切迫流産でも休日出勤を要求され… 追い込まれた33歳女性が迎えた「衝撃の結末」【後編】
切迫流産の診断を受けるも職場からの理解は得られず
「妊娠3か月の頃。無理をして働き続けていたことも関係したのか、私は病院で流産の可能性が高まっている“切迫流産”の診断を受けました。その結果、医師から“仕事や家事などを控え、2~3週間ほど自宅で安静にしてください”と言われてしまったんです。
本当は仕事も妊娠も上手に両立させたかったけれど、さすがに“これはもう無理だ”と思ったため、上司に“2週間ほど休みが欲しい”と伝えました。
ところが、“今は退職者が出たばかりで人がいない”“辛いのはみんな同じだから”と言われ、休日出勤までお願いされる始末…。
そこで、医師に相談して診断書を書いてもらい、職場に提出。その後はなんとかテレワークにしてもらい安静にしたことで無事危機を乗り越え、安定期に入ることはできたのですが、職場からの要求はそれ以降も続きました」
その後、産後の働き方に関して直属の女性の上司との面談があったものの、そこでも「産休に入るのはできるだけ遅らせて欲しい」「そもそも今の時期に妊娠するのもどうかと思っている」と言われ、彩花さんは絶句したと言います。
キャリアと悩んだ挙句、職場を退職
「退職を決断するまでは、ものすごく悩みました。ただやはり上司の理解が得られなさすぎることに衝撃を受けたのと、今後の自分のためにも、これから生まれてくる子どものためにも“ここで働き続けることは良くないのでは…”と考え、最終的に退職を決意しました。
大好きな仕事だったので本当に悩みましたが、今はあのとき退職を決断してよかったと思っています」
そのあと、彩花さんは産後に知り合った人から「よかったらウチで働きなよ」と声をかけてもらい、好条件で復職できることに。前職を辞めるときにはキャリアに対して絶望的な気持ちになっていたそうですが、今はそのご縁に感謝し、前向きに今後のキャリアについて考えられるようになっているとのことでした。
「一方で、元同僚に上司の近況を聞いたところ、その女性上司は私の退職後に不妊治療を始めたものの仕事と治療を上手く両立することができず、退職に追い込まれてしまったとのことでした。
自分が私と同じような状況になってみて、どれだけ苦労していたのか、上司も身に染みてわかったのかもしれないですね」
女性のライフステージにおいては、さまざまな変化が訪れることもしばしば。職場によっては、必ずしも妊娠に対して十分な理解が得られるとは限らないようです。
また、今回の彩花さんの上司のように、同じような境遇に身を置いたことがなければ、相手の立場を思いやって行動するのが難しいこともあるのでしょう。まだまだ女性のキャリアと私生活の両立には課題があるのも現実なのかもしれませんね。
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