きちんとした人はヘルスコンシャス!人生を変える代謝アップ方法とは?
【アンアン総研リサーチ】特別編
代謝が悪くなる理由、日常生活の中で脂肪を減らすコツなどについて、医学博士・古井祐司先生に聞きました。
「以前に比べて、痩せにくくなったかも?」と思っている人は少なくないはず。anan総研アンケートでも、最近痩せにくくなったと感じている人は78%いた。
「基礎代謝量は加齢によって低下します。だから、若いときと同じように生活していたら、太りやすく痩せにくくなるのは当然です」
と、医学博士の古井祐司先生。生きるために最低限必要なエネルギーである基礎代謝は、一日のエネルギー消費量の約60%。つまり、基礎代謝アップこそが痩せやすい体への近道になる。
「生活の中で少し意識すれば基礎代謝は上がります。そうすれば、特別な運動をしなくても痩せやすくなります」
ページ下の「動く」「食べる」ときのコツをさっそく実践して!

● お話を伺った方 古井祐司先生
ふるい・ゆうじ 東京大学特任助教、医学博士。生活習慣病予防をサポートするヘルスケア・コミッティー会長も務める。著書は『早死にする仕事、長生きする仕事』(小社刊)など。
なぜ代謝が悪くなるの?
基礎代謝のピークは15歳前後。それ以降は、じわじわと低下する。「若い頃と同じ生活を送っていても、年齢を重ねるにつれ太りやすくなるのは、加齢で代謝が落ちるため。代謝が落ちる理由は、身体機能の衰えや、脂肪を燃やすために必要な筋肉量の低下です」と古井先生。運動も食事も意識しないままでは、代謝はこれからも年々落ちる一方で、ますます脂肪を蓄えることに!
呼吸などの基礎代謝量は、一日の消費エネルギーの約60%で、15歳前後をピークに年齢とともに低下。結果、体内には燃やしきれなかった脂肪がたまっていく。
基礎代謝量が下がっていくにつれ、増加するのが体脂肪。女性は年齢とともに徐々に増えていく傾向が。増加のスピードを緩めるには、代謝アップがマスト。
脂肪がたまるのはどうして?
体脂肪が蓄積するのは、食事で摂った栄養が体内でエネルギーとして使われずに余り、それをため込んでしまうため。「だからといって食べる量を減らそうとすると、タンパク質の摂取量も減ってしまうのでNG。脂肪を燃やすには筋肉が必要で、筋肉はタンパク質からつくられるものです。活動量を増やしながら、タンパク質にも留意した食事を摂ることを心がけましょう」
食事で摂取した脂肪は体内で燃やされ、エネルギーとなって消費される。燃やす力が強ければ強いほど、体に脂肪をため込みにくくなる。
1)食事で摂った脂肪は、小腸で消化・吸収され、血液と一緒に運ばれます。
2)脂肪は肝臓や筋肉で燃やされ、エネルギーになって消費されます。
3)燃やせなかった脂肪は体にたまります。

基礎代謝量が下がると脂肪はどんどん蓄積。

脂肪を燃やす力が弱いということは、基礎代謝量が低いということ。基礎代謝量を上げれば食べたものをため込まずに消費でき、太りにくい体になる。
脂肪をためずに減らすにはどうすればいいの?
体が本来持っている、脂肪を燃やす力を高めると、効率よく脂肪を消費できるようになる。
「基本は『食べる』と『動く』のコツをおさえることです」
「食べる」ときのコツ
● 食べる順番は「野菜から」。
● タンパク質をたっぷり摂る。
「食べる」ときのコツは、まず、朝食は必ず摂り、食事と食事の間を大幅にあけないこと。理由は、食間があきすぎると、体が飢餓状態になり、脂肪を燃やしにくい交感神経優位の状態になってしまうから。さらに体の筋肉が分解されるなど、脂肪燃焼にとって悪いことだらけ! 特に朝は、ヨーグルトとバナナなど、軽いものでもよいので、食べるよう心掛けよう。
さらに、食べ順は「野菜から」が正解。食物繊維が豊富で食べるのに時間がかかるため、満腹感を得やすく、ドカ食いを防げる。
タンパク質をたっぷり摂ることも大切。脂肪を燃やす筋肉は、タンパク質からつくられるもの。タンパク質の摂取量が減れば、脂肪燃焼力も弱まってしまうと心得て。

長時間、食事を摂らないと、体は飢餓状態になって危機感を覚え、脂肪をため込もうとしてしまう。脂肪を代謝しやすい、副交感神経優位の状態でいるためにも、規則正しく食べることが大切。
「動く」ときのコツ
● エレベーターでなく階段を使う。
● 1時間に一度は何かを飲む。
「動く」ときのコツは、日常生活で少しずつ活動量を増やすこと。
「歩幅をいつもより5㎝広げるよう心掛けるだけでも姿勢が良くなり、体の可動域が増えることでエネルギー消費量がアップします」
階段を使うようにするのも効果的。さらに、仕事中は1時間に1回、飲み物を飲んでリラックスするのがおすすめ。胃腸を動かすことで副交感神経が優位になり、代謝アップが期待できる。

代謝アップのポイントは、特に下半身の筋力を強化すること。歩幅をいつもより5㎝広げると、姿勢が良くなるうえ、地面を強くけることで筋肉に良い刺激となります。
anan総研アンケート「代謝を良くして健康になりたい!」
代謝や健康について、anan総研にアンケートを実施。どんなことが気になるのか、いろいろ聞いてみました!
健康を意識して生活していますか?

9割以上が普段から健康を意識して生活していると判明。美意識の高い人ほど、健康と美は同義ととらえているのかも。
最近、痩せにくくなったと感じますか?

78%の人が以前と比べて痩せにくさを実感しているという結果に。対策としては「脂っこいものを控えている」などの声が。
健康に不安を感じるのはどんなとき?
● No.1 疲れやすくなった
● No.2 肩こりや腰痛があるとき
● No.3 痩せにくくなった
● No.4 冷えて辛い
● No.5 風邪をひきやすくなった
1位の「疲れやすくなった」と答えたのは約7割。ほかにも、病気ではないけど、たまになんとなく調子が悪いと感じる人が多いよう。
代謝を良くするためにどんなことをしていますか?
● 食べ物・飲み物に気を付けて、なるべく水分を多めに摂っています。
● お風呂につかって体を温め、ストレッチします。
● 運動。最近はanan総研マラソン部でかなり走っています!
「体を温めるようにしている」と答えた人が7割以上。方法としては「バスタブに必ずつかる」「岩盤浴に通っている」など。次いで、食べ物や飲み物に気を付けていると答えた人が多かった。
【関連リンク】
▶ 「脂肪を燃焼するカラダになりたい座談会」
https://ananweb.jp/topics/research/27129/
イラスト・アベ ミズキ 文・古屋美枝
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