田代 わこ

姓名に「龍・竜・辰・タツ・リュウ」で割引も! おめでた気分MAX「ハッピー龍イヤー!」展

2023.12.22
東京・丸の内にある静嘉堂@丸の内で、2024年1月2日から2月3日まで「ハッピー龍イヤー! ~絵画・工芸の龍を楽しむ~」が開かれます。古代から吉祥をもたらすものとして扱われていた「龍」。辰年の2024年、おめでたい龍の絵画や工芸品が静嘉堂に集まります。

おめでた気分MAXの展覧会!

【女子的アートナビ】vol. 321

「龍」が誕生したのは、古代中国。体はヘビ、頭には角が2本あり、口に長いひげを生やした姿で描かれる想像上の動物です。ふだんは水中にひそんでいますが、天に昇って雨を降らせる力などをもつとされ、古くから雨ごいの神としても信仰されていました。

そんな龍をモチーフにした作品が本展に集結。企画を担当された静嘉堂文庫美術館学芸員の長谷川祥子さんは、本展の見どころについて、次のように教えてくれました。

長谷川さん 2024年に幕開けとなる本展は、来年の干支・辰(龍)を祝うテーマで開催するものです。想像上の動物である龍は、東アジアでは吉祥の霊獣として、また皇帝のシンボルとして数多く名品に表されています。このたび、静嘉堂の所蔵品から龍モチーフの作品を、幅広いジャンルから揃えました。これまで公開の機会のなかった“龍たち”も、ここぞとばかりに初登場です。さまざまな表情、迫力あるポーズも楽しい、そして重要文化財2件を含む、意外に(⁉)名品揃いの展覧会です。どうぞお楽しみください! 

anan読者におすすめの作品は…

広報用画像1 《青花黄釉雲龍文盤》清時代・乾隆年間 (1736〜95)

青花黄彩雲龍文盤 「大清乾隆年製」銘 清時代・乾隆年間 (1736〜95) 景徳鎮官窯

今回、長谷川さんにanan読者へのおすすめ作品を3点ピックアップして解説していただきました。ひとつめは、景徳鎮のお皿です。

長谷川さん この大皿は真ん中に正面を向いた五爪龍が描かれ、中央には「宝珠」を持つがごとく、「寿」の字を入れた丸文が描かれています。上質なコバルト顔料で、龍とそれを取り囲む炎や雲を濃いブルーで描いて本焼成したのち、今度は清朝で開発されたばかりの、酸化アンチモンによる美しい「レモンイエロー」の顔料を余白すべてに塗りつめてからもう一度焼いています。なんとも濃密なカラー! 清朝官窯ならではの逸品なのです。 

幕末最大の浮世絵派閥、夢の競演!

広報用画像5_三代歌川豊国 (国貞) ・二代歌川広重 画_長崎 円やま

三代歌川豊国(国貞)・二代歌川広重 画 《長崎 円やま》 江戸時代・文久元年(1861)

ふたつめのおすすめ作品は、江戸時代の浮世絵です。

長谷川さん 異国情緒ただよう、長崎・円山(まるやま)の妓楼(ぎろう)で、男女二人が窓辺に広がる海を眺めています。長いキセルをステッキのようにたてた遊女の打掛は、大海原から立ち上る昇竜(のぼりりゅう)のデザインです。ちなみにこの浮世絵は、国貞が三代歌川豊国と名乗り、歌川派の重鎮として活躍した時期の作品ですが、画面に繰り広げられる見事な景色は、風景画を専門とした二代歌川広重が描いています。一点で、幕末最大の浮世絵派閥・歌川派の競演、“人物の豊国”と“風景の広重”を楽しめる、お得な作品です。

皇族の服をリフォーム!?

広報用画像10-2 《紺地龍寿山福海模様刺繍帳》 (部分) 清時代 (19世紀)

《紺地龍“寿山福海”模様刺繍帳》(部分) 清時代 (19世紀)

最後のおすすめ作品は、刺繍で装飾された美しい布です。

長谷川さん 「帳(とばり)」とは、中国文人風の「煎茶会」を邸宅の広間で催す際、茶室の入り口に掛けられた暖簾(のれん)のような布のことです。この羅地(らじ)の絹は、中国皇帝のシンボル・五爪をもつ龍と、さまざまな吉祥文様を各色に染めた色糸による刺繍によって、ことに龍の鱗は金箔の「撚(よ)り糸」による刺繍で装飾されています。限りなく吉祥文様が詰まった“寿山福海”(じゅざんふくかい)という意匠です。この帳は何と、清朝皇族の袍(服)であったものを、煎茶人がリフォームしたものと推定されます。

姓名に「龍・竜・辰・タツ・リュウ」でうれしい割引も!

長谷川さんの解説、いかがでしたか。

ほかにも、迫力満点の橋本雅邦「龍虎図屏風」(重要文化財)と、鈴木松年「群仙図屏風」の屏風対決が見られたり、大人気の国宝「曜変天目(稲葉天目)」も出品されたりと、静嘉堂のスター作品も登場。おめでたい気分を味わえること、間違いなしです!

なお、本展では「辰年生まれ」の方、姓名に「龍・竜・辰・タツ・リュウ」がついている方は、同伴者も含めて入館料が200円も割引になります。ぜひ、お友だちやご家族のなかで辰年生まれや姓名にご縁のある方を探し、みなさんでハッピーな展覧会にお出かけください。

Information

会期:2024年1月2日(火)~2月3日(土)
会場:静嘉堂@丸の内
開館時間:10:00~17:00 ※金曜は18:00閉館。※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:月曜日(ただし1月8日(月・祝)、1月29日(月)は開館)1月9日(火)
※1月29日(月)はトークフリーデーとして特別開館いたします。
観覧料:一般¥1,500 大学・高校生¥1,000 中学生以下無料 
※「辰年生まれ」の方、姓名に「龍・竜・辰・タツ・リュウ」がついている方は、同伴者も含め、本展の入館料を ¥200割引。※他の割引との併用不可。※ご入館の際、証明になるものをご提示ください。

公式HP: https://www.seikado.or.jp/