素直に不倫を認める夫
「不倫の調査報告書を受け取った日の夜。私は動揺していましたが、雅美から“子どものことを1番に考えて”と言われていたので、そこに精神を集中させることでなんとか平静を保てていました。しばらくして夫が帰宅したので、報告書を見せて夫を問い詰めたんです。夫は抵抗しても無駄だとわかったようで、素直に事実だと認めました。
私が“いつから?”と尋ねると、“2か月前に偶然会ってから”という返事が。昼間に雅美から聞いていた話と一致したので、嘘はついていないのだと思いました」
久しぶりに3人での再会
「次の日には雅美から連絡があり、“香織と連絡が取れた。明日3人で会おう”と言われました。翌日、私が店に着くとふたりはすでに到着していて、重苦しい空気が漂っていましたね。久しぶりの3人での再会がそんな状況になり、やりきれない思いがしました。
部屋に入ってすぐ、香織から“ごめんなさい”と謝罪を受けました。騒動の真相について、香織の口からちゃんと説明をしたほうがいいということになり、香織が静かに話し始めたのです」
はじまりは7年前だった
「夫と香織が再会したのは2か月ほど前。香織が職場の同僚とお酒を飲んでいたお店に、偶然夫が入ってきたそう。そこから連絡を取るようになったと……。しかし、事実はもっと複雑でした。実はふたりが関係を持ったのは、それが初めてではなかったのです。最初は7年前で、私と夫が結婚する直前の頃でした。その頃、雅美と香織に夫を紹介したのですが、それがきっかけで夫と香織は親密な関係になったようです。
雅美はその事実を知り、すぐにやめるよう説得したところ、香織も聞き入れて関係が終わったそう。しかし、2か月ほど前に偶然再会したことで当時の思いが燃え上がり、気持ちを制御できずに再び関係を持ってしまったと言います。話を聞き終えて、“彼のことが好きなのか”と尋ねると、香織は静かに頷きました」
一連の騒動の結末
「すべての真相が明らかになり、夫も“香織が話している通りだ”と認めました。そして、“香織が好きなのか”と尋ねると、夫が迷うことなく頷いたので、もう離婚するしかないと思いました。
話し合いをして、離婚に向けて手続きを進めていくことに。息子の親権は私が取ることができたので、それだけでも少し安心しましたね。財産分与などの手続きも終え、とりあえず私は息子を連れて実家に身を寄せました。夫と香織は一緒になる方向で進めていたようですが、やはり周囲からの批判が大きかったらしく、結局別れることになったようです。
この件で、雅美はずっと私を支えてくれたので、今でも感謝の思いが尽きません。私は多くのものを失ってしまいましたが、かけがえのない親友が残ったことが不幸中の幸いだと感じています」
親友と夫の不倫が「発覚したきっかけ」とは… 前編はこちら
“親友に夫を奪われた妻の告白”をご紹介しました。
自分を裏切った夫、友人との関係は崩壊してしまったという美佐子さん。しかし、大切な子どもと、自分を支えてくれた親友との結束をさらに深め、再生の道を歩んでほしいものです。
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