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こんな探偵モノ見たことなーい! マンガ『北北西に曇と往け』の面白さ

2019.3.20
『北北西に曇と往け』の舞台、アイスランドは、入江亜季さんがマンガ家になって初めてまとまった休みを取った際、旅した場所だった。

イケメン×北欧アイスランド。見たことのない探偵活劇!

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「アイスランドの自然と、生活と、車が描きたくて始めた物語です。アイスランドでは、森林限界に近い厳しい環境で、わずかに許された生き物の領域を大切に、人間が生きています。人間にとって車は自身の一部のように大切な道具であり、厳しい環境から生命を守るシェルターでもあります。また運転免許を取ったばかりでもあったので、車は絶対に描きたいモチーフでした」

17歳の御山慧(みやまけい)は両親を事故で失い、アイスランドで暮らす祖父の家に居候しながら、愛車ジムニーを駆って探偵の仕事で日銭を稼いでいる。

「慧については、格好いいってなんだろうと考えました。他人や社会のために力を尽くすこと、もうひとつは自分の腕で生きていくことなのかなと。慎重で疑り深い一方で、人の善良さを愛しているところが、慧の魅力だと感じています」

彼を慕ってやまない弟の三知嵩(みちたか)は日本に住んでいて、一見無邪気そうだけど謎に満ちた存在。ある日突然、音信不通になってしまうあたりからサスペンス色が強まっていく。

「マンガは笑えたほうがいいと思っていたので、笑顔が減るリスクにドキドキしながらサスペンスに挑戦しています。アイスランドの人々の優しさを知る一方で、町の外の風吹き荒れる荒野や、簡単に凍死してしまう冷たさを思うと、この緊張感はふさわしいような気がしています」

冒険要素も多分にあり、ちょっと特殊な能力を持っているという慧の設定にはSF的雰囲気も。ジャンル分けが難しいところはいかにも今っぽいが、読んで心が躍るというマンガの純粋な楽しみ方を思い出させてくれる力強さがこの作品にはある。

「旅をすることは外界の知恵や価値観を得ること、それが個人の心の世界を広げることにつながると思っています。仮想の旅ができることは、マンガという“やさしい”読み物の役割のひとつでもあると信じています。登場人物同士がぶつかったとき、何が起こるかが肝。これからも変化の多い作品にしていくつもりです」

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『北北西に曇と往け』3 クールな慧のイケメンっぷりは眼福! タイトルは彼の人生を思って名付けたそう。最新刊では、人捜しの依頼で訪れたセーフハウスで慧の記憶が蘇る…。KADOKAWA 620円 ©入江亜季/KADOKAWA

いりえ・あき マンガ家。2002年デビュー。’06年、個人誌の作品をまとめた『コダマの谷』を刊行。’08年より連載を開始した初の長編『乱と灰色の世界』は7年にわたり続いた。

※『anan』2019年3月27日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子

(by anan編集部)

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