「挙式をあげる」は間違った日本語!? 残念な言葉の使い方3選
文:田代わこ — 2022.4.19
「馬から落馬する」「酒を飲酒する」など、同じ意味の言葉を重ねて使う重言。「重ね言葉」ともいい、あえて強調するために使う人もいますが、場合によっては誤用とみなされることも。ちょっと残念な重言パターンを3つ、クイズ形式でご紹介!
【漢字クイズ】vol. 16
「挙式をあげる」は間違い?
![漢字クイズ画像_1 (2)](https://img.ananweb.jp/2022/04/15103737/b09e93fec8ea14931faae4b499815672-1024x1024.jpg)
正解は、
「式をあげる」が無難です。
ほかに、「結婚式をあげる」でもOKです。
「挙式」の意味は、式を行うこと、結婚式をあげることなので、「挙式をあげる」にすると同じ意味を繰り返してしまいます。
「挙式を挙げる」と漢字で書いてみると、「挙」が重なるので重言に気づきやすいですが、話し言葉ではつい使ってしまいがち。特に、スピーチなどでは気をつけましょう!
「あらかじめ予約する」は間違い?
正解は、
「予約する」だけでOKです!
「予約する」の意味は、「あらかじめ約束する、前もって約束する」。つまり、もともと「あらかじめ」の意味が含まれています。
「あらかじめ」を漢字で書いてみると、「予め」となるので一目瞭然。もちろん「前もって予約する」も重言です。
「従来から」は間違い?
正解は、
「従来」だけでOK!
「従来」を辞書で引くと「前から今まで。これまで」と載っています。「~から」をつけると意味が重なるので、できれば避けたい表現です。
同じく、「従来より」も重言。「以前から・以前より」であればOKです。
重言は間違いではないですが、例えばメディア(特に紙媒体)に載せる文章の場合、校閲の段階で必ずチェックが入ると思います。
話し言葉では、使われても気にならない人が多いと思いますが、意味が重なっていることを意識しておくといいかもしれません。
以上、ちょっと残念な重言3選でした!
参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)