深夜ラジオ は「そばでつながっている感覚」 オールナイトニッポンPに聞きました!

2020.5.25
深夜ラジオを代表するニッポン放送『オールナイトニッポン』。ブランド全体を統括するチーフディレクターの石井 玄さんが語る、魅力とは。

自由なイメージのオールナイトニッポンにルールってあるんですか?

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ルールがないのがルール。自由な特色がANNらしさ。

今年10月で番組開始54年目に突入する『オールナイトニッポン』(以下、ANN)は、まさに深夜ラジオの代名詞的存在。俳優、アーティスト、アイドル、芸人など、エンタメ業界を牽引する旬な人たちが日替わりでパーソナリティを務めている。

「ビートたけしさん、タモリさん、松任谷由実さん、小泉今日子さん、福山雅治さんなど、名だたる著名人が歴代パーソナリティに名を連ねています。その時代を象徴するような、さまざまなジャンルのトップに位置する人たちをパーソナリティに起用するのが、50年以上、脈々と受け継がれてきたANNの伝統です。まさにおいしいところ全部取り。現在も胸を張って自慢できる、旬なパーソナリティが揃っているので、僕の中では100点満点の並びですね。三四郎さんはもう少しですけど(笑)」

ラジオ局にとって、深夜番組とはどういった役割なのでしょうか。

「深夜番組は、かつては“ヤングタイム”と呼ばれていたように、10~20代の若者たちの興味・関心を引くような内容を盛り込み、新しい層を取り込む役割を担っています。ANNは深夜1時からの1部と、深夜3時からのオールナイトニッポン0(以下、ANN0)の2部などがあり、特にANN0は、若者ウケする今っぽい人、おもしろい人を発掘して、将来的に1部を任せられそうな伸びしろのある人選を意識しています。今もYouTuberや他局のプロデューサーなど、実に多彩な顔ぶれになっています」

ANNもANN0も生放送にこだわる理由はありますか?

「自宅にいる時間が増えた今は特にそうですが、深夜にひとりで起きていると寂しくなりませんか。そんな時に、旬のスターたちがわざわざ生放送でくだらないことをただひたすら喋っていると、そばでつながっている感覚が得られるし、励みにもなる。ANNは、本当に自由が特色で、1部はオープニングに、2部はエンディングに、『ビタースウィートサンバ』をかける以外、何の制約もない。好きなようにそれぞれがおもしろい番組を作るだけ。生放送だからミスやトラブルも起きるけれど、そのハプニングも全ておもしろみに変えられるのがANNらしい。ルールがないところがルールなのかも」

裏番組の『JUNK』には、どんなイメージをお持ちですか?

「実は、僕は昔からJUNKの大ファンなんです。JUNKの発信力は本当にスゴいし、学びたい。もちろん裏番組なので意識はするけれど、お互い協力し合って、深夜番組をもっともっと盛り上げていきたいという想いのほうが強い。今、ラジオを聴く人が右肩上がりで増えているんです。人の声を聴くだけでも癒しになるし、不安や悩みを一瞬でも忘れられる時間を提供できればと思っています。これからも今のスタンスを貫き、リスナーに日常を届けていきたいです」

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いしい・ひかる 1986年生まれ。ラジオディレクター。オールナイトニッポン全体を統括しながら、星野源、三四郎、オードリーの『ANN』、『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の番組も担当する。

オールナイトニッポン ニッポン放送をキー局に、全国36局ネットで、毎週月~土曜の25:00~放送。パーソナリティは日替わり。

※『anan』2020年5月27日号より。取材、文・重信 綾 イラスト・docco

(by anan編集部)