YU、待望の日本デビュー! アジアでの人気爆発に「大変なことになった!」

2021.11.2
昨年ミュージシャンとして、メジャーデビュー。今年1月にはドラマ初出演にして、初主演で俳優デビューも果たす。たちまち台湾のみならず、アジア圏で人気急上昇。実は日本人のYUさん。日本の雑誌に初登場!

たった2年でアジア圏で人気爆発! ついに待望の日本デビュー。

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見惚れるほどの透明感に、ミステリアスな空気感。YUさんは、全世界に熱いファンを持つ俳優でありミュージシャン。中華圏では、楊宇騰YU(ヤン・ユータン ユー)の名で知られ、台湾を拠点に活躍。昨年8月にミュージシャンデビューすると、ミニアルバムは大手通販サイトで1位を獲得した。

「嬉しい気持ちはもちろんありました。でも、自分の想像を超えたことが起こりすぎて、大変なことになったって感じで(笑)」

と、当時の心境を流暢な日本語で答える。というのも、日本と台湾をルーツに持つ彼は、生まれも育ちも日本。大学進学を機に台湾に移り、そこで芸能活動をスタート。この日も東京と台北を繋いでの取材で、最初に画面の中に現れた彼は、「僕、すごく人見知りなんです」とはにかむ。この素直なかわいさが、ファンから“天使”と呼ばれる理由のひとつ。

芸能の世界に興味を抱いたのは高校生の頃。あるアーティストのライブ映像がきっかけだった。

「客席には、泣いているお客さんが何人もいたんです。その光景を見て、“こんな世界があるんだ”と感動して。でも、研修生になった頃は、歌のスキルに自信がなく俳優志望で。だからこそ、デビューは不思議な感覚でしたね」

台湾への移住、現地デビュー、日本進出と転機が多いけれど、あえてひとつに絞ってもらうと「ドラマ」と答えた。それはアジアで配信された『We Best Love 永遠の1位/2位の反撃』のこと。ドラマ初出演にして初主演に抜擢された作品だ。

「多くの方に僕を知ってもらえたきっかけですし、間違いなく大きなターニングポイント。中国語での演技なので、プレッシャーもありました。でも、終わってみると、楽しかったなって思えたんです。これって仕事をするうえで一番大切なことなんじゃないかなって感じていて。だからこれからも、“楽しかった”と思えるように取り組んでいきたいです」

最新作のEPでは、中国語での作詞にも挑み、彼の内面にあるダークな部分を表現したという。

「2曲とも歌詞とメロディラインを悲惨なものにしたくて。特に『天使烏鴉/Fallen angel』は、直感的に今これを書くべきだと思った曲。今思うと自分にとって大切な時期に感じていた、挫折や絶望を色濃く描きました」

作詞に2か月かけたという今作。何度も行き詰まり、そんなときは、一人でふらりとごはんに出かけては、頭を空っぽにしていたそう。

「僕は性格的に、自分に対してあまりOKを出さないんです。当たり前だけど、自分が納得できるまで突き詰めたい。困難な壁があっても、きちんと逃げずに向き合うことが重要だと思っています」

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台湾で暮らして8年。最初は「中学生の英語レベルだった」という中国語も、コミュニケーションには困らないほどになった。

「中国語で話していると、“めっちゃタメ語やん”って思うことが時々あるんですよ(笑)。だから年上の方と話していても、年代の差は感じないですね。あと、いい意味で楽観的だとも思います」

そんな場所で癒される時間は、一人でごはんを食べているとき。多い日は、3軒をはしごするそう。

「食べることもですが、たくさん人がいる中に、自分だけがポツンといる雰囲気が好き。気が楽なのもありますが、自分の世界に入れてリラックスできますね」

今回の撮影場所には、昨年台北にオープンした音楽文化施設をピックアップ。建物を見て、「こんな素敵な場所でいつかライブをしてみたい」と目を輝かせた。

「これまで有観客ではコンサート会場とライブカフェでは歌ったことがあります。特にライブカフェでは、どこを見ても目が合って(笑)。そんな距離感も好きになりました。やっぱり聴いてくださる皆さんの顔が見えることは、すごく贅沢なことだと思えた瞬間です」

日本での活動については、プレッシャーよりも期待が勝る。

「日本でどんなことができるのか楽しみです。実は自分のことなのに、どこか客観的にアーティストYUという存在に期待している部分もあるんです。制限なく、何にでも挑戦してみたいですね」

ユー 1995年1月3日生まれ、愛知県出身。2020年8月、台湾デビュー。作詞に初挑戦した最新デジタルEP『邃宇Dark wings』が配信中。

※『anan』2021年11月3日号より。写真・Ivy Chen スタイリスト・Paul Tsao 取材、文・野村紀沙枝 臺北流行音樂中心(Taipei Music Center) https://tmc.taipei/

(by anan編集部)