安楽死直前でした…いまは飼い主と愛し合う猫さまのぬくぬくにあふれた生活

取材、文・Manabu Matsunaga — 2023.12.3
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第188回目はサビ猫のフィラエ(Philaé)さま。

瀕死の状態から救出された猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.188
猫さまの話をもっと聞かせて!
フィラエさまは4歳の女性猫さま。


元保護猫のサビ猫


<フィラエさまが語ります>
私の名前はフィラエですが、飼い主はときにピトー(Pitou)またはネコ(Chat)と呼びます。それは私が何か愚かなことをしたときです…。例えばトイレットペーパーをボロボロにして芯を取り出して遊んでいる時ですね。
元保護猫のサビ猫

住んでいるのはパリのバルコニー付きのアパートです。小さいけどひなたぼっこもできて植木で遊べるので、私にとっては十分なスペースです。ちょっとした虫を狩る事もできます。
元保護猫のサビ猫

食事は『ピュリナ』のカリカリか袋に入っているウェットフードで、どちらも好きです。おやつはインゲン豆! 留守中はいつも飼い主の温もりを感じられる彼女のベッドでくつろいでいます。
元保護猫のサビ猫

お気に入りのおもちゃはクリスマスボール! 飼い主がいるときは空飛ぶ虫たちを追いかけてベランダでジャンプします。その時、飼い主はいい顔をしていないのですがついついやってしまうのです。
<飼い主から見たフィラエさまとは>
猫なしではどうやって生きていいのかわかりません。私の元についにフィラエがやって来たのですが、私にはフィラエの前に4つのラブストーリーがありました。まったく異なる猫とのラブストーリーであり、忘れられないものでした。もし私が語り始めたら、ウィキペディアで最長の、共産主義の歴史に関するページを超えることになるでしょう。
元保護猫のサビ猫

私が前の猫を亡くしたとき、同僚が小さな猫の情報を見つけたのです。その状態(歓迎されるには小さく痩せ細っていた)を考慮して、動物保護協会が安楽死させたいと考えていると教えてくれました。それを聞いた私は彼女を救うために飛んで行きました。そして、その場で引き取ることに決めました。私のところにやってきてからというもの、私の生活によくフィットしています。朝はコーヒーを飲みながら大きな抱擁を交わします。彼女は私が家を整理するよりも早く邪魔をします。私が仕事をしている間、お利口なフィラエは寝ています。
元保護猫のサビ猫

私が仕事から帰ると、彼女はドアの後ろで静かに待っていて、すぐに扉をあけないと怒鳴ります。夜は消灯の時間を私にはっきりと教えてくれます。人見知りなところは、一度空き巣に入られたせいです。それ以来見知らぬ人を非常に疑っています。フィラエは時々子犬のようにも見えます。彼女の顔つきが大好きで写真を撮るとアップのものばかりになってしまいます。
元保護猫のサビ猫

彼女は私のことを愛していると思いますが、天気の悪い時にベランダに出してくれないのは私に原因があると思っているようです(笑)。私はフィラエと自由と分かち合いを大切にしているので、彼女の頑固ないち面も好きです。それは私の短気さを正当化できるからです(笑)
ーーフィラエさまの生い立ちは詳しく聞けませんでしたが、保護された時は見るからに小さく痩せ細ってこれ以上生きていけない状態だったようです。猫さまなしでは生きていけない今の飼い主の献身的な愛をたくさん受けて、今では可愛く立派な猫さまになったフィラエさま。いまの季節は天気が悪くてベランダ遊びはできないですが、今日もぬくぬくベッドでくつろいでいることでしょう。
著者情報

松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!