実は略語でした! 「食パン」、もともとの名は何でしょう?
【実は略語】vol. 5
「食パン」って、何の略?
ふわふわの高級食パンやモチモチの生食パンなど、数年前からブームになっている食パン。お気に入りの店で買ったり、あるいは家のホームベーカリーで焼いたりして楽しんでいる人も多いと思います。
そんな身近な「食パン」も、実は略語。いったい、なんの略でしょう?
食パン、もともとは…?
食パン、もともとは「本食のパン」または「主食用パン」の略でした!
『日本大百科全書』(小学館)によると、第二次世界大戦前、日本のパン職人は食パンのことを「本食(ほんしょく)」と呼んでいたとのこと。西洋料理の「もと」となる食べ物のパン、という意味だそうです。
食パンは、長方形の箱型に焼いた味付けをしていないパンを指し、薄く切って焼いたりサンドイッチにしたりして食べます。
そもそもパンって…?
ところで、食パンの「パン」ってそもそも何語でしょう? 英語でパンは「bread」ですよね。
日本語の「パン」は、ポルトガル語のpãoからきた言葉。
山崎製パンのサイト「パンの歴史館」によると、日本人がはじめて西洋風のパンを知ったのは、1543年。種子島に漂着したポルトガル人によって、鉄砲とともにもたらされたそうです。
ただ、パン食は根付かず、その後日本は鎖国。やがて幕末に開国した後、外国人居留地でパン作りが行われるようになりました。
明治維新前後には、ホテルやレストランで外国人向けにパンが焼かれていましたが、次第に日本人の間にも広まり、1875年、銀座木村屋が開発した「あんパン」が大ヒット。一般の人たちもパンを食べるようになりました。
さらに第二次世界大戦後、学校給食用にパンが生産されるようになって、パンの需要が広がっていったそうです。
食パンは略語でした!
食パンは、「本食のパン」あるいは「主食用パン」の略語で、「パン」という言葉はポルトガル語由来でした。教科書で習った「鉄砲伝来」と同じときに伝わったと思うと、身近なパンにも深い歴史を感じます。
意外な略語はまだまだあります。次回もお楽しみに!