オリンピック種目に勝手に推薦! 信じられない動き続出の「パルクール」
建物の上から身を翻して宙返りし、地面に着地すると同時に柵を飛び越えて走り去っていく…。忍者? CG!? と目を疑う驚異的なパフォーマンスが次々と繰り出される競技、パルクール。発祥はフランスだけれど、世界に名を知られるパフォーマーが日本にいる。それがZENさんだ。小柄で筋肉質、そして端正な風貌。昨年のパルクール北米大会で弱冠22歳で優勝を果たしたスーパーアスリートは、静かな佇まいのイケメンさん。
「よくエクストリームなイメージを持たれるのですが、パルクールは、身近な環境を移動する中で体を鍛えるトレーニング。命がけの無謀な遊びではなく、武道にも通じる、心身の鍛錬法なんです」
体はもちろん、メンタルも?
「例えば実際に塀から塀に跳ぶ力があっても、怖いと思って足がすくむと、跳び移れなくなります。そこを、今まで積み重ねてきたトレーニングや得てきた知識によって、どう動けばいいのか冷静に判断し、成功させる。精神と肉体の誤差をなくすことが、パルクールが本来目指すものなんです」
そんな哲学的ともいえるこのスポーツにZENさんが出合ったのは、中学3年生のとき。海外で撮影されたビデオを見て、「あまりの格好よさに衝撃を受け、すぐにのめりこんだ」そう。けれど、「当時は帰宅部で、バック転どころか、でんぐり返しも微妙で」。
いろいろな映像を繰り返し見ては動きを学び、公園などで練習。半年後、高校1年生の夏休みを使って、最初に目にしたビデオの制作者に会いに、LAを訪れた。その後デンマークでも修業して帰国。パルクールの国際大会などで優勝し、活動の場を広げていく。
「日本人にはできない、と当初思われていたのが悔しくて。それを変えたい一心でした」
CMなどにも起用され、徐々に国内でも知られてきたけれど、「競技自体の知名度はまだまだ。
仮にオリンピックの正式種目になれば、一気に有名になるはず。それにはまず、自分が世界大会で優勝することが大事です」
常にパルクールのことを考えているというZENさん。多いときは10時間以上練習するとか。
「でも、仲間とワイワイ騒ぎながらなので、練習というより遊びに近い。小学生男子って、なぜか塀をよじ登ったり、縁石から落ちないように走ったりするでしょう? あの感覚の延長です(笑)」
その楽しさを多くの人に知ってほしいと、いつか子どもや女性、年配者も楽しめるようなパークを作るのが夢だそう。
「海外では普通にあるんですよ」
では最後にお約束のクエスチョン、好きな女性のタイプは?
「可愛げがあり、芯もある。そんな年上の女性に惹かれます」
お姉様方にはたまらないひと言に、さらにファンが増えそうなZENさん。パフォーマンス中の姿を、ぜひ動画サイトで!!