志村 昌美

「見た目よりも中身を見てほしい」人気声優の水瀬いのりと内山昂輝が明かす恋愛の攻略法

2023.5.17
いくつになっても胸のトキメキは欠かせないものですが、「最近キュンとしてないなぁ」と感じている人も多いのでは? そこで、そんな欲求を満たしてくれるオススメのTVアニメとしてご紹介するのは、現在放送中の『山田くんとLv999の恋をする』です。今回は、こちらの方々にお話をうかがってきました。

水瀬いのりさん & 内山昂輝さん

【映画、ときどき私】 vol. 578

単行本と電子書籍の累計発行部数は200万部を突破し、ananマンガ大賞の第13回大賞にも輝くなど、人気急上昇中の本作。ネットゲームが原因で予想外の失恋をしてしまう女子大生・茜と、他人とのコミュニケーションが苦手なゲーマーの男子高校生・山田が繰り広げる“難攻不落の恋”を描き、反響を呼んでいます。

今回は、『Re:ゼロから始める異世界生活』や『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』に出演の水瀬さんが茜を担当し、『HUNTER×HUNTER』や『呪術廻戦』に出演の内山さんが山田を演じています。そこで、お互いの印象やそれぞれの恋愛観、そして最近キュンとした出来事などについて語っていただきました。

―まずは、本作に出演が決まったときのお気持ちや作品に対する印象をお聞かせください。

水瀬さん 異世界や魔法使いなど、特殊能力がある役が多かったなか、茜のように“普通の大学生”を演じられるというのは新鮮な感覚でした。なので、オーディションで合格したと聞いたときは、すごくうれしかったです。でも、「自分に務まるのかな?」という不安な気持ちになったこともありました。それでもいまは、なるべくたくさんの方から愛されるヒロインになれるようにがんばろうと思って演じています。

内山さん 僕は出演が決まってから原作をしっかり読ませていただいたんですが、おもしろくて、どんどん続きが読みたくなる作品だなと思いました。アニメーションになったら、また違う魅力が生まれるだろうなとも感じられたので、アフレコが始まるのが楽しみでしたね。キャラクターとしては高校生ということで、自分の過去の記憶を糸口にキャラクターを作っていこうかなと考えていましたが、僕の高校時代はだいぶ遠くなってしまいました(笑)。

大学生活を想像しながら楽しくお芝居をしている

―ということは、ご自身の経験も生かされている部分もあるのでしょうか。

内山さん 山田くんは無口で不愛想ではありますが、必要以上にいい人に見られようとすることなく、そのままでいるタイプ。そこが特徴だと考えましたが、そのときに思い出したのは、高校時代の自分。人に評価されるかどうかは気にせず、けっこう傍若無人に生きていましたからね(笑)。昔の自分を振り返りながら演じていたところはあったと思います。

水瀬さん 私自身は大学生活を経験していませんが、「合コン」とか「サークル」といった聞いたことがあるフレーズがたくさんあったので、「学業もがんばりながらプライベートも楽しんでいる子かな?」と想像しながら楽しくお芝居をしています。ゲームのなかに関しては、年齢も性別もバラバラのプレイヤーたちと一緒にいるので、そこはいろんな方と出会う自分の環境に近いものがあるように感じました。

「こんな表現力もあるのか」と驚かされた

―おふたりは2015年の『心が叫びたがってるんだ。』でも共演されていますが、相手役のキャスティングを聞いたときはどのようなお気持ちでしたか? 

水瀬さん 私は山田くんが内山さんだと聞いたとき、「そうでしょうね!」と思いました。イメージから何の誤差もないというか。とはいえ、そうなると自分のほうが山田くんよりも年上の役なので、「はたしてどこまでできるのか」という心配もありました。ただ、内山さんとは過去にも別の作品でご一緒したことがあったので、人見知りしなくてもいいという意味ではよかったです。

内山さん 僕は、「本当に大人になったなぁ」と思いました。って、親戚のおじさんみたいですけど(笑)。

水瀬さん いやいや、5歳くらいなのでそこまで離れていないですよね!

内山さん でも、最初にちゃんと共演したときは、高校卒業してすぐくらいの印象だったので、そこからいろいろとキャリアを積んできた現在がすごいなと。昔とは違う大人感を見事に出されていたので、「いのりちゃんってこういう方向性の表現もやるんだ」と知って、幅広い技術を感じました。本当に、何でもできちゃうんですね!

水瀬さん あまり言うと、逆に信憑性がなくなるからやめてください(笑)。でも、今回は内山さんの山田くんがいたからこそ、いろいろと挑戦できたと思っています。

「難攻不落の恋」をしたときの攻略法とは?

―恋愛に関して、ご自身が演じたキャラクターと似ているところや共感したところはありましたか?

水瀬さん 茜はプライドもありますが、強くて、正直さもあるキャラクター。しかも、シチュエーションによっては怒ってもおかしくないのに、ひねくれたり歪んだりすることなく、それを発散させられるのはすごいですよね。それに比べると私は、心のなかでモヤモヤを育てて、怪物になってしまうタイプですから…。

内山さん 怪物!? そんなところあったの(笑)?

水瀬さん けっこう根に持ってしまうところがあるんですよね…。相手にそういう意図がなかったとしても、少し強く聞こえてしまうだけで一気にテンションが下がったり…。周りを心配させないようにできる強さがある茜より、自分のほうが子どもだなと思います。

内山さん 僕は、単純に高校生の山田くんが大学生の茜と知り合えていいなと。自分が高校生のときは、同級生が文化祭に年上の彼女を連れてきたときなんてすごい話題になって、みんなが盛り上がってたこともありましたから。自分にはそんなことがなかっただけに、うらやましかったです(笑)。

―本作では「難攻不落の恋」がテーマとなっていますが、もし自分も難しい相手に恋をしたら、どのように攻略しますか?

水瀬さん やっぱり大事なのは、相手の印象に残るようなことをすることでしょうか。といっても、これは恋愛リアリティショーを見て感じたことなので、ちょっと違いますかね…。

内山さん (笑)。ちなみに、恋愛リアリティショー的目線ではどうなんですか?

水瀬さん 私の性格的にグイグイいけないほうなので、それを逆手に取って「あの人とあまり話せてないな」と思ってもらうことで印象に残すみたいな感じですかね。

内山さん なるほど。僕は、どうせ難攻不落なら当たって砕けろ精神でストレートにいって、コミュニケーションを取ろうとするかなと思います。

ちゃんと中身を見てもらえるとうれしい

―真逆の方法ですが、どちらも効果はありそうですね。では、自分がされたらうれしいことは?

内山さん それも普通に正面突破で来られたらいいんじゃないかなと。遠回りするのではなく、食事とかお茶に誘ってもらえたらいいですね。ぜひ、みなさんもガンガン行きましょう(笑)。

水瀬さん 私のように誘えない系の女子は、きっといまガクッとしていますよ…。私はどちらかというと、ガンガン来られるほうが難しいかもしれません。というのも、会話が楽しいというのが大前提なので、話のなかでポジティブなワードを自然に入れてもらえたらうれしいです。見た目を褒めてくれるよりも、そのほうが中身を見てくれている感じがします。

内山さん 見た目を褒めるのはダメですか?

水瀬さん うーん、女心はいろいろありますから…。

内山さん つまり、見た目よりも中身を見てほしいと。

水瀬さん 見出しになりそうな言葉ですね(笑)。でも、確かに見た目だけじゃなくて、中身にも興味を持ってもらえているんだなとわかると、自己肯定感も上がる気がします。内山さん、外見ばっかり見ていませんか?

内山さん あははは! でも、会ったばっかりの人だと、すぐには中身までわからないですからね。特に、仕事中とかはプライベートと違う場合もあるだろうし。

水瀬さん 確かに。恋愛って難しいですね…。

茜にはずっとキュンとしている

―ちなみに、最近おふたりがキュンとした出来事はありましたか?

水瀬さん この前、映画館で『ドラえもん』を観ていたとき、周りが子どもだらけだったんですが、上映が終わったときに隣にいた子がお父さんに「もう1回観たいね! ありがとう」と言っていたんです。キュンとするのと同時に、自分が子どもだった頃、両親にちゃんとお礼を言えてたかなと。その姿に入場料以上の価値をもらいました。私もちゃんとそういう言葉を伝えられる人になりたいなと改めて教えてもらったところです。

内山さん そんないいエピソードはないなぁ。そもそも、最近キュンとしていないですね(笑)。でも、この作品にはキュンとしましたよ! 特に後半ですが、山田くんと茜以外のキャラクターたちの心の動きも描かれているので、そこにも胸キュンポイントはたくさんあります。

―では、本作でキュンとしたシーンといえば?

内山さん 実は、僕はずっと茜にキュンとしているんですよ。

水瀬さん そうなんですか? それはうれしいです!

内山さん というのも、茜って優しいし、問題が起きてもポジティブに切り替えようとするので、ああいう人が身近にいたらいいだろうなと思いました。茜は応援したくなるいいキャラクターですし、僕はめっちゃ好きです。

山田くんが待っていると思ってがんばってほしい

―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします!

水瀬さん いつも多方面に注意を払ったり、仕事とプライベートの切り替えが難しかったりと、私には想像もできないような環境下で働いている方が多いと思うので、みなさんには尊敬の気持ちでいっぱいです。そのなかで心がクタクタに疲れてしまうときもあるかもしれませんが、その先には山田くんが待っていると思ってがんばっていただけたらと。みなさんのことを応援しています!

内山さん 高校時代の同級生に子育てをしながら働いている友達がいるので、いろいろと話を聞くことがありますが、その両立は本当に大変だなと感じています。でも、誰かと交流しているだけで心がほぐれることもあるので、やっぱり友達は大事にしたほうがいいなと。これは僕自身にも言えることですが、仕事ばかりで同じ業界の人とだけずっといるとその業界のルールや事情を絶対的なものとして捉えがちですからね。そうならないためにも、いろんな世界の友達とつながることを大切にしてほしいと思います。

インタビューを終えてみて…。

昔からお互いを知っていることもあり、息の合ったやりとりを見せていた水瀬さんと内山さん。その相性の良さは、劇中の茜と山田にも見事に生かされていると感じました。そんなおふたりだからこそできるテンポのいい掛け合いにもぜひ注目です。

不器用な2人の恋愛模様に悶絶!

胸キュンポイントも、笑いのセンスもレベル高めのアニメシリーズ。日頃の疲れや悩みで頭がいっぱいになるときもありますが、落ち込んだ気分も一瞬で忘れさせてくれること間違いなしのラブコメストーリーです。


写真・園山友基(水瀬いのり、内山昂輝) 取材、文・志村昌美

ストーリー

ネトゲで知り合った女性と浮気した彼氏から、突然別れを告げられ、サイアクな出来事に直面した女子大生の木之下茜。手元に残ったのは、彼氏と話を合わせるために始めたネトゲのキャラだけだった。

茜がストレス発散のためにネトゲの狩り場で暴れていると、同じギルドの山田にたまたま遭遇。失恋の愚痴をこぼすも、「興味はないすね」と、そっけなく返されてしまう。キレイになって元彼を見返そうとオフラインイベントに参加した茜は、再びその言葉を耳にし、山田と運命的な出会いを果たすことに…。

胸がキュンとする予告編はこちら!

作品情報

TVアニメ『山田くんとLv999の恋をする』
4月1日(土)より毎週土曜24:30~TOKYO MXほか各局にて放送中
地上波同時配信のABEMA、dアニメほか、各配信サービスにて好評配信中
https://yamadalv999-anime.com/
(C)ましろ/COMICSMART INC./山田くんとLv999の製作委員会