ムロツヨシ&宮沢氷魚、元プロ野球選手・里崎智也氏と「裏話をたくさんしました」

写真・幸喜ひかり 文・田嶋真理 ヘアメイク・池田真希(ムロツヨシさん)、吉田太郎(W/宮沢氷魚さん) スタイリスト・森川雅代(ムロツヨシさん)、庄将司(宮沢氷魚さん) — 2023.4.7 — Page 1/2
今回、ご紹介するのは、『ドラフトキング』。未来のスター選手獲得に奮闘するプロ野球球団の剛腕スカウトを主人公に、スポーツの裏側の熾烈な争いと濃厚な人間ドラマを描いた作品です。主人公・郷原眼力(ごうはらオーラ)を演じたムロツヨシさんと、元プロ野球選手で新米スカウトの神木良輔を演じた宮沢氷魚さんにお話をうかがいました。

「こういう視点のドラマが出てきたことを喜んでいただけると思います」


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左から、宮沢氷魚さん、ムロツヨシさん


【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 136

『ドラフトキング』の原作は、野球漫画の名手・クロマツテツロウ氏による同名漫画。プロ野球の剛腕スカウトを主人公とし、その年のNo.1選手となる“ドラフトキング”の獲得を目指すスカウトたちの熱き戦いに迫る物語です。

プロ野球球団・横浜ベイゴールズのスカウト・郷原眼力は、並外れた“眼”を武器に全国から埋もれた原石を発掘。一見、独善的で毒舌家の郷原ですが、選手たちの人生に寄り添い、彼らの葛藤や苦悩を分かち合うなど、スカウト活動の裏側に潜む人間ドラマが展開されます。

主人公・郷原役を務めるのは、ムロツヨシさん。特徴的な髪型や表情など細部にまでこだわった再現度で郷原役を演じています。共演は、宮沢氷魚さん、平山祐介さん、藤間爽子さん、川久保拓司さん、阪田マサノブさん、上地雄輔さん、伊武雅刀さん、でんでんさんら。厳しいオーディションで選ばれた、野球経験者の俳優たちによるスカウト対象となる選手役の、こだわり抜いた野球シーンも見どころです。


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ーー本作が初共演だと伺いました。お互いの第一印象について教えてください。

ムロツヨシさん 氷魚くんとお会いしたことはなかったのですが、もちろんビジュアルは見ていて。このビジュアルでひねくれていたら、最高だなと思っていたのですが、予想外の好青年で。野球経験を通しているからこそのしっかりとした礼儀正しさがあり、僕がいろんな話をしてもちゃんと聞いてくれ、さらに、僕の想像をはるかに超えていたのが、酒の強さでした。

ーームロさんもお強いのでしょうか?

ムロツヨシさん 僕は好きなだけで、これまでにいろんな強い方と会ってきましたが、かなりトップクラスです。すっごい強いです(笑)。

宮沢さん お酒は好きです(笑)。

ムロツヨシさん この酒の強さは信用できます。

ーー飲んでも変わらないタイプですか?

宮沢さん その場にいることが楽しくて仕方がないので、気がついたら止まらずに飲んでしまうんです。ただ、楽しくないお酒の場だとすぐ酔ってダメになります。

ーームロさんと飲んで、いかがでしたか?

宮沢さん 僕は野球が大好きなので、世間一般ではあまり知られていないような野球の深い話をたくさんさせていただきました。撮影の前に、たくさんの方から“ムロさんとお仕事すると楽しいよ”“大先輩だけど、すぐに友達のような関係になれるよ”と聞いていて。何の心配もなくクランクインを迎えることができました。


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ーーこのドラマは、オフシーズンに本物の球場を借りたり、野球のオーディションでキャストを選んだりしたと聞きました。撮影中、スタッフの野球に対するこだわりを感じたところは?

ムロツヨシさん 選手役の方々は、野球経験者であるだけでなく、某チームのレギュラーだったり、高校時代にプロ入り寸前までいったような、ハイレベルな方々が集まっていたので、説得力が違いました。エキストラの方々まで本当に野球が上手で、このレベルで人数をそろえるのは大変だっただろうなと思いました。

上地くんは本物ですからね。松坂大輔さんの球を受けていて、ケガがなければ、プロに行っているような方ですからね。

宮沢さん 僕は18年間野球をやっていたのですが、ちょっとブランクがあるとなかなか当時の野球のレベルに戻れないんです。今回、出演してくださった方々はギャップを一切感じないくらい、現役さながらのレベルで準備をされていました。球が本当に速くて変化球も切れていて。

ムロツヨシさん あいつは速かったなぁ~。

宮沢さん 中山くん(人気タレント・中山秀征さんの長男で俳優の中山翔貴さん。青山学院大学硬式野球部出身)ですね。

ムロツヨシさん 中山くんのスライダーは本当にすごくて。“お前、本物じゃないかよ!”と思いました。


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ーー元プロ野球選手の里崎智也さんも出演されていましたね。

ムロツヨシさん 里崎さんとは控室で、ここで話せないような、プロ野球界の裏話をたくさんしました。

宮沢さん ちょうどそのとき、クライマックスシリーズの、横浜DeNAベイスターズ対阪神タイガース戦を見ていて。

ムロツヨシさん そうだった、思い出しちゃった。

宮沢さん 僕らが予想していなかったエンディングを迎えて、その日の残りの撮影がちょっとグロッキーになりました(笑)。

ムロツヨシさん びっくりしました。僕が撮影を終えたら、試合も終わっていましたからね。“あれ、さっきまで満塁だったじゃない、なんで!?”って。

宮沢さん 内野ゴロで終わるとは思わなかったな。

ムロツヨシさん 伊武さんに慰められました。

ーー劇中、伊武さんはおふたりに対して、コワモテな演技を披露されていますが、優しい方なんですね。

ムロツヨシさん 素顔はめちゃめちゃかっこいい方なんです。ああなりたいなと思います。すごくおしゃれなんですよ。


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ーー撮影中、ムロさんはいろんなアイデアを出されたそうですね。

ムロツヨシさん 漫画からそぎ落としたものを復活させてほしいといったことをご提案させていただきました。漫画は残酷なもので、カット割りから何からすべて出来上がっているんです。僕らが映像化する意味、どう肉付けするかということが僕らに与えられている絶対条件だと思うんです。

僕はこの漫画のファンなので、忘れてはいけない部分と敢えて漫画に近づけながらも映像化して良かったと思わせる何かをつける勝負をしたかったんです。監督は辟易したと思いますよ。“またあいつが原作本持って近づいてきた!”って(笑)。

郷原と神木の出会いのシーンは当初は敬語だったんですが、氷魚くんとも相談して夢を見た青年のほうが良いと思って表現を変えました。

ーー最後に、本作の見どころをお願いいたします。

ムロツヨシさん 野球ファンや野球経験者の皆さんが観たら、こういう視点のドラマが出てきたことを間違いなく喜んでいただけると思います。野球ファンではない方でも、夢を追いかける、夢をあきらめる、夢との距離感を置くといったところを描いているので、いろんな方に観ていただきたいですし、期待していただけたら嬉しいです。

宮沢さん 過去に、野球選手の視点からの物語はあったと思うのですが、裏方であるスカウトの目線から物語が繰り広げられる作品というのはおそらく初めてだと思うので、この作品を観ることによってまた違った野球の楽しみ方ができますし、スポットライトがあたる選手たちを支えるチームがあるということをぜひ知っていただきたいと思います。

インタビューのこぼれ話

おふたりとも相当な野球ファン。特にムロさんは横浜DeNAベイスターズの大ファン。「この作品に登場する球団のモチーフにもなっているところにも縁を感じます」(ムロツヨシさん)。劇中、凛々しいユニフォーム姿を披露している宮沢さん。「僕はこのお仕事を始めた頃から、野球に関わる作品に出演したいという大きな夢を持っていました。第一話では自分が野球をするシーンもあって、このタイミングでこの作品に出演できたことが本当に嬉しかったです」(宮沢さん)。

Information


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連続ドラマW-30『ドラフトキング』
4月8日(土)より、PLAY BALL!
毎週土曜日午後10時放送・配信(全10話)
原作:『ドラフトキング』クロマツテツロウ(集英社『グランドジャンプ』連載)
監督:山本透(第1~2話、第5~10話)、吉川祐太(第3~4話)
脚本:鈴木謙一
音楽:櫻井美希
出演:ムロツヨシ 宮沢氷魚 平山祐介 藤間爽子 川久保拓司 阪田マサノブ / 上地雄輔 伊武雅刀 / でんでん
制作協力:ROBOT
製作著作:WOWOW
公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/draftking/
WOWOW公式YouTubeチャンネルにて第1話無料配信中!
https://youtu.be/Y2CdIxKEBTA

衣装提供:宮沢氷魚さん ジャケット ¥55,000&Tシャツ ¥14,300(ともにエイチ ビューティ&ユース 03-6438-5230)、ジーンズ ¥30,800(アンスクリア フォー エイチ ビューティ&ユース/エイチ ビューティ&ユース)、靴 ¥77,000(クロケット&ジョーンズ/グリフィンインターナショナル 03-5754-3561)、ベルトはスタイリスト私物

写真・幸喜ひかり 文・田嶋真理  ヘアメイク・池田真希(ムロツヨシさん)、吉田太郎(W/宮沢氷魚さん) スタイリスト・森川雅代(ムロツヨシさん)、庄将司(宮沢氷魚さん)