飼い主だけが見られる…ヘソ天時に確認できる猫さまのチャームポイントとは

取材、文・Manabu Matsunaga — 2023.11.23
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第184回目はサバトラのマロ(Maloe)さま。

寝姿が最高にかわいい猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.184
猫さまの話をもっと聞かせて!
マロさまは6歳の女性猫さま。


サバトラの猫


<マロさまが語ります>
私はパリ郊外の、森に囲まれた集合住宅に住んでいます。朝7時には起きて家族が起きてくるのを待ち、朝ご飯になります。朝食後は必ず窓際で森の匂いを嗅ぎながらゆっくりします。
サバトラの猫

昼間はだいたい寝ていますが、時々、家の中を走り回って気晴らし。午後、陽が射してくると大きな赤いソファで大の字になって寝るか、飼い主の娘の部屋のベッドで昼寝。夜はまた自分のベッドでくつろぎます。
サバトラの猫

飼い主がいる時は何をしているのか興味があり、一歩離れて観察。夕方は17時くらいからお腹が空いてしまうので、お母さんの横でプレッシャーをかけつつ監視します。18時半を過ぎると、キッチンにいるお母さんの膝でカリカリを一粒ずつもらいます。急いで食べると吐いてしまうからです。いつものカリカリは『ピュリナ』の「フリスキー」。特別な日のごはんはありませんが、なぜかコーンフレークスやナッチョスが気に入ってしまい、時々つまんでいます。もしくはヨーグルトも。
サバトラの猫

大好きなおもちゃは特にないのですが、小さなネズミの玩具があります。また、体操競技のリボンを追いかけるのが好きです。お母さんがシーツを替える時は盛大に邪魔をして遊びます。特技は仰向けで寝ること! お母さんの手からカリカリを貰って食べること。立ったり、座ったり、ちょっと落ち着きませんが(笑)。
<飼い主から見たマロさまとは>

私が高校生の時に飼い始めた雄猫が13年生きました。パリに来てからは猫を飼うタイミングはなかったのですが、娘が生まれ、猫が飼いたいと娘が5年かけて私たちを説得し、インターネットで里親募集を探しました。パリ近郊では見つからず、サルト地方のルマン市で子猫を見つけましたが、迎えに行く当日に車に荷物を積んで出かけようとしたところ、この子が朝亡くなってしまったと連絡を受けました。名前まで決めていたので娘はがっかり。再びネットで子猫を探したところ、亡くなった子猫にそっくりな子猫を見つけて決めました。


サバトラの猫

最初は怖がりで、人間に慣れるのに時間がかかりました。今でも人間の膝に自ら乗りません。でも冬の膝掛けの下なら飼い主に撫でてもらってゴロゴロ言います。猫も年月を経ると性格が丸くなるようです。ここがかわいい! とひとつ挙げるなら、もちろん全てがかわいいですが、あえて言えば小さな頭、小さな口、麻呂眉毛と、墨を踏んだような黒い足の裏です。
サバトラの猫

マロはシマ猫なんでしょうか? キジトラなんでしょうか? 私はサバトラだと思っています。アメリカンショートヘアのような模様がサバに見えるのです。私と似ているところは、独りが好きなことと多くを語らないところ。私のことはご飯をくれる人、信頼できる人間だと、6年かけて学んだらしいです。


サバトラの猫

子猫の頃から今に至るまで、仰向けに寝てお腹の模様を見ると楽しい気持ちになります。一緒にいることで癒されます。マロは外には出ないイエ猫ですが、人間との生活を受け入れてくれた彼女に感謝しています。動物が好きなので、時々、自分も猫のような気になります。安らぎを与えてくれるマロは、家族のひとりとして私たちの生活に馴染んでいます。
ーーこの取材を通して里親になるために遠くまで出向くかたが多いことを再確認しました。パリからルマンまで車だと結構な時間がかかりますね。娘さんが5年もかけて子猫を見つけたのは感動的でもありました。今日も窓際を陣取っているマロさま。晩秋の森からは一体どんな匂いがするのでしょうか!
著者情報

松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!