「具に」は「ぐに」ではありません!【漢字クイズ】意外と読めない漢字3選

文・田代わこ — 2024.2.18
よく知っている文字なのに意外と読めない漢字をご紹介する漢字クイズ。今回は、「具に」、「序に」、「太々しい」の読み方に迫ります!

【漢字クイズ】vol. 25

正しく読めたらスゴイ!

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「道具」や「家具」、「具材」など、ふだん使っている漢字「具」。「ぐ」という読み方は誰もが知っていると思いますが、では「具に」は正しく読めますか?

「具に」は「ぐに」ではありません!

正解は、


「つぶさに」でした! 

国語辞典によると、「具に」の意味は、「すべて備わっているさま、完全に、詳細に」など。別の漢字で「備に、悉に」とも書きます。

使用例は、「刑事は室内を具に調べた」、「状況を具に語る」など。「つぶさに」という言葉は聞いたことがあっても、漢字表記となると知らないかたも多いと思います。

「具」には、ほかにも読み方があるのでご紹介。

・「具える」……「そなえる」
意味は「備える」と同じで、「物をそろえておく、準備する、身につける」など。

漢和辞典によると、「具」という文字の「目」の部分は貝の略で、貨幣を表しているとのこと。その貨幣を両手で持つ状態を表した漢字が「具」。つまり、「貨幣をそなえる」というのが元の意味でした。

「序に」は「じょに」ではありません!

正解は、


「ついでに」でした! ふだん使い慣れた言葉でも、漢字にすると意外と難しいですね。読めたかたはすごいです!

「序に」の意味は、「ちょうどその機会に、そのおりに」など。「買い物の序に郵便局にも行く」「序に言わせていただくと」などと使用。「序でに」とも書きます。

「序文」や「順序」など「じょ」の読み方には慣れているので、つい「じょに」と読みたくなりますが、違いました。ほとんど平仮名で使われる言葉ですが、漢字の「序に」も読めるとステキですね。

「太々しい」の読み方は…

正解は、


「ふてぶてしい」でした!

おもな意味は、「開き直って図太くかまえている」など。使用例は、「彼は太々しい男だ」、「被告人は太々しい態度をとっている」など。

似たような意味で「猛々しい」もあります。こちらの読み方は「たけだけしい」。「盗っ人猛々しい」という言葉は聞いたことがあると思いますが、その意味は、「悪いことをした人が図太く居直る」となります。

以上、意外な読み方をする漢字3選でした。次回もお楽しみに!


参考資料:
『広辞苑』(岩波書店)
『日本国語大辞典』(小学館)
『新選漢和辞典』(小学館)