特に「下着をむき出しにしてないよね?」、「変な物入れてなかったよね?」などと無性に気になり、なんだかそわそわ。

唯一のいいところは、手ぶらで家に帰れたこと!

長旅で疲れたあと、重たい荷物を持って空港から家まで帰るのがいつも大変だと思っていたのですが、自宅に直接配達されるということだったので、身軽で帰れたのがせめてもの救い。

しかーし! トラブルトラベラーの私がこれですんなりいくわけもなく、受け取ったスーツケースを見て、新たな怒りがっ!

カギを渡したのに、なぜかカギが壊されてスーツケースが戻ってきたのです!

ただでさえ、イヤイヤ渡したのに、「壊すんだったら、渡した意味ないだろー!」と思わず叫びそうになったほど(いや、実際に叫んでいたかもしれません)。開けたときなのか、配達中なのか、真相はいまだにわかりませんが、一番腹が立つのは、壊されたことよりも、壊した人が謝りもしないことです! 

と、ちょっと熱くなってしまいましたが、誰でもうっかり壊してしまうこともあるとは思うので、せめて説明くらいして欲しいですよね。

ここで、同様の旅行トラブルをひとつ思い出したので、一旦大きく脱線しますが……。

それは、高校時代に修学旅行先で絵付け体験をしたときのこと。私は湯呑を作ったのですが、すでにみなさんご存知のように絵の描けない私にとっては苦行のような時間。仕方なく、父親用として、湯呑の周りに「商売繁盛・健康第一・家内安全」、底には私の名前だけを描くというとても女子高生が作ったとは思えない湯呑を完成させたのです。

焼き上がりに時間がかかるということで、後日東京に戻ってから学校で作品を受け取ったのですが、何かが違う。「焼くとこんなにも文字の雰囲気が変わるものかなぁ」と自分を納得させようとするも、やっぱり違和感がぬぐえない。と思っていたそのとき、もうひとつ包みを渡され、開いてみると……。なんと、見覚えのある湯呑にそこに! しかも、大きなヒビがっ!

誰からも説明が一切ないままなので、あくまでも想像ですが、おそらく私の湯呑だけ割れてしまい、そこの工房の人が同じものを作って送ってきたのです。とはいえ、字は殴り書きだし、あちこちはみ出したりしてて、どうみてもやっつけ仕事感満載。

まあ、優しさで作ってくださったことは感謝ですし、実際うちの父は謎の湯呑みをしばらく愛用してましたが(笑)、正直なところどこの誰だかわからない人が渋々書いたような湯呑みよりも、「割れてしまってごめんなさい」という言葉と説明の方が欲しかったくらい。

もし、私が手塚治虫先生級に絵が上手い子だったらさぞテンパったでしょうし、それだったらきっと代替品は作らずに素直に謝っていたんだと思いますが、その人も「真似できそうな変なのが割れてよかった」と内心ホッとしたことでしょう。まあ、私がその立場だったら、そう思うようなクオリティーですからしょうがないですが……。

しかし、そんな私にもご褒美がっ!

グループごとに代表作を提出しなければならなかったのですが、ふざけ半分で2つの湯呑を対で出したら、なんかの賞みたいなものを先生たちからお情けで頂きました(笑)。なので、ある意味「終わりよければすべてよし」でしたが、誰でも故意でなくとも物を壊してしまうことがあると思うので、そのときは素直に謝るということを忘れずにいたいものですね。

と、スーツケース事件を忘れてしまいそうなほど本題から逸れてしまい、「これらのトラベルエピソードから今回は学ぶことなんてないだろー」と思ったみなさん! 今回の旅の教訓はここで終わりではありません! ちゃんとスーツケースが届かなかったときの対策も考えておりますので、ご心配なく。

では、「どうすればいいの?」と思ったあなた!

とはいえ、正直なところ対策といっても、荷物が届かないというトラブルは、残念ながらこちらでは回避することはできません。しかし、今回の私たちの場合でいうと、トランジットがひとつのポイントでした。

というのも、実は乗り換えの際に時間がたったの25分しかなかったのです。いまだったら怖くてとてもできませんが、当時はあまり旅行慣れしていなかったこともあり、かなり無茶なスケジュール。

実際、私たちが乗り継ぐだけでも空港内を全力疾走したくらいなので、荷物が間に合うわけないですよね。ということで、ギリギリでトランジットをすると荷物が置いてきぼりにされる確率が上がる要因にも繋がるので、飛行機を乗り換える場合はある程度の余裕を見ることをオススメします。

そもそも、乗り換え時間に余裕がないと、荷物だけでなく、自分たちも飛行機に乗り損ねる場合もあるので要注意です! 日本にいると交通機関が時間通りなのは当たり前と思いがちですが、海外でそれと同じを求めるのは難しく、遅延なども頻繁に起きるということを肝に銘じておくといいかもしれません。

そこで、荷造りのときに意識すべきことは?

帰国時であれば、届かなかったときのことを考えて、スーツケースの中は人に見られても平気なくらいのキレイさにしておくのがよさそうです。実際、私がスーツケースを受け取ったときには、少し中身を荒らされた感じもあり(ちょっと気持ち悪かったですが)、結構ちゃんとチェックしているんだなと思ったので。

ただ、一番困るのは、旅行先に着いたときに荷物がないというときですよね? 特に女子は化粧品や洋服など、困ることも多いかと思います。

そこで、心配な人にオススメしたいのは、すべてをスーツケースに入れてしまわないで、到着して1日ぐらいは困らないように、手持ちに最低限必要なものを分散して入れておくということです。もちろん、貴重品や旅の必需品は、基本的に手荷物の中に入れるようにしましょう!

ということで、「スーツケースは100%届く」と思うのはやめる!

私は、荷物を受け取るときに毎回ホッとするくらい、いつも不安なのですが、紛失という最悪の事態もありえますので、そのことを頭の片隅に入れておくのがよさそうです。

もし、ロストバゲージしてしまった場合は、状況にもよりますが、航空会社ごとに補償内容も違ってくるので、まずはそれをきちんと確認しましょう。さらに、個人的に加入している旅行保険もあれば、どこまで対応してもらえるのかや必要な書類があるのかどうかなど、合わせてチェックするのをお忘れなく。

荷造りする際にはむやみやたらに入れないこと!

大げさなようですが、旅行の荷造りにもリスクヘッジをしておけば、多少のことでは動じることはなく、旅行も楽しめるはずなので、最低限の対策を考えておくようにしてくださいね。

以上、「スーツケースが行方不明!?-空港編-」でした。次は、スーツケース狂騒曲の最終章です! 乞うご期待。