三笘薫、旗手怜央、田中碧。今シーズンのJ1リーグでの川崎フロンターレ独走の立役者の3人。U‐24日本代表にも選ばれ、その活躍に注目が集まる。取材後、田中が海外移籍を発表。期せずして奇跡の3ショットとなった彼らがさまざまな思いを明かしたロングインタビューを公開。前後編の後編をお届けします。

憧れの選手はいるけど、大切なのは自分らしさ

「日本サッカーの歴史を築いた先輩たちのようにはなれない」。3人が口を揃えて発したのは、拍子抜けしてしまいそうな意外な言葉。でも、そこには共通の思いが込められていて…。それぞれの強みや転機、さまざまな思いから見えたのは“逞しい闘志”。3人が明かしてくれた胸の内をたっぷりとお伝えする、後編です。


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――憧れの選手を挙げるなら? また、彼らを乗り越えるには...。

田中: 昨年、現役を引退された、川崎フロンターレをここまで築き上げた中村憲剛さんですね。ほかにも、日本サッカーが現在のように発展できたのは、多くの先輩たちが海外に挑戦したり、W杯に出場してくれたおかげ。僕ももっと成長して、そういう日本サッカー界を底上げできるような存在にならなければと思っているけれど、みなさんと同じにはなれないです。僕ができることは、とにかく自分らしさをピッチで表現するしかないと思っています。それには、自分のプレーをし続けること、努力し続けること。この2つに尽きると思っていますね。

三笘: 僕の憧れは、ブラジル代表のネイマール選手(パリ・サンジェルマンFC所属)です。彼がボールを持つと、サポーターはみな、どんなパフォーマンスを披露してくれるのだろうと、ワクワクしますよね。僕も、ボールを持ったら「何をするかわからない」と思われるようなプレーヤーになりたいです。とはいえ、碧と同じく自分にフォーカスしているので、憧れの選手や先輩たちを超えるといった意識はしていないですね。

旗手: 僕は、元・川崎フロンターレで、今はセレッソ大阪所属の大久保嘉人選手ですね。自分の持ち味を活かしながら、しっかりと結果を残している点に憧れています。でも、僕も二人と同じ意見で、その選手にはなることはできません。自分と向き合って、目の前にあることを一生懸命にやる。それを毎日積み重ねることで、結果的に多くの歴史を残してくれた先輩たちを超えられるのだと思います。

日の丸は評価された証。胸を張って誇りに思う。

――今後、先輩を乗り越えたと思える瞬間があるとしたら?

旗手: それは、もうわかりやすいことで言うなら...。

三笘: W杯の結果だと思う。

田中: そうだね。W杯という大きな舞台で、日本が残してきた今まで以上の成績を出すこと。具体的には、ベスト8以上ということになるよね。

旗手: それを叶えることができたら、自分たちの手応えだけではなく、目に見えるものとして、“歴代の先輩たちを超えた”ということを多くの方々に実感してもらえるかもしれないね。

――最後に、国を背負うことについてはどうお考えですか?

三笘: 日本代表になってW杯に出たい気持ちは、小さな頃から持っていました。僕には、後世に語り継がれる選手になるという目標があります。誰もが僕の名前を見ただけで、どんな選手だったのか、思い浮かぶような存在になりたいんです。それには、W杯で活躍することが必要なので、世界の大舞台で戦って勝てる選手になるために、一日一日を大切に頑張っています。それはこれからもずっと変わらないと思います。

旗手: 日の丸を背負うということは、チームでやっていることが評価された証。選ばれた者だけがそれをつけられるので率直に嬉しいですし、すごくありがたい。そして誇りに思います。だからこそ、中途半端なプレーは絶対にできないし、もちろんしたくない。とことん勝ちにこだわり続けていきたいです。

田中: 代表入りは、サッカーをやっているなら、誰もが夢見ること。僕も小さな頃から日本代表になってW杯に出場することを目標にしてきました。いざ選ばれて強く感じるのは、誇りだけでなく責任です。簡単なことではないですが、大事なハレの舞台でこそ、パフォーマンスを最大限に表現できるような、国の代表にふさわしい選手になりたい。そして、自分のためと、日本のためにという思いを胸に戦っていきたいです。


soccer

― 偉大な先輩をリスペクトしつつも、自分は自分でしかなく、他者には成り得ない。己を見つめ、己を高めることが、偉大な先輩たちを乗り越えられる唯一
で確実な術なのだ。次世代をリードする彼らの自分磨きはまだまだ続いていく。いつかまばゆいほどに輝くその日まで。


3選手の仲とお互いの強みを語り合う【前編】はこちらをどうぞ。
https://ananweb.jp/news/364925/

三笘 薫(Kaoru Mitoma)

Birthday/Place:1997.5.20/神奈川県川崎市
Team:川崎フロンターレ
Position:MF

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小学3年生で川崎フロンターレ・アカデミーのセレクションに合格し、ジュニアユース、ユースチームでプレー。トップチームへの昇格を打診されるが、さらなる成長を求め筑波大学へ進学。2017・2019年ユニバーシアード日本代表。2018年7月、大学3年時に2020年シーズンからの川崎フロンターレへの加入内定。1年目から、スピードの緩急と足元の技術でディフェンダーを置き去りにするドリブルで、アシストとゴールを量産。新人史上最多タイの13ゴールを記録し、ベストイレブンに選ばれる。2017~2019年、2021年、年代別日本代表。東京五輪後にイングランド・プレミアリーグへの移籍も噂される。

シャツ¥16,500 パンツ¥19,800(共にミスター・ジェントルマン TEL:03・6418・1460) その他はスタイリスト私物


旗手怜央(Reo Hatate)

Birthday/Place:1997.11.21/三重県鈴鹿市
Team:川崎フロンターレ
Position:FW

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静岡学園高校2年時に全国高校サッカー選手権に出場しベスト8に進出。関東大学サッカーの名門、順天堂大学に進学し、1年時から活躍。2017・2019年ユニバーシアード日本代表。2017~2021年、5年連続で年代別日本代表に選ばれる。2018年7月、大学3年時に2020年シーズンからの川崎フロンターレへの加入内定。2020年2月ルヴァンカップ開幕戦でプロデビュー。1年目からウィングやインサイドハーフで出場し勝利に貢献する。今シーズンからは、攻撃的なポジションだけでなくサイドバックでも先発出場。強靭なフィジカル、テクニックを兼ね備え、複数のポジションをこなすユーティリティプレーヤー。

衣装はすべてスタイリスト私物


田中 碧(Ao Tanaka)

Birthday/Place:1998.9.10/神奈川県川崎市
Team:フォルトゥナ・デュッセルドルフ
Position:MF

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小学3年生で川崎フロンターレ・アカデミーのセレクションに合格し、ジュニアユース、ユースチームを経てトップチームに昇格。2年目の2018年9月15日、Jリーグデビュー。2019年にJリーグベストヤングプレーヤー賞、2020年にはベストイレブンに選ばれる。代表歴は、2014年U‐16日本代表、2019~2021年に年代別日本代表。また、2019年12月14日香港戦でA代表デビューを果たす。中盤センターでのハードワークで攻守にわたり貢献、今シーズン、J1リーグ首位を独走するチームに欠かせぬ存在だったが、6月、ドイツ・ブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに期限付き移籍を発表。

Tシャツ¥8,800(ミスター・ジェントルマン) パンツ¥16,500(ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760) その他はスタイリスト私物

取材は2021年6月17日に行われました。

※『anan』2021年8月4日号より。写真・彦坂栄治(まきうらオフィス) Getty Images AFLOSPORT スタイリスト・壽村太一 インタビュー、文・伊藤順子 取材協力・Jリーグ 川崎フロンターレ

(by anan編集部)

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