小関裕太「僕の生活がどんどん変わった…」心奪われた3年前の出会い
小関裕太さんがナビゲーター!
小関裕太さん
【女子的アートナビ】vol. 257
渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで9月17日からはじまる『イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき』では、フィンランドを代表するブランド「イッタラ」のガラス作品を中心に、陶器、磁器、映像やインスタレーション作品など約450点を展示。
140年の歴史をもつイッタラの美しい作品を通して、フィンランドのデザインや文化、ライフスタイルに触れることができる展覧会です。
本展のナビゲーターと音声ガイドを務めるのは、俳優の小関裕太さん。イッタラにお詳しい小関さんに、作品やアートの魅力について語っていただきました。
小関さんにインタビュー!
――音声ガイドの収録、いかがでしたか。収録で意識されたことがあれば教えてください。
小関さん 僕自身がイッタラのガラス製品やデザインに元気をもらったり、日常的にすぐそばで使っていたりするものなので、イッタラ好きの方や、今回はじめてイッタラをご覧になる方にも、より好きになってもらえるようにと意識して収録しました。
――特に聴いてほしいポイントありますか。
小関さん ボーナストラックのような形で、本筋とは別に僕自身が体験したフィンランドのエピソードや好きな部分を語っているところがあります。音声ガイドの専用番号もイッタラにちなんだものになり、遊び心も含まれていますので、楽しみながら聴いていただきたいです。
《カンタレリ(アンズタケ)》タピオ・ヴィルカラ、1947年 ©Design Museum Finland, Photo: Ounamo
――実際に見てみたい作品があれば教えてください。
小関さん 僕は現地に行ったときにけっこう見ているのですけど、今回の展覧会に出される《カンタレリ(アンズタケ)》はまだ見たことがないので、楽しみにしています。このアンズタケというのは、フィンランドで秋の味覚として食されているキノコで、それをガラスで表現しているそうです。
イッタラとの出会いは…
《アアルト ベース》アルヴァ・アアルト、1936-1937年 ©Design Museum Finland, Photo: Johnny Korkman
――小関さんは、2019年にフィンランドを訪れたときにイッタラと出会い、作品に魅了されたそうですね。具体的に、どんな場面でご覧になったのですか。
小関さん 現地を訪れたときです。デザイナーさんたちがいて、制作しているアトリエがあったのですが、そこでイッタラのガラスを見ました。カラーガラスがたくさんショーケースに詰まっていたのが印象的で、そのきれいさに目を奪われました。
――イッタラに出会われたときの感動をひと言でいうと、どんな感じですか。
小関さん 豊かだな、という感じです。いろいろな色があるなかで、寒色でも温かみを感じたり、インテリアとして生活に溶け込みながらもフォトジェニックな一面があったり。そのときは、まだ実際にイッタラを使ったことがないタイミングでしたので、果たして今買ったところで家に合うのかな、僕に合うのかな、と思いました。
その後、日本に帰ってきて、イッタラのグラスを現地でお世話になったコーディネーターの方からいただき、そこからイッタラ製品との関わりが増えていきました。
手元にイッタラがあるからには、これに見合った部屋づくりをしたいなと思って、そこからどんどん心が豊かになり、生活が変わっていきました。
例えば、クランクアップなど区切りのタイミングでお花をいただく機会が多く、それを飾る花瓶がなかったので安いのを買って使っていたのですけど、花瓶もイッタラを使うようになりました。
すると、お花をいただかないときでも自分でお花を買って飾ってみたくなったのです。生活の彩りが増え、同時に心の余裕も増えていくのが実感できました。
いい空気を吸いに表参道へ…
オイバ・トイッカによる《バード バイ トイッカ》コレクション ©Iittala
――ご自身でイッタラ製品を少しずつ買い足されているのですか。
小関さん はい。少しずつ増えていきました。仕事のなかでいただくものもありますが、息抜きに、いい空気を吸いにイッタラの表参道店に行き、カフェに行ったりグラスを買ったりもします。気づいたら、イッタラが周りにたくさんありました(笑)。
――小関さんが持っているなかで、一番のお気に入りの製品は?
小関さん 先ほどお話した、フィンランドでお世話になった方からいただいた「カルティオ」のグラスです。一色として同じ色がないというコンセプトで、僕のマネージャーさんなど含めて何人かに買ってくださったものです。
僕は青と緑が混ざった色のグラスをいただき、色合いがしっくりときました。その方が僕をイメージして買ってくださったのもうれしいですし、感覚的に自分もその色が好きで、これがナンバーワンです。
呼吸する間もなく集中したことは…
――小関さんは何度かイッタラとコラボして、ご自身が撮影したグラスなどの写真作品を公式インスタ(@Kotobanoamarinaitokoro)にアップされています。物語風の作品もあり、特に鳥の絵が描かれたマグカップが他のカップに恋する場面は本当にステキで、写真なのに短編映画を見ているような気分になりました。
小関さん わーうれしいな。ありがとうございます!
――あの写真を撮影されているとき、どんなお気持ちだったのですか。
小関さん 呼吸する間もなく、ずっと集中して撮っていました。スタジオで撮っていたので、そのスタジオの終了時間も迫ってくるような時間との闘いのなか、アイデアもどんどん浮かんでくるので、汗かきながら呼吸止めながらの撮影でした。
ほかの写真を撮影するときもそうなのですが、頭をフル回転させているので、めちゃくちゃお腹がすくんです(笑)。体の中が空っぽになり、エネルギーがすっからかんになる。集中しようと思わなくても、勝手に集中してしまうくらい大変だったのですけど、すごく楽しかったですね。
――あの写真はやばいです。絶対、イッタラ製品を買いたくなります。
小関さん あはは。ありがとうございます。マグカップを手に取ってみたいと思ってもらえたら、うれしいですね。カップを使ったとき、僕のつくったエピソードや物語を思い出すタイミングがあるような写真作品をつくりたいと考えていました。イッタラのお店に行ったとき、「あ、あれだ」と思ってもらえたらうれしいです。
アートとは…
《ルーツ》コレクション、ロナン&エルワン・ブルレック、2015年 ©Ronan and Erwan Bouroullec
――小関さんは、最近アートの番組にも何度か出られています。昔からアートがお好きとのことですが、小関さんにとってアートとはどんな存在ですか。
小関さん 豊かにしてくれるものです。最終的には「人によって違う捉え方でいい」というのがアートでステキだなと思うポイントです。自分で思っていたことが合っているのかな、とネガティブになる必要はないと思います。
また、年齢によってアートの捉え方は違うし、これから出会うものでまた捉え方も変わっていき、進化があるものだと思います。
例えば、ゴッホのひまわりの絵でも、小さいころは自宅に飾ってあったプリントの絵を見ても「母親が好きなんだな」と思った程度でした。でも今、実際に美術館で本物を見ると「パワーあるな」とか「この凹凸感がすごいな」とか発見がどんどんあります。この先も新しい発見があると思いますし、そんなところがアートの魅力です。
ぜひ、きらめきの世界へ!
――最後に、展覧会を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
小関さん イッタラを今回はじめて知った方には、こんな豊かなバリエーションの作品があるんだと知っていただきたいです。触れ合うと欲しくなりますし、自分の家にあったらどんな生活になるのだろうとイメージしていただけると思います。また、すでに知っていた方も、イッタラの140年の軌跡に触れることで、一歩踏み込んだところに行ける展覧会だと思います。
ガラスの不思議さや、さまざまな色合いを出すのも実はすごく大変なんだということが音声ガイドを聴いていただけるとわかります。
その世界に触れたあと、家に戻ってイッタラ製品を使うと、また味わいがひとつ変わると思います。作品を見る味わいもそうですし、イッタラで飲む水の味わいもちょっと変わるのではないかなと思うので、ぜひガラスのきらめきの世界に踏み込んでいただけたらと思います。
――ありがとうございました!
インタビューを終えて…
イッタラ愛にあふれていた小関さん。写真やアートにもお詳しく、ステキなお話を聞かせてくれました。インタビューの最後に「好きな絵」をお聞きしてみたところ、マグリットの絵が好きで、すでに小学生のときに彼の作品を部屋に飾っていたとのこと。奇妙で不思議でちょっとグロテスクな世界に魅かれる子どもだったそうで、そんな一面もまた魅力的でした。
小関さんの愛が詰まった音声ガイドを聴きながら、ぜひイッタラの世界を楽しんでみてください。
Information
会期 :2022年9月17日(土)~11月10日(木)※9月27日(火)休館
会場 :Bunkamura ザ・ミュージアム
開館時間 :10:00~18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
※状況により、会期・開館時間等が変更となる場合がございます。
※本展は会期中すべての日程で【オンラインによる事前予約】が可能です。
※最新情報などの詳細は展覧会HPをご覧ください。
入館料 :当日券 一般 ¥1,700、大学・高校生 ¥1,000、中学生・小学生 ¥700
展覧会HP: https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_iittala/
【衣装協力】
ATTACHMENT(Sakas PR)/ ZUCCa(A-net Inc.)