「ゲームで出会った彼は信用できる人…?」26歳女性を誘った男性の「非常識な言動」

文・三松真由美 — 2024.2.8
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、オンラインゲームで知り合った男性に「会わない?」と誘われた26歳女性。彼には同棲中の彼女がいるらしいのですが…。彼女がまず考えるべきことは何か、三松先生が教えてくれます!

ユキ(26歳)、冷静さレス。「4年付き合っている彼女よりユキのほうがかわいい」って言われて舞い上がる

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【レスなひとびと】vol. 230


仕事の日は、帰宅するとひとまずNintendo Switchの電源を入れる。

「あ、コウさんいるじゃん」

モフモフ部屋着に着替えながら画面を確認すると、気になっている彼がいるのが見えた。
ユキはショッピングモールの雑貨店で働く26歳。立ち仕事なので、帰宅後はもう、一歩も動きたくない。とはいえ、ひとりの部屋はさみしい。そんなユキに、オンラインプレイができるゲームはぴったりだったのだ。
ユキの気になる相手コウさんは、フリーのコンピュータエンジニア。30歳。彼女と同棲中らしい。

それなのに、ボイスチャットをしながら一緒にプレイするうちに「ユキちゃんって声、かわいいよね」「正直、彼女よりも気が合う」「あー、ユキちゃんみたいな子が彼女だったらなぁ。ノリもいいし」とノリノリで言ってきたのだ。

最初は驚いたけど、悪い気はしなかった。だって、4年も付き合っている彼女よりも、ユキが上だと言っている。
今まで好きな人はいたことがあるけれど、恋が実ったことはない。モテたこともない。だから、コウさんの言葉を聞くと、「わたしって、ほんとはすごく魅力的なのかもしれない」と優越感が湧き上がる。
「調子いいなあ」と最初は聞き流していたけど、毎日のように褒められて、だんだん彼が気になってきてしまっている。

仕事でくたくたの夜に「今日はユキちゃんといっぱいプレイできたから疲れ取れたわ」なんて言われると、なんだかこっちもそんなような気がしてきてしまう。だから、ついに聞いてみた。

「コウさん、彼女さんと一緒に住んでるのに、そんなこと言っていいんですか? 聞かれたらまずくないですか」

「いや、自分の部屋だし平気だよ。彼女もオレっちのゲームのことなんか興味ないと思うし」

「え、そうなんですか? あんまり仲良くないとか…」

「そうそう。友達って感じ。だからさあ、今度、ユキちゃん会わない? ちょっと遠いけど、新幹線ならすぐっしょ」

突然の誘いに驚いてしまう。でも、コウさんとは気が合うし、趣味も同じだし、いい人だし。会ってみたい。
(もしかしたら、彼女と別れて、わたしと付き合うことになるかも?)
そう思ったものの、まだちょっと怖くて渋ってしまう。

「新幹線代は、会ってから払うからさ。来月こっちおいでよ、どこかの部屋にSwitch持ち込んで、一緒にプレイしたらめっちゃ楽しそうじゃない?」

ぐいぐい来るコウさんに、すぐ返事ができない。

「え、ユキちゃん思ってたよりノリよくないな。仕事忙しいとかかな」

ああ、ノリが悪いってマイナス評価がついちゃった。早く決断しなくちゃいけないけど、どうしたらいいかわからない。


【三松さんからのコメント】

オンラインゲームで出会って結婚、何組か話を聞いたことがあります。スプラ婚とか言うんですね。ブキを持ってウエディングフォトを撮ったり、ウェルカムボードにイカのぬいぐるみを飾ったり、楽しそうでした。

趣味をきっかけにして出会うと、一緒に楽しめることが多くてとってもよしです。お相手の性格も把握しやすいし。ユキさんが「会ってみたい」と思うのなら止めませんが、コウさんは彼女に不義理な男性ってことはわかりますよね。未婚とはいえ浮気に当てはまります。

ほかにも気になるのは、コウさんが、ユキさんのペースを尊重していないところ。「会おう」と言われて即決できないのは、決して悪いことではありません。それをすぐ「ノリが悪い」と指摘してくるのは、自分の都合しか考えていないゆえの行動ではないか。
本当にユキさんのことが気になっていて、大切にしたいと思っているのなら、待てるはず。彼女とのことをまずは整理してから誘うのが「まっとうな恋愛」です。

ユキさんも毎回「可愛い」と言われて舞い上がっているだけなのか、それとも本当にコウさんが気になっているのか、冷静に自分対話してみて。

冷静さレスで焦って会いに行っても、望むような未来にはつながりません。

「恋と結婚は勢いが勝負という噂もありますが、冷静さレスの舞い上がり状況でエッチすると後悔するので、1回目デートでパンツは脱ぐな」


新刊『アンダー40 ―どうする結婚』 原作:三松真由美 画:こまだまこ(小学館)
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『相互アリバイ妻 ママ友同士で浮気のアリバイ作ってます』(KADOKAWA)
原作:三松真由美 漫画:カナメキヌコ
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三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。


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